■生殖細胞なくすと寿命変化 大阪大、短命の魚で確認 [健康ダイジェスト]
精子や卵子などの生殖細胞が、オスでは寿命を縮め、メスでは逆に延ばす働きをしていることを魚で突き止めたと、大阪大などの研究チームが発表しました。寿命に性差が生じる理由の一つと考えられ、論文がアメリカの科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載されました。
人を含む多くの動物で、メスはオスより寿命が長い傾向がみられるものの、その詳しい仕組みはわかっていませんでした。比較的短命なマウスでも寿命が数年あり、実験に時間がかかることから研究が難しいという課題がありました。
大阪大の石谷太教授らは、新たな実験動物として、アフリカに生息する体長4センチ前後の淡水魚で寿命が数カ月ほどの「ターコイズキリフィッシュ」に着目。遺伝子の働きを操作して、生まれ付き生殖細胞をできなくすると、オスは寿命が平均13%延びた一方で、メスでは逆に7%短くなり、差がほぼなくなりました。
精子をできなくしたオスを詳しく調べると、肝臓でカルシウムやリンの代謝と深くかかわる活性型ビタミンDが多く作られ、筋肉の再生能力や骨の量などが維持されていました。 卵(らん)ができないメスでは女性ホルモンが減少し、血液を凝固させるタンパク質が増え、血管に血の塊が詰まるリスクが高くなりました。
一方、通常の生殖細胞がある魚では、適量の活性型ビタミンDを投与すると、オスで平均21%、メスで7%寿命が延びました。人でも100歳超の長寿者では、ビタミンDとかかわる遺伝子に特徴的な変化がみられる場合があるといいます。
今後は生殖細胞がどのような仕組みで遺伝子や臓器などの機能を制御し、寿命に影響を与えるかを詳しく調べるといいます。
奈良県立医科大の中村修平教授(老化・寿命研究)は、「脊椎動物の寿命に生殖細胞がかかわっていることを明らかにした、極めて重要な成果だ。無脊椎動物ではみられない寿命の性差や、ビタミンDとの関係を明らかにしたことも興味深い」と話しています
2024年6月23日(日)
人を含む多くの動物で、メスはオスより寿命が長い傾向がみられるものの、その詳しい仕組みはわかっていませんでした。比較的短命なマウスでも寿命が数年あり、実験に時間がかかることから研究が難しいという課題がありました。
大阪大の石谷太教授らは、新たな実験動物として、アフリカに生息する体長4センチ前後の淡水魚で寿命が数カ月ほどの「ターコイズキリフィッシュ」に着目。遺伝子の働きを操作して、生まれ付き生殖細胞をできなくすると、オスは寿命が平均13%延びた一方で、メスでは逆に7%短くなり、差がほぼなくなりました。
精子をできなくしたオスを詳しく調べると、肝臓でカルシウムやリンの代謝と深くかかわる活性型ビタミンDが多く作られ、筋肉の再生能力や骨の量などが維持されていました。 卵(らん)ができないメスでは女性ホルモンが減少し、血液を凝固させるタンパク質が増え、血管に血の塊が詰まるリスクが高くなりました。
一方、通常の生殖細胞がある魚では、適量の活性型ビタミンDを投与すると、オスで平均21%、メスで7%寿命が延びました。人でも100歳超の長寿者では、ビタミンDとかかわる遺伝子に特徴的な変化がみられる場合があるといいます。
今後は生殖細胞がどのような仕組みで遺伝子や臓器などの機能を制御し、寿命に影響を与えるかを詳しく調べるといいます。
奈良県立医科大の中村修平教授(老化・寿命研究)は、「脊椎動物の寿命に生殖細胞がかかわっていることを明らかにした、極めて重要な成果だ。無脊椎動物ではみられない寿命の性差や、ビタミンDとの関係を明らかにしたことも興味深い」と話しています
2024年6月23日(日)
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