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■地球温暖化、健康にも悪影響 国際研究チームが警告 [健康ダイジェスト]

 地球温暖化は環境だけでなく人々の健康にも世界規模で悪影響を及ぼしているとする研究結果を、イギリスなどを中心とした国際研究チームが発表し、各国政府に対し早急に温暖化対策に取り組むべきだと警告しています。
 この研究は、イギリスやアメリカを中心とした気候変動の研究者や医師などの専門家でつくる国際研究チームが、気象や健康などに関する世界各国のデータを解析してまとめたもので、30日イギリスの医学雑誌「ランセット」に発表しました。
 それによりますと、地球温暖化の影響で記録的な熱波に襲われる高齢者は、2000年に比べ2016年は世界全体でおよそ1億2500万人増えたと指摘しています。
 また、主に熱帯地域にいる「ネッタイシマカ」の生息範囲が広がり、この蚊が多く媒介するデング熱に感染した人は2013年には1990年の4倍以上のおよそ5840万人となり、1万人以上が死亡したと分析しています。
 さらに、気温の上昇で小麦や米の収量が下がり、栄養不足になっている人が発展途上国を中心に増え、2016年はおよそ4億2200万人に上ったとしています。
 研究チームは、「温暖化は世界規模で人々の健康に大きな影響を及ぼしている。各国政府は健康のためにも早急に化石燃料を減らすなど温暖化対策に取り組むべきだ」と警告しています。
 一方、国連(UN)は30日、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が最高記録を更新したとの報告書を発表し、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が設定した目標の実現には思い切った行動が必要だと警鐘を鳴らしました。
 国連の世界気象機関(WMO)は年次報告書「温室効果ガス年報」において、「大気中のCO2濃度は2016年、記録的なスピードで上昇した」と指摘。
 また、「2016年におけるCO2濃度の世界平均は、2015年の400ppmを上回る403・3ppmに達した」と明らかにし、その原因は人間の活動と強力なエルニーニョ現象の組み合わせにあるとしています。
 さらに、地球のCO2濃度が過去において同じレベルだったのは、海面が現在より最大で20メートル高かった300万~500万年前にまで逆上るとしています。
 WMOのペッテリ・ターラス事務局長は声明を発表し、「CO2や温室効果ガス排出における急激な削減がない限り、今世紀の終わりまで危険な気温上昇に向かい、パリ協定の設定目標を優に上回ってしまう」と指摘しました。

 2017年10月31日(火)

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■用語 尿管異所開口 [用語(な行)]

[トイレ]尿管が本来とは違う位置で膀胱とつながったり、膀胱以外の部位に開口している尿路奇形
 尿管異所開口とは、通常は膀胱(ぼうこう)につながっている尿管が、膀胱の正常でない部位や尿道、女児で外陰部、膣(ちつ)、子宮、男児で精管、精嚢(せいのう)に開口しているまれな尿路奇形。異所性尿管とも呼ばれます。
 尿は腎臓(じんぞう)から尿管を通って排出されますが、尿管の出口が膀胱三角部という正常な部位ではない場合、尿失禁や尿路感染などの原因となります。男児よりも女児に6倍多くみられ、多くは先天的形態異常としてみられますが、まれに成人になってから発症する場合もあります。
 尿管異所開口の原因は、胎児期の尿管の発達異常や腎臓障害などにあると見なされていますが、尿管の先天性異常ということ以外はよくわかっていません。
 尿管が膀胱内部ではなく、膀胱以外の部位に開口していると、尿路感染、尿失禁、下腹部のはれなどの症状で、医療機関の診察を受けることになり、幼少期に発覚することが多い疾患です。多くの場合、尿管異所開口と診断されると、2つある腎臓の両方の尿管の位置が異常な重複腎盂(じんう)尿管であることも知られています。
 初期では痛みなどの自覚症状がない場合もあり、尿路感染や尿失禁などを起こさなければ、異常に気が付かずに成長することもあります。
 多くの場合は、尿失禁が昼夜かまわず発生し、治ることなく持続します。腎臓から尿管を通じて膀胱へ尿がたまり、膀胱壁が尿の存在を感じ取ることで尿意が生じますので、尿管が膀胱につながっていないことで尿意をコントロールできなくなり、尿失禁の原因となってしまうのです。
 腎盂腎炎などの尿路感染症による発熱などで判明する場合が多いのが特徴で、症状が悪化すると、尿が腎臓に逆流する水腎症と呼ばれる疾患になり、発熱、腹痛、頻尿、嘔吐(おうと)、尿切迫などの症状が起こる可能性があります。
[トイレ]尿管異所開口の検査と診断と治療
 小児外科、泌尿器科の医師による診断では、腹部超音波(エコー)検査、静脈に造影剤を注入してX線撮影する静脈性腎盂造影検査、膀胱内視鏡とカテーテルを用いて造影検査をする逆行性腎盂造影検査などを行います。
 小児外科、泌尿器科の医師による治療では、尿管をできるだけ正常に近い形で膀胱につなぎ直し、腎臓の機能低下を防ぐための外科手術を行います。これにより、持続性尿失禁は消失します。
 腎臓の機能が大きく落ちている時は、腎臓と尿管を摘出する腹腔鏡下手術を行うこともあります。
 尿路感染症に対しては、ペニシリン系抗菌薬、セフェム系抗菌薬などを投与したり、予防的に内服したりします。




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■健康診断の際に無料でHIV検査 厚労省がモデル事業を開始へ [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は2018年度から、健康診断を受ける際に無料でエイズウイルス(HIV)検査を受けられるモデル事業を始めます。
 症状が出て初めて感染がわかるケースが30~50歳代の現役世代に多いため、検査を受けやすくし、早期発見や発症防止を通じて感染拡大の防止に取り組みます。本人以外に結果が伝わらないようプライバシーにも配慮します。
 HIVに感染すると数年から10年ほどエイズを発症し、同時に体の免疫機能が弱くなります。しかし、発症前に感染がわかれば治療で発症を抑えることができ、感染の拡大を防ぐことが可能です。
 2018年度から東京都や大阪府などの都市部で、病院などに併設される「健診センター」にHIV検査を委託。健康診断のメニューに関係なく、誰でも無料でHIV感染の有無を調べる血液検査を受けられるようにします。健診センターは健康診断や人間ドックなどが受けられ、30~50歳代の現役世代が多く利用しています。
 厚労省は2018年度予算の概算要求に約2840万円計上しており、検査費用は自治体を通じて検診センターに支払います。試験的に数カ所で始め、HIV検査の実施状況をみながら他都市にも広げます。
 現状でも、保健所でHIV検査を無料で受けることができます。しかし、土日の検査日が少なく、平日に働く人にとって利用しにくいことが課題でした。健康診断と一緒に受けることで心理的な抵抗感も薄くなり、検査を受ける人が増えるとみています。
 プライバシーに配慮し、健康診断の結果とは別の形で、本人にHIVの検査結果を通知する仕組みを検討しています。
 厚労省のエイズ動向委員会によると、2016年に新たに報告されたHIVの感染者数は1011人、エイズの新規患者は437人でした。
 新規のHIV感染者、エイズ患者ともに、感染経路は性的接触によるものがほとんど。HIV感染者のうち、全体の約73%に当たる735人が同性間の性的接触によります。感染者の年齢別では、特に20歳代や30歳代の若年層が目立ちます。エイズの場合、患者は30歳代以上が多く、50歳代以上が全体の約29%を占めました。

 2017年10月30日(月)

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■無痛分娩で母子に重い障害、医師不起訴 京都地検「証拠足りず」 [健康ダイジェスト]

 出産時に麻酔で痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)の際に母子が意思疎通のできない重度の障害を負ったとして、京都府京田辺市の産婦人科の男性院長が業務上過失傷害容疑で京都地検に書類送検された事件で、地検は30日、院長を嫌疑不十分で不起訴処分としたと発表しました。
 処分は27日付。京都地検は理由について、「過失を認定するに足りる十分な証拠の収集には至らなかった」と説明しています。
 京都市左京区に住み、無痛分娩を希望したロシア国籍で元大学准教授のエブセエバ・エレナさん(40歳)は2012年11月、「ふるき産婦人科」の男性院長により、脊髄を保護する硬膜の外側(硬膜外腔)に腰から局所麻酔薬を注射する「硬膜外麻酔」の処置を受けました。
 この際、男性院長は注意義務を怠り麻酔の針を本来より深い位置にまで刺して麻酔薬を過剰に投与し、エレナさんと、出産した長女みゆきさん(4歳)に寝たきりになる重度の障害を負わせたといいます。
 エレナさんの夫(55歳)ら家族が今年8月下旬、男性院長を京都府警に告訴。府警が10月13日、適切な処置を怠ったとして業務上過失傷害容疑で男性院長を京都地検に書類送検していました。公訴時効の成立が11月上旬に迫っていました。
 エレナさんの夫ら家族は昨年12月、ふるき産婦人科に約9億4000万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こしています。

 2017年10月30日(月)

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