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■iPS細胞で「心臓周皮細胞」を作製 新たな心不全治療の開発も [健康ダイジェスト]

 京都大などの研究グループは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用し、血管の形成や心筋細胞の増殖を促す「心臓周皮細胞」の機能を持つ細胞を高効率に作製することに成功したと26日付のアメリカの科学誌に発表しました。新たな心不全治療の開発につながることが期待されます。
 胎児期の体内では、心外膜細胞と呼ばれる細胞から、周皮細胞など心臓を組織する各細胞が作られます。iPS細胞から心外膜細胞を安定的に作る手法はすでに確立されています。一方で、心外膜細胞から周皮細胞ができるには複数のステップが必要で、他の細胞も同時に作り出されることがありました。
 グループは、心外膜細胞で「SMAD3」という遺伝子の量が増えることに着目。SMAD3の役割を調べるため、小さなリボ核酸(RNA)を加えて結合させ、わざと働きを落としました。すると、心外膜細胞は通常より細長い形に変化しました。
 変化した細胞を調べると、血管を作る作用を促す周皮細胞の機能を持つことがわかりました。さらに、この細胞が分泌する物質は、心臓の働きの中心となる心筋細胞の増殖を促進する効果を持つことも確認されました。

 2024年9月27日(金)

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