SSブログ

■中国製コロナワクチンを買った国の後悔 効能にばらつきで敬遠の動きも [健康ダイジェスト]

 中国が「新型コロナウイルスワクチン外交」に出て逆風を浴びていると、世界のメディアが報道しています。不透明な情報、安全性・効能を巡る議論、配送遅延などで、むしろ不信感だけ拡大しているということです。
 現在、中国国営製薬会社のシノファームと製薬会社シノバック・バイオテックのワクチンを購入した国は、少なく見積もって24カ国。中国は高所得国がアメリカのファイザーとモデルナのワクチンを先取りすると、アジア、アフリカ、中東地域に接近しワクチン輸出を提案し、西欧の製薬会社のワクチンを確保できなかったこれらの国は焦る気持ちから、中国の製薬会社と契約しました。しかし、問題は後処理でした。
 中国産ワクチンの不信をあおったのは、効能を巡る議論でした。当初開発情報が十分に提供されていない状態で、ファイザーやモデルナのワクチンより効果が全般的に低いという報道が相次いで出ました。
 ここに臨床試験結果が国ごとにばらつきがあるという報告まで出てきて、不安感を育てました。シノバックのワクチンの場合、トルコでの臨床試験で91%だった効能がインドネシアでは68%、ブラジルでは50%まで低下。シノファームのワクチンの場合も、アラブ首長国連邦で86%の効能をみせたものの、独自の臨床試験では平均効能79%と低くなりました。
 こうした結果にワクチン購入国は混乱に陥り、フィリピンでは政府が十分な検証をせずに性急にワクチンを買い入れたという批判が出ました。マレーシアとシンガポールは「ワクチンの安全性と効果が検証された場合にだけ使用を承認する」として、世論の不満の火消しに出ました。
 その上に、ワクチンが適時に到着することもありませんでした。中国でワクチンと原料供給が遅れたため、トルコとブラジルは接種スケジュールに影響が出ています。
 トルコ政府は昨年12月までにシノバックのワクチン1000万回分を受け取ることにしていたものの、10月初めまでに確保した量は300万回分にとどまりました。ブラジルも焦りは同じで、原料を受け取り自国の工場でワクチンを製造することにしたものの、まだ何の連絡もない状況です。ブラジルのエドゥアルド・パズエロ保健相は、「中国がワクチン原料輸出に向けた書類処理にもたついている」として苦しさを訴えたりもしました。結局、ブラジルは最近インドで生産されたイギリスのアストラゼネカのワクチン200万回分を買い入れました。
 これに先立ち中国は年内に最大20億回分のワクチンを生産できると自信をみせたものの、最近では立場を変え、中国外交部は声明を通じ「中国もワクチンが多く必要だ。国内需要に合わせながら輸出契約を履行するために努力している」と明らかにしました。

 2021年10月19日(火)




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。