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■虐待で死亡の子供、全国で56人 新生児の遺棄死亡が最多に [健康ダイジェスト]

 虐待によって死亡した子供は、2022年度は心中を除くと全国で56人に上り、このうち生後まもない新生児が遺棄されるなどして死亡した事例が26%余りで最も多くなりました。こども家庭庁は、予期せぬ妊娠や困窮などで不安を抱える妊産婦への支援を強化するとしています。
 こども家庭庁が公表した2022年度の虐待によって死亡した子供の事例検証によりますと、虐待を受けて死亡した子供は全国で56人で、前の年度より6人増えました。また、親による心中によって死亡した子供は16人に上りました。
 心中以外で死亡した56人の原因となった虐待の類型は、育児を放棄する「ネグレクト」が24人、「身体的虐待」が17人、「心理的虐待」が1人、「不明」が14人となっています。加害者は実母が23人で最も多く、次いで実母と実父が7人。
 また年齢をみると、0歳から15歳までで、0歳が25人、2歳が9人、1歳と4歳がそれぞれ5人、3歳と8歳がそれぞれ3人、7歳が2人、5歳、6歳、13歳、15歳がそれぞれ1人となっています。
 このうち0歳で死亡した25人のうち、生後1カ月未満の新生児は15人に上り、13人は生後直後に遺棄されて死亡しました。
 こども家庭庁によりますと、予期せぬ妊娠などで孤立した状況で出産し、周囲に相談することができないまま遺棄につながったケースが多いということです。
 若年妊娠や困窮など生活に困難を抱え、出産前からのサポートが特に必要とされる妊婦は「特定妊婦」として自治体が登録し支援を強化していますが、こども家庭庁は今年度、より相談しやすい体制作りや、居場所のない妊産婦への一時的な住まいや食事の提供、それに養育サポートのための関係機関との連携を強化するとしています。

 2024年9月12日(木)

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