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■すい臓がんを対象に超音波を用いた新たな治療装置の治験 富山大附属病院が開始 [健康ダイジェスト]

 富山大附属病院が10日までに、すい臓がんを対象に超音波を用いた新たな治療装置の臨床試験(治験)を始めました。体外から照射した超音波でがんを壊死(えし)させる装置で、患者の負担軽減が期待されます。
 開発した東京都内のスタートアップ企業は2027年に医療機器として承認取得を計画し、手術や放射線、抗がん剤、免疫療法に続く「第5の治療法」の実用化を目指します。富山大附属病院は導入を見込み、国内有数のすい臓がん治療体制がさらに充実しそうです。
 治験を実施しているのは「集束超音波(HIFU(ハイフ))治療装置」。東北大発のスタートアップ企業「ソニア・セラピューティクス」(東京都)が開発しました。富山大附属病院を含む全国6施設で治験に取り組み、有効性や安全性を調べます。
 装置は体外から照射した超音波を一点に集めて、がんを加熱、壊死させる仕組み。体内を見る超音波も照射し、がんの位置を超音波(エコー)画像で確認しながら治療します。麻酔はせず、1回当たり5秒程度の照射を複数回行います。被ばく線量に限度がある放射線と異なり、何度でも治療できます。
 すい臓は呼吸に伴って動くため、超音波を患部へ正確に照射できるよう工夫しました。超音波で体内に気泡を生じさせる技術を取り入れ、気泡を目印にエコー画像で患部をとらえることを可能にしました。エコー画像のノイズも低減しました
 富山大附属病院は2018年、すい臓や胆道の疾患に対し、診療科の垣根を越えて対処する「膵(すい)臓・胆道センター」を国内で初めて設置しました。すい臓の専門家が内科と外科、診断を担う病理にそろい、国内でも有数の充実した体制を構築しています。
 すい臓がんの年間手術件数は2019~2023年は100~120件台で推移し、北陸甲信越の医療機関で最も多くなっています。患者は北陸三県にとどまらず、北海道から沖縄まで全国各地から訪れています。
 新たな治療装置について、藤井努センター長(富山大医学系消化器・腫瘍・総合外科教授)は、「すい臓がんは治療の選択肢が少ない疾患なので選択肢が一つ増えるメリットは非常に大きい」と指摘。「全国から訪れる患者さんに応えるため、東京や大阪の施設に負けないしっかりした設備をそろえる必要がある」と述べ、早期の実用化を期待しました。
 富山大附属病院など全国6施設で実施している治験の問い合わせは、がん情報サイト「オンコロ」で受け付けています。電話は=0120(974)268=まで。

 2024年9月11日(水)

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