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■iPS細胞で子宮頸がん治療 順天堂大、免疫細胞投与の治験開始 [健康ダイジェスト]

 順天堂大学の安藤美樹教授や寺尾泰久教授らはiPS細胞からつくった免疫細胞で子宮頸(けい)がんを治療する医師主導の臨床試験(治験)を始めました。今後、参加する患者を募集します。若い世代に多い子宮頸がんの効果的な治療法の確立を目指します。
 子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により発症します。国内では1年間に約1万人の女性が子宮頸がんと診断され、約3000人が死亡します。30〜40歳代の患者が多いほか、近年は20〜30歳代の発症率が増える傾向にあります。
 発症した場合、子宮を切除する手術や抗がん剤の投与、放射線照射などで治療します。こうした治療を受けたもののがんが再発し、標準的な治療では効果が見込めない人を治験の対象にします。まず治療法の安全性を調べ、次の段階の治験で有効性を検証します。
 子宮頸がん細胞はHPVの感染によって生じるため、HPV特有のタンパク質を持つことが多くなります。このタンパク質に反応する免疫細胞の一種「T細胞」を患者に投与し、がん細胞を攻撃させます。
 健康な人の細胞からHPVのタンパク質に反応するT細胞を取り出し、いったんiPS細胞に変えます。その後再びT細胞に変えて患者に投与します。増やしやすいiPS細胞に変えることで、治療に必要な量の細胞を確保しやすくします。また、iPS細胞の段階で遺伝子を編集し、患者に投与しても拒絶反応が起きにくいようにします。
 治療用のT細胞を患者の細胞からつくる方法もあります。ただ細胞を増やすのに時間がかかり、この間に患者の病状が悪化しかねません。健康な人の細胞からつくれば、あらかじめ治療用の細胞をつくって保存し、必要な時にすぐ投与しやすくなります。
 HPVには複数の種類があります。今回の治験は子宮頸がんの半数を占める「16型」に感染した患者を対象にします。まず患者にT細胞を1回投与して安全性を確かめ、さらに別の患者にT細胞を複数回投与し、投与量も増やして安全性を詳しく検証します。

 2025年1月12日(日)

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