■iPS細胞由来の「心筋シート」承認申請へ 大阪大発のベンチャー企業 [健康ダイジェスト]
iPS細胞(人工多能性幹細胞)から心臓の筋肉(心筋)の細胞シートを作って心筋梗塞(こうそく)などの患者の心臓に移植する治療法について、大阪大発の新興企業「クオリプス」(東京都中央区)が、6月にもシートの製造販売承認を厚生労働省に申請することがわかりました。iPS細胞を使った再生医療等製品の承認申請は初めてとなる見通しで、認められれば医療現場での活用が近付きます。
心筋シートを使った治療は、心筋梗塞などで心筋の動きが悪くなる「虚血性心疾患」の患者が対象になります。悪化すると心臓移植が必要ですが、臓器提供者が少なく、患者自身の負担も大きいという課題がありました。
同社の最高技術責任者を務める澤芳樹・大阪大特任教授らは、人のiPS細胞から心筋細胞を作り、シート状に加工。2020年1月~2023年3月、虚血性心疾患の患者計8人に対し、1人当たり約1億個の細胞で作った心筋シートを心臓に貼り付ける治験を行いました。
澤氏らによると、8人全員で安全性が確認され、社会復帰できているといいます。
同社は、治験の症例が少なくても有効性などが推定できれば期限付きで実用化を認める「条件・期限付き承認」制度を利用する方針です。同社は2025年を目標に、この承認を取得したいとしています。
心筋シートの材料となるiPS細胞は、京都大学iPS細胞研究所が提供します。厚労省の推計によると、虚血性心疾患の国内患者数は約4000人。
iPS細胞を使った医療用製品は、世界で開発競争が激化しています。国内では、住友ファーマ(大阪市)が2024年度にも、パーキンソン病患者に投与するiPS細胞由来の神経細胞の承認申請を目指すなど、実用化に向けた研究が進んでいます。
2024年5月27日(月)
心筋シートを使った治療は、心筋梗塞などで心筋の動きが悪くなる「虚血性心疾患」の患者が対象になります。悪化すると心臓移植が必要ですが、臓器提供者が少なく、患者自身の負担も大きいという課題がありました。
同社の最高技術責任者を務める澤芳樹・大阪大特任教授らは、人のiPS細胞から心筋細胞を作り、シート状に加工。2020年1月~2023年3月、虚血性心疾患の患者計8人に対し、1人当たり約1億個の細胞で作った心筋シートを心臓に貼り付ける治験を行いました。
澤氏らによると、8人全員で安全性が確認され、社会復帰できているといいます。
同社は、治験の症例が少なくても有効性などが推定できれば期限付きで実用化を認める「条件・期限付き承認」制度を利用する方針です。同社は2025年を目標に、この承認を取得したいとしています。
心筋シートの材料となるiPS細胞は、京都大学iPS細胞研究所が提供します。厚労省の推計によると、虚血性心疾患の国内患者数は約4000人。
iPS細胞を使った医療用製品は、世界で開発競争が激化しています。国内では、住友ファーマ(大阪市)が2024年度にも、パーキンソン病患者に投与するiPS細胞由来の神経細胞の承認申請を目指すなど、実用化に向けた研究が進んでいます。
2024年5月27日(月)
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