■アルパカから新型コロナ抗体作製、全変異型に有効 京大など2年後の吸入薬実用化を目指す [健康ダイジェスト]
ラクダの仲間の「アルパカ」が持っている抗体が、新型コロナウイルスの全変異型の感染防止に有効であることを突き止めたと、京都大学などの研究チームが14日、発表しました。既存の新型コロナ治療用の抗体製剤より効き目が強く、吸入薬として2年後の実用化を目指すとしています。
抗体とは、生物の体内に病気の原因となる細菌やウイルスが侵入した際、結合して細胞への感染を防いだり、異物として攻撃したりする役割を担うタンパク質のこと。アルパカの抗体は大きさが数ナノメートル(ナノは10億分の1)と人の抗体より極めて小さいため、研究チームは人の抗体よりもウイルスと結合しやすいのではないかとみて実験を行いました。
新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を投与したアルパカから、約2000万種の抗体を採取し、コンピューター解析で、新型コロナウイルスに結合しやすいとみられる6種を抽出。実際に新型コロナウイルスの各変異型に加えた結果、このうち2種を合わせると、オミクロン型を含む全変異型と結合し、既存の抗体製剤よりも効果的に細胞への感染を防げることが判明しました。
人の大きな抗体は、新型コロナウイルス表面の突然変異が起こりやすいスパイクタンパク質と結合することから変異型への対応が困難なのに対して、アルパカの小さな抗体はスパイクタンパク質にある深い溝にまで入り込み、ウイルス内部の変異が起こりにくい部分に結合できるためとみられます。
この深い溝では免疫をすり抜けるなどの変異がほとんど見られないため、オミクロン型を始めとしたすべての新型コロナウイルスの働きを抑えることができると期待されています。
比較的新しいオミクロン型の派生型「BA・5」ではまだ確認していないものの、有効である可能性が高いとみています。
京都大の高折(たかおり)晃史教授は、「有効だった2種の抗体を合わせ、今後1年程度で臨床実験を行い、2年後の吸入薬としての実用化を目指す」と話しています。
2022年7月14日(木)
抗体とは、生物の体内に病気の原因となる細菌やウイルスが侵入した際、結合して細胞への感染を防いだり、異物として攻撃したりする役割を担うタンパク質のこと。アルパカの抗体は大きさが数ナノメートル(ナノは10億分の1)と人の抗体より極めて小さいため、研究チームは人の抗体よりもウイルスと結合しやすいのではないかとみて実験を行いました。
新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を投与したアルパカから、約2000万種の抗体を採取し、コンピューター解析で、新型コロナウイルスに結合しやすいとみられる6種を抽出。実際に新型コロナウイルスの各変異型に加えた結果、このうち2種を合わせると、オミクロン型を含む全変異型と結合し、既存の抗体製剤よりも効果的に細胞への感染を防げることが判明しました。
人の大きな抗体は、新型コロナウイルス表面の突然変異が起こりやすいスパイクタンパク質と結合することから変異型への対応が困難なのに対して、アルパカの小さな抗体はスパイクタンパク質にある深い溝にまで入り込み、ウイルス内部の変異が起こりにくい部分に結合できるためとみられます。
この深い溝では免疫をすり抜けるなどの変異がほとんど見られないため、オミクロン型を始めとしたすべての新型コロナウイルスの働きを抑えることができると期待されています。
比較的新しいオミクロン型の派生型「BA・5」ではまだ確認していないものの、有効である可能性が高いとみています。
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by BlizzardBub (2022-07-14 23:11)