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■熊本市の慈恵病院院長、内密出産ガイドライン明文化は評価 国内6、7例目の内密出産も公表 [健康ダイジェスト]

 妊婦が医療機関にのみ身元を明かして出産する「内密出産」を独自に導入している慈恵病院(熊本市)の蓮田健院長は6日に記者会見を開き、国のガイドライン(指針)公表について、「これまで公的なよりどころがなかった。明文化されたことは評価したい」と述べました。新たに国内6、7例目となる内密出産も公表しました。
 内密出産は、慈恵病院が自宅などで1人で出産する孤立出産を防ぐために3年前に導入しましたが、内密出産に関する法律はなく、厚生労働省と法務省が医療機関や自治体の対応を示したガイドラインを共同で策定し、9月30日に初めて公表しました。
 このガイドラインでは、身元情報を明らかにして出産するよう妊婦を説得することを医療機関に求めたものの、蓮田院長は「陣痛を抱えながら新幹線で到着し、その後1時間で出産するケースでは、妊婦に身元を明かすよう説得ができない」と指摘。同院では「分娩(ぶんべん)室で確認し、退院までに一部の職員へ明かせば内密出産、誰にも明かさなければ匿名出産」との運用方法を取るとしました。
 また、妊婦の説得に行政機関の同席が望ましいとしたことについて、「妊婦は行政に不安感や不信感を抱えている。病院の後に行政が説得するのが望ましい」と述べました。
 ガイドラインが示さなかった子供への出自情報の説明方法に関し、「何らかの方針を作らないといけない」と話しました。
 同院によると、国内6、7例目はいずれも西日本在住の成人女性。身分証明書のコピーを提出して退院し、生まれた子は乳児院へ預けられたといいます。

 2022年10月7日(金)

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