■パーキンソン病の異常なタンパク質、患者の脳内で画像化に成功 量研機構が発表 [健康ダイジェスト]
量子科学技術研究開発機構はパーキンソン病患者の脳内に蓄積した原因タンパク質を画像検査で測定する技術を開発しました。原因タンパク質の蓄積量がわかれば、治療薬の臨床試験(治験)などが進めやすくなります。
パーキンソン病は運動を制御する脳の神経が次第に衰える難病で、国内では人口10万人当たり100〜180人が発症していると推定されます。手足の震えや歩行障害などの症状が現れ、進行すると一人で移動できなくなり、車いすや寝たきりでの生活となります。根本的な治療法はありません。
脳内に異常なタンパク質「αシヌクレイン」が蓄積することが原因とされるものの、生きている患者の脳内で凝集したαシヌクレインを測定する技術がなく、患者が亡くなった後に脳組織を調べる必要がありました。現状、医師は症状などでパーキンソン病を診断しています。
パーキンソン病患者の脳内に蓄積するαシヌクレインは比較的少なく、他のタンパク質と構造が似ているなどの理由もあって、画像診断装置で測定するのが難しいという課題がありました。
研究チームは凝集したαシヌクレインに強く結合する薬剤を開発することに成功し、この薬剤を使って陽電子放射断層撮影装置(PET)検査で、αシヌクレインを画像化できるようにしました。患者の脳内を生きたまま測定できる技術は世界初といいます。
患者のPET検査に利用したところ、パーキンソン病の発症にかかわる中脳の黒質と呼ばれる部分にαシヌクレインが蓄積している様子が確認できました。蓄積の量が多いほど運動障害の重症度が高い傾向にあることもわかりました。
量子科学技術研究開発機構の遠藤浩信主任研究員は、「この技術を使えば異常なタンパク質が脳にたまっている人を探し出して治験を行ったり治療の効果を確認したりできるようになる。病気のメカニズムの解明にもつながる研究だ」と話しています。
2024年6月6日(木)
パーキンソン病は運動を制御する脳の神経が次第に衰える難病で、国内では人口10万人当たり100〜180人が発症していると推定されます。手足の震えや歩行障害などの症状が現れ、進行すると一人で移動できなくなり、車いすや寝たきりでの生活となります。根本的な治療法はありません。
脳内に異常なタンパク質「αシヌクレイン」が蓄積することが原因とされるものの、生きている患者の脳内で凝集したαシヌクレインを測定する技術がなく、患者が亡くなった後に脳組織を調べる必要がありました。現状、医師は症状などでパーキンソン病を診断しています。
パーキンソン病患者の脳内に蓄積するαシヌクレインは比較的少なく、他のタンパク質と構造が似ているなどの理由もあって、画像診断装置で測定するのが難しいという課題がありました。
研究チームは凝集したαシヌクレインに強く結合する薬剤を開発することに成功し、この薬剤を使って陽電子放射断層撮影装置(PET)検査で、αシヌクレインを画像化できるようにしました。患者の脳内を生きたまま測定できる技術は世界初といいます。
患者のPET検査に利用したところ、パーキンソン病の発症にかかわる中脳の黒質と呼ばれる部分にαシヌクレインが蓄積している様子が確認できました。蓄積の量が多いほど運動障害の重症度が高い傾向にあることもわかりました。
量子科学技術研究開発機構の遠藤浩信主任研究員は、「この技術を使えば異常なタンパク質が脳にたまっている人を探し出して治験を行ったり治療の効果を確認したりできるようになる。病気のメカニズムの解明にもつながる研究だ」と話しています。
2024年6月6日(木)
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