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■エムポックス、タイでアジア初のクレード1感染者 コンゴから入国のヨーロッパ出身の男性 [健康ダイジェスト]

 タイの疾病管理当局は22日、従来より致死性の高いエムポックス(サル痘)ウイルスの感染を、国内で確認したと発表しました。アフリカ大陸外での感染確認は2例目で、アジアでは初。
 タイの疾病管理局によると、感染が確認されたのは66歳のヨーロッパ出身の男性。アフリカのコンゴ民主共和国(旧ザイール)から中東を経由して入国し、14日に、バンコクに到着しました。
 男性は翌日から症状が出始め、すぐに病院へ向かったといいます。その後、「クレード1(コンゴ盆地系統群)」と呼ばれるエムポックスウイルスから派生した「クレード1b」に感染していることが確認されました。
 エムポックスウイルスには大きく分けて「クレード1」と「クレード2(西アフリカ系統群)」の2種類があり、「クレード1」のほうが致死性が高くなっています。
 昨年から、アフリカのコンゴ民主共和国を中心にアウトブレイク(大流行)が発生。コンゴでは少なくとも450人が死亡しています。
 その後、ブルンジやケニア、ルワンダ、ウガンダなどでも感染が確認されています。コンゴの東部で確認された「クレード1b」は現在、国境地帯や近隣諸国に広がっています。
 1週間前にはスウェーデンで、アフリカ大陸外で初めて「クレード1b」感染者が確認されました。スウェーデンの公共衛生当局は、男性が最近、アフリカ諸国に滞在していたと説明しました。
 そして今回タイで、「クレード1b」の感染がアジアで初めて確認されました。
 エムポックスは性行為や皮膚病変(発疹部位)への接触、ほかの人と近い距離で会話や呼吸をするなどの濃厚接触によって感染するものの、新型コロナウイルスやはしかなどのような感染力はありません。
 しかし現在、変異により「クレード1b」と呼ばれる派生型が生まれ、以来急速に感染が広がっています。この変異株は「これまでで最も危険なもの」だと指摘する科学者もいます。
 アフリカの一部地域でこの変異株がまん延していることや、その致死率の高さから、科学者の間では懸念が広がっています。世界保健機関(WHO)は14日、エムポックスのアウトブレイク(大流行)について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
 エムポックスに対する認識を広め、濃厚接触者を追跡し、ワクチン接種で感染予防をすることで、アウトブレイクは抑制できます。ただし、ワクチンは感染リスクがある人や、感染者と濃厚接触した人しか受けられません。
 アフリカではワクチンが不足していますが、来週あたりにコンゴに数百万人分が到着する予定。
 アジア初の感染が確認されたタイでは、機内で感染者の近くに座っていた43人と、着陸後に感染者と接触した人たちを、疾病管理局が追跡調査しています。該当者は全員、21日間の観察を受けます。
 タイはまた、42カ国の「リスクがある国」からの渡航者を対象に、到着時の検査を義務付けました。
 エムポックスは、インフルエンザのような症状や皮膚病変を引き起こします。ほとんどの場合は軽い症状ですむものの、命にかかわることもあります。中央アフリカでまん延している変異株「クレード1b」は従来より致死率が高く、100人に4人が死に至ると考えられています。

 2024年8月23日(金)

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