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■鳥インフルH5N1、人への感染性高まった可能性 アメリカでは牛を介し感染例も [健康ダイジェスト]

 アメリカの酪農場で飼育される乳牛の間で感染が広がる高病原性鳥インフルエンザウイルスのH5N1について、従来と比べて人への感染性が高い可能性があるとする分析結果を、東京大などの国際研究チームが明らかにしました。
 哺乳類の間での弱い飛沫(ひまつ)感染も確認されており、研究チームは「人でも感染が広がらないよう、封じ込めを急ぐ必要がある」としています。論文が8日付けのイギリスの科学誌「ネイチャー」に掲載されました。
 アメリカでは今年3月以降、牛の感染が少なくとも12の州で確認されました。牛から人に感染し、目の充血などの症状が出たことも数例報告されています。
 東京大など日米の研究チームが感染した牛のウイルスを分析すると、人の喉や鼻に多い分子に結合する性質があり、この分子を介して人でも感染する可能性が示されました。従来のH5N1は、この分子に結合する能力が低かったといいます。
 また、ウイルスを感染させた哺乳類のフェレットの4匹中1匹で飛沫感染したことが血液検査で判明しました。
 研究チームの国立国際医療研究センター研究所国際ウイルス感染症研究センター長、河岡義裕・東大特任教授(ウイルス学)は、「ウイルスが変化し感染性が高まっている可能性がある。病原性の変化も注視することが必要だ」と話しています。
 北海道大学の迫田義博教授(ウイルス学)は、「飛沫感染したフェレットのウイルス量は非常に少なく、すぐにパンデミック(世界的大流行)につながるとはいえないが、注意は必要だ。検出の時期や場所が違うウイルスを調べ、データを蓄積することを急ぐべきだ」とコメントしています。
 乳牛から搾ったばかりの生乳に含まれるウイルスは、加熱処理で大幅に減少します。坂本哲志農相は6月18日の閣議後会見で、「国内で流通する牛乳は、加熱処理をしており人への健康影響はないと考える」と述べています。

 2024年7月9日(火)

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