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■世界の樹種、3種に1種以上が絶滅の危機 国際自然保護連合のレッドリストで明らかに [健康ダイジェスト]

 世界の3種に1種以上の樹種が絶滅の危機にひんしていることが、わかりました。南アメリカのコロンビア・カリで開催中の生物多様性条約締約国会議(COP16)で28日に報告された国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(絶滅の恐れのある野生生物種のリスト)の最新版で、明らかになりました。これは地球の生態系が直面している危機の規模を浮き彫りにするものです。
 世界には約5万8000種の樹木が存在すると考えられていますが、今回評価された4万7282の樹種のうち、少なくとも1万6425種が絶滅の危険にさらされています。これは絶滅の危機にひんしているすべての鳥類、哺乳類、は虫類、両生類の合計数の2倍以上に相当します。
 地球温暖化を引き起こす化石燃料による汚染は樹木を脅かしています。汚染物質を大気中から吸収する樹木の喪失は気候危機を悪化させます。
 研究者らによると、樹木が直面する主な脅威には、都市開発による森林伐採や農業開拓、外来種、病気のほか、海面上昇や激しさを増した暴風雨も含まれます。
 IUCNのグレーテル・アギラル事務局長は28日、このレッドリストは「樹木の喪失が他の数千の種、植物、菌類、動物を直接脅かしていることを明らかにしており、私たちの自然界がいかに深く相互に結び付いているかを示している」と語りました。
 また、同氏は「木は生命のバロメーターだ」とも述べています。樹木は人間が呼吸する酸素を生成し、野生動物に食料と隠れる場所を提供し、先住民族に薬と栄養を与え、大気から炭素を吸収します。
 危機にひんしている樹木はフィジー、キューバ、マダガスカルなどの島々で最も多くみられます。アマゾン熱帯雨林のある南アメリカでは、評価された1万3668種のうち3356種が作物栽培や牧畜のための森林伐採により危機にさらされています。
 レッドリストは、絶滅危惧種と絶滅に関する最も包括的な世界的情報源と考えられています。この指標は、「低懸念」「準絶滅危惧」「危急」「危機」「深刻な危機」「絶滅」などのカテゴリーに種を分類しています。これらの分類は、種の個体数、分布、生息地の喪失のほか、気候危機などの脅威に基づいています。
 絶滅危惧種としてリストに掲載されることは、政府や団体に対し、絶滅を防ぐために緊急の保護活動を行うよう呼び掛ける深刻な警告を意味します。

 2024年10月30日(水)

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