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■抗インフルエンザ薬「アビガン」、コロナ治療薬としての開発中止 有意な結果は得られず [健康ダイジェスト]

 富士フイルム富山化学は14日、抗インフルエンザ薬「アビガン(一般名:ファビピラビル)」の新型コロナウイルス感染症治療薬としての開発を中止すると発表しました。異例続きだったアビガンの一連の動きに、終止符が打たれます。
 同社は2020年10月に厚生労働省に対して、新型コロナ治療薬としての製造販売の承認申請を出していましたが、取り下げます。2021年に始めた臨床試験(治験)の解析でも有意な結果が得られなかったため。北アメリカやクウェートの海外治験でも、有効性は証明できなかったといいます。
 アビガンは2014年、従来の薬が効かない新型インフルエンザ向けに承認されました。細胞に入ったウイルスの増殖を抑えるものの、動物実験で胎児に奇形が出る恐れがあるとわかっていて、妊娠中の女性らには使えません。
 有効性などを示すデータが出ていない2020年5月、当時の安倍晋三首相が月内の承認を目指すと表明。直後に厚労省は「治験データは後でも可」として、早期承認が可能となる特例を設けました。
 治験とは別の特定臨床研究で承認に至る可能性があったものの、新型コロナ感染者が減って被験者が集まらず、結果的に2020年10月、治験データをもとに富士フイルム富山化学が承認申請を出しました。
 しかし、新型コロナ感染症患者に対する重症化抑制効果の確認を目的に始めた治験は、ワクチン接種率の向上や重症化率が低いオミクロン型流行などの環境変化を踏まえ、今年3月に被験者の組み入れを終了していました。それまでの被験者のデータ解析でも有意な結果は得られていませんでした。

 2022年10月14日(金)

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