SSブログ

■京大病院、濃度700倍の薬を調剤 60歳代の女性患者が死亡 [健康ダイジェスト]

 京都大学医学部付属病院(京都市左京区)は3日、薬剤師が通常の約700倍の高濃度の注射薬を調剤し、自宅で投与した60歳代の女性患者が死亡したと発表しました。
 誤って調剤した可能性が高いとしており、稲垣暢也(のぶや)病院長は「このような事態を招き、患者と遺族、関係者に心よりおわび申し上げる」と謝罪しました。
 京大病院によると、薬剤師2人が8月28日、患者が自宅で使用するための注射薬「セレン注製剤」を、医師の処方箋より高濃度で調剤。女性患者は点滴による注射薬投与を自ら行った後の9月26日夜、背中に痛みを訴え、翌朝に同病院を受診して処置を受けましたが、間もなく死亡しました。
 保管していた注射薬の残りや亡くなった女性患者の血液を京大病院が調べると、738倍の濃度の薬が投与されていたことが判明しました。また、別の10歳代の男性患者に8月28日に用意されたセレン注製剤でも、点滴の色が違う異常に気付いて京大病院に連絡があったと報告されており、同じミスがあったのではないかとみています。
 京大病院は外部委員を含む調査委員会を立ち上げ、京都府警や厚生労働省などに届け出て、死因や原因を調べています。
 セレン注製剤の既製品はなく、病院が作った薬を処方しています。日本臨床栄養学会によると、ミネラルの一種であるセレンは体内に微量に存在し、欠乏すると心筋症などさまざまな症状を引き起こします。一方、過剰だと神経性の障害などが起きる恐れがあります。

 2017年10月3日(火)

nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■前橋市の40歳代男性、O157で死亡 感染経路は不明 [健康ダイジェスト]

 前橋市は3日、市内に住む40歳代の男性が腸管出血性大腸菌O157に感染し、1日に死亡したと発表しました。家族ら周辺への感染や入院先での院内感染は、確認されていません。
 前橋市の保健所によると、男性は8月30日に下痢、血便などを発症し、医療機関で診察を受けました。改善せず9月2日に入院し、4日にO157への感染が確認され、5日に溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症、悪化して10月1日に死亡したといいます。
 群馬、埼玉両県では系列総菜店「でりしゃす」(閉店)のポテトサラダなどによるO157感染の集団食中毒が発生し、3歳の女児が死亡しましたが、男性は店の総菜を食べておらず、検出された菌の遺伝子型も異なるということで関連はないとみられます。
 前橋市の保健所は、発症の2週間ほど前まで逆上って男性が食べた物を調べるなどしましたが、これまでのところ、感染経路はわかっていないということです。保健所は引き続き感染経路を調べるとともに、手洗いなど予防策の徹底を呼び掛けています。

 2017年10月3日(火)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■65歳以上の男性の半数、女性の25%が飲みすぎ 厚労省研究班が適正量を呼び掛け [健康ダイジェスト]

 酒を飲む65歳以上の男性の半数、女性の4分の1は、健康を保つための「節度ある適度な飲酒(適正量)」の目安とされる「1日当たり日本酒1合」以上のアルコールを摂取していることが、厚生労働省研究班(代表・田宮菜奈子筑波大教授)の分析で1日、明らかになりました。
 このうち適正量の3倍を日常的に飲む「多量飲酒」は、65歳以上の男性の約5%に達しており、適正量が十分に知られていないことが浮き彫りになった。
 退職や配偶者の死などが飲酒の切っ掛けになる例もあるとされ、太刀川弘和筑波大准教授(精神医学)は「高齢者の飲酒をいけないとはいえないが、くれぐれも飲みすぎに注意してほしい」と呼び掛けています。
 健康づくりの目標を定めた厚労省の「健康日本21」は、成人の適度な飲酒量として、1日のアルコール量を20グラム程度(日本酒1合、ビール500ミリリットル缶1本程度)と設定し、一般に少量の飲酒で顔が赤くなる人や高齢者、女性は飲酒量を減らすべきだとしています。高齢者に明確な基準はありませんが、飲みすぎると健康や人間関係への悪影響が出やすいとされます。
 実態を明らかにするため、研究班の翠川晴彦医師(有朋会栗田病院)らは、厚労省による2014年度の国民生活基礎調査のデータを解析し、全国の約15万人の高齢者の飲酒量などを調べました。
 月1日以上飲酒する高齢者は約4万8000人で、男性の56・4%、女性の24・9%が適正量以上を飲んでいました。
 このうち「節酒」を意識していると答えた人をみると、1日の飲酒量は1~3合が42%、3合以上が2%と、適正量が十分に理解されていませんでした。
 また、「認知症」の人では、7分の1は飲酒の習慣があり、1日の飲酒量1~3合が29%、3合以上が5%でした。「高血圧」「脳卒中」「狭心症」「心筋梗塞(こうそく)」の人では、3分の1が酒を飲み、1~3合が46%、3合以上が4%を占めるなど、病気があっても飲酒し続ける傾向がありました。
 厚労省の国民生活基礎調査によると、男性の飲酒率は40~60歳代で60%を超え、70歳代は55・5%、80歳代以上は39・9%と低くなっています。近年、定年退職後に飲酒習慣が悪化する「定年後アルコール依存症」など高齢者の飲酒問題が注目されています。

 2017年10月3日(火)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■用語 夜間低血糖 [用語(や行)]

[夜]睡眠中に現れる低血糖
 夜間低血糖とは、血液に含まれる糖(ブドウ糖)が少なくなりすぎる低血糖が睡眠中に現れる状態。
 血液に含まれる糖は、生きるために欠かせないエネルギー源。糖尿病でない人の血液に含まれる糖の量、すなわち血糖値は約70mg/dLから140mg/dLの間に維持されています。しかし、糖尿病ではこの糖の量を一定に維持することができません。食事から取り入れた糖を体や脳のエネルギーとして消費するという需要と供給のバランスが崩れ、血液中の糖が増えすぎると高血糖、逆に薬が効きすぎるなどして血液中の糖が少なくなりすぎると低血糖になります。
 一般に、血糖値が70mg/dL以下になると、人の体は血糖値を上げようとします。また、血糖値が50mg/dL未満になると、脳などの中枢神経が糖不足、すなわちエネルギー不足の状態になります。その時に現れる特有の症状を低血糖症状といいます。
 人によっては、血糖値が70mg/dL以下にならない場合でも、糖尿病の治療などで血糖値を下げるインスリンの過剰な状態になった時に血糖値が急激に大きく下がることで、低血糖症状が現れることがあります。逆に、血糖値が70mg/dL以下になった場合でも、低血糖症状が現れない人もいます。
 睡眠中に血糖値が低下する夜間低血糖が起こると、血糖値を回復させるため、アドレナリンやコルチゾールなどの興奮にかかわるホルモンが分泌され、交感神経が優位になります。そのため、寝汗や歯ぎしり、悪夢にうなされる、熟睡感がない、寝ても疲れが取れない、朝起きた時に頭痛や肩凝りがある、といった症状が現れます。つまり、夜間低血糖と同時に、眠りの質を低下させる睡眠障害も起きてしまうということです。
 夜間低血糖は夜中の2時から3時ころに起きやすく、いったん、アドレナリンやコルチゾールなどのホルモンが分泌されると、肝臓からブドウ糖が放出されるため、明け方以降に血糖値の上昇が起こり、半日程度は血糖値が下がりにくくなります。そのため、糖尿病の薬が十分効かなくなり、一日の血糖コントロールに悪影響を及ぼすことも少なくありません。
 夜間低血糖が起きると、多くの場合は不快な症状により目が覚め、自発的に夜間低血糖に気が付きます。ただし、眠りが深い場合や、急激に血糖値が下がって意識を消失した場合には、本人が気付かないこともあります。
 現れる症状には個人差がありますが、血糖値が低下すれば低下するほど症状は重くなり、血糖値が50mg/dL程度になると、中枢神経症状が現れ、意識障害を示すことがあります。そして、血糖値が30mg/dLよりも低くなると、重症低血糖に陥って意識レベルが低下し、意識消失、けいれん、昏睡(こんすい)など危険な状態になってしまうことがあります。これは大変深刻な状態で、死に至ることもあります。
 夜間低血糖になる原因は、いくつか考えられます。食事の量や炭水化物の不足、糖尿病の薬を服用した後の食事時間の遅れ、寝る前の運動の量や時間の多すぎ、空腹での運動、インスリン注射や経口血糖降下剤の量の多すぎ、飲酒、入浴など。
 夜間低血糖になった時は、できるだけ早い段階で速やかに対応をしなければなりません。目が覚めて意識があり、経口摂取が可能な時は、砂糖15グラムから20グラムを飲みます。糖分を含む缶ジュース、缶コーヒーでも構いません。10分から15分で回復しない時は、再度同量を摂取します。
 α-グルコシダーゼ阻害剤であるアカルボース(商品名:グルコバイ等)、ボグリボース(商品名:ベイスン等)、ミグリトール(商品名:セイブル)など、消化管の二糖類をブドウ糖に分解する消化酵素の働きを抑えることで血糖の急激な上昇を抑える経口血糖降下剤を飲んでいて夜間低血糖を起こした時には、砂糖を飲んでもすぐに吸収されないため、回復に時間がかかることがあります。
 そのため、夜間低血糖時にはブドウ糖、またはブドウ糖を多く含む清涼飲料水を飲むようにします。
 深刻な低血糖で意識障害を来した時には、自身でブドウ糖を飲み込むのが難しいことがあり、家族や周囲の協力が必要になります。その場合は、無理にブドウ糖を飲ませると、誤嚥(ごえん)や窒息の原因になります。周囲の人は、ブドウ糖や砂糖を水で溶かして、口唇と歯肉の間に塗り付けます。
 医療機関の指導を受けた上で、周囲の人が血糖値を上げるためのグルカゴンという注射を行うこともあります。肝臓のグリコーゲンを分解し、ブドウ糖を放出する作用があるグルカゴン注射で回復した後は、軽く経口摂取しておくことが必要です。なお、アルコールの飲みすぎで低血糖になった時は、肝臓内のグリコーゲンが枯渇しており、グルカゴン注射は効きません。
 救急処置でも回復しない時は、すぐに救急車を呼び、医療機関へ搬送しましょう。
 意識がはっきりしない状態にまでなった低血糖は、一時的に血糖値が改善してもその後にまた血糖値が下がり、同じ症状が現れる可能性が高くなります。低血糖が続く場合も、必ず内科、内分泌代謝内科などを受診し、診察を受けましょう。
 糖尿病でない健康な人でも、夜間低血糖が起こることがあります。食事量が十分に取れていなかった時、食事時間が遅れて空腹が続いた時、空腹のまま激しい運動や長時間の運動を行った時、食事を取らない状態でアルコールを過剰に摂取した時などに血糖値のバランスが崩れると、夜間低血糖を起こしやすくなります。
 また、夜間低血糖は、1日を通して血糖値が乱高下している人に多く見受けられます。特に夕食後に血糖値が急激に上がると、それに対応すべくインスリンが過剰に分泌される結果、血糖値が下がりすぎて夜間低血糖を引き起こすことがあります。
 ただし、健康な人の場合、夜間低血糖になっても、自然に回復してしまい気が付かないことがあります。
[夜]夜間低血糖の対策と予防
 夜間低血糖に関しては、予防に優る治療はありません。食事を規則正しく摂取する、食前の過激な運動は避ける、運動前に補食するなどの注意が必要です。
 また、自身が糖尿病治療のために使用している薬が、低血糖を起こしやすいか否かを把握することも、必要です。一般に低血糖を起こしやすい糖尿病の治療薬は、経口血糖降下剤のスルホニル尿素薬(SU薬)とインスリンです。経口血糖降下剤のビグアナイド薬(BG薬)、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトールなど)、速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)といった薬でも起こることがあります。インスリン注射は、正しい手技を身に着けておくことが重要です。
 軽い低血糖症状が現れた時は、できるだけ早い段階で速やかに対処して、重症低血糖を防ぎます。血糖自己測定器で夜間にも血糖を測り、血糖が下がっていれば症状がなくても早めに対処することが必要です。

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:健康