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■子宮頸がんなど防ぐHPVワクチン、キャッチアップ接種の期限を1年延長へ 1回以上接種ずみ条件 [健康ダイジェスト]

 子宮頸がんなどを防ぐワクチンの接種機会を逃した人に対する「キャッチアップ接種」で、ワクチンの供給不足から、今年度の期限内に接種を終えられない人が出てくる可能性があるため、厚生労働省は、条件付きで期限を来年度まで延長する方針を決めました。
 子宮頸がんなどを防ぐためのヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを巡っては、接種後に体の痛みを訴えた人が相次ぎ、厚労省は2022年3月までの9年間、積極的な接種の呼び掛けを中止していました。
 この間に接種の機会を逃した1997年4月2日から2008年4月1日生まれの女性について、厚労省は、無料で受けられる「キャッチアップ接種」を、今年度を期限に実施しています。
 ワクチンは3回接種する必要があり、今年度中にすべて終わらすためには、初回の接種を11月末までに受けなければなりませんでした。
 ところが、ワクチンの需要が急激に高まったことで、メーカーの在庫が少なくなり、10月から出荷の制限が行われ、一部の医療機関に必要なワクチンが届かない状況となっています。
 厚労省は、このままでは希望者が期限内にワクチンを接種できない可能性があるとして、27日開かれた検討会で無料で受けられる接種の期限を来年度まで延長する方針を示しました。
 初回の接種を今年度中に行うことが条件とされ、検討会で了承されました。
 また、これまでキャッチアップ接種の対象外だった、2008年度生まれの女性を新たに対象に加える方針も示され、特に異論は出ませんでした。
 厚労省は今後、予防接種法の施行令の改正手続きを進めることにしています。
 HPVワクチンについて東京都医師会が10月、都内の900近い医療機関に調査したところ、63%が「とても不足している」または「不足している」と回答しました。
 さらに、接種を予約している人の1割以下の数しか、ワクチンを確保できていないという医療機関は16・7%に上り、都の医師会はメーカーにワクチンの安定供給を要望しています。
 一方、厚労省によりますとHPVワクチンの接種率は年齢によって差があり、キャッチアップ接種の対象者では、2001年度生まれの人が初回の接種率が最も低く、今年9月末の速報値で34・5%となっています。
 また、2000年度から2007年度に生まれた人の初回の接種率は高くても46・8%で、厚労省は引き続き、
キャッチアップ接種の検討を呼び掛けていきたいとしています。

 2024年11月27日(水)

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