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■機能性表示食品の届け出件数、トクホ品目数を上回る 20日時点で1090品に [健康ダイジェスト]

 食品の健康効果を消費者にアピールできる機能性表示食品制度の利用が活発で、2015年4月の制度開始後、届け出が受理された商品は1000を超え、特定保健用食品(トクホ)の許可・承認品目数を上回りました。
 トクホに比べ手続きが簡易なため、今後も増加基調が続く見通しで、消費者は本当に価値がある商品かを見極める必要があります。
 機能性表示食品制度は、事業者が特定の食品の健康維持・増進効果を自身の責任で表示する制度。成分の効果を研究した学術論文など一定の科学的根拠を消費者庁に届け出れば、食品のパッケージに健康効果を表示できます。類似するトクホのように国の審査・許可を得る必要がありません。成長戦略の一環として、規制緩和を通じた食品産業の活性化を目的に導入されました。
 消費者庁が届け出を受理・公開した商品は20日時点で、1090品(撤回された約50品を除く)。約300社から届け出があり、毎月数十件のペースで受理されています。1991年に始まったトクホの許可・承認品目数は10日時点で、1086品となっています。
 トクホは整腸や体脂肪低減など内臓機能の改善をうたうものが9割を占める一方、機能性表示食品は効果が幅広くなっています。中でも市場を広げたのが、「アイケア食品」です。代表格がファンケルが2015年に発売したサプリメント「えんきん」で、ホウレンソウに含まれるルテインなどを配合し、目のピント調節機能を助けるとし、2018年3月期にシリーズで65億円の売り上げを見込んでいます。
 歩行機能に効く商品も人気で、ライオンや味の素などが、膝関節の痛み軽減や脚の筋肉維持効果をうたう商品を販売しています。
 メーカーが販売済みの定番商品を機能性表示食品としてリニューアルする例も、多くみられます。数億円の研究・開発費と1~2年の審査期間を要するトクホは大手食品メーカーの商品が大半ですが、機能性表示食品は地方の中小企業の利用も多くなっています。東京都、大阪府、愛知県以外に本社を置く企業の届け出が3分の1を占め、静岡県の農協のミカンなど、トクホにはない生鮮食品の事例もあります。
 臨床試験が必ずしも必要でない機能性表示食品は表示する健康効果の信頼性が低い商品も混在し、科学的根拠が乏しいとの第三者の指摘で、届け出が撤回された事例もあります。消費者保護の観点から制度の不備を指摘する声もあります。
 メーカーには、商品を監視する仕組みに加え、効果をホームページなどで丁寧に説明する努力が求められます。

 2017年10月23日(月)

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■用語 反射性尿失禁 [用語(は行)]

[トイレ]尿意がないのに、膀胱が反射的に収縮して尿が漏れる状態
 反射性尿失禁とは、尿意を感じることができないまま、膀胱(ぼうこう)に尿が一定量たまると反射的に排尿が起こる状態。
 尿意を感じることができないため排尿の抑制ができず、腎臓(じんぞう)から尿が膀胱に送られた時に刺激が加わると、膀胱壁の筋肉である排尿筋が反射的に収縮して、自分の意思とは無関係に、不意に失禁が起こります。
 脳、脊髄(せきずい)など中枢神経系の障害や、交通事故などによる脊髄の損傷などによる後遺症の一つとして、脳の排尿中枢による抑制路が遮断されてしまうことによって起こります。膀胱には物理的に十分な量の尿がたまっているにもかかわらず、尿意が大脳まで伝わらないので尿意を催すことがなく、排尿を自分でコントロールすることができません。
 膀胱からの感覚は、脊髄反射により直接的に膀胱括約筋を刺激して、反射的に膀胱収縮を起こして排尿を起こします。漏れ出る尿量は多いことが、特徴です。
 逆に、排尿筋が反射的に収縮して膀胱が収縮する時に、外尿道括約筋が弛緩(しかん)せず尿道が閉鎖したままになると、膀胱内の圧力が異常に高くなり、腎臓に尿が逆流する膀胱尿管逆流症を起こします。尿の逆流を放置して進行すると、腎機能障害が起こりやすくなります。
[トイレ]反射性尿失禁の検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による診断では、症状および各種検査を総合し、反射性尿失禁の原因を確定します。
 一般的には問診、尿の成分や感染症の有無を調べる尿検査、膀胱内の残尿量を調べる腹部超音波検査、尿が出始めてから終わるまでの量の変化を調べる尿流量検査、膀胱の収縮パターンを見る膀胱内圧測定のほか、尿道括約筋のパターンを表す尿道括約筋・筋電図測定、尿流量測定と膀胱内圧測定を同時に行うプレッシャーフロー・スタディ、あるいは尿失禁負荷テスト(ストレステスト)、尿失禁定量テスト(パッドテスト)などを行って、反射性尿失禁の原因を探ります。
 泌尿器科の医師による治療では、排尿訓練、自己導尿法、骨盤底筋体操、薬物療法、外科的治療、電気刺激療法などを行います。
 排尿訓練は、何度も早めに排尿する訓練を行います。自己導尿法は、清潔なカテーテルを自分で膀胱内に挿入し、尿を排出させるものです。
 骨盤底筋体操は、膀胱周囲の尿道、膣(ちつ)、肛門(こうもん)を締める体操で骨盤底筋を鍛えることで、症状が軽い反射性尿失禁を防ぐものです。
 薬物療法は、膀胱の収縮を阻止し、副交感神経に働く抗コリン剤(ポラキス、BUP−4)、または膀胱壁の筋肉である排尿筋を弛緩(しかん)させるカルシウム拮抗(きっこう)剤(アダラート、ヘルベッサー、ペルジピン)を用います。膀胱尿管逆流症を起こしている場合は、抗コリン剤により膀胱内圧を下げ、カテーテルで残尿を排出する自己導尿法を行います。
 外科的治療は、原因となる脊髄損傷がある時に機能を回復させる手術を行うことで、失禁を起こさないようにします。神経の疾患はなかなか治療の難しいことが多く、尿道括約筋の機能が低下している場合には、尿道の周囲にコラーゲンを注入する治療や、尿道括約筋を圧迫するように腹部の組織や人工線維で尿道を支えるスリング手術、日本ではあまり行われていない人工括約筋埋め込み術を行うこともあります。
 電気刺激療法は、膀胱の周囲に電極を取り付けて、20~30分ほど電気パルスを送るものです。電気刺激によって必要な筋肉を収縮させ、骨盤底筋を鍛える効果があります。

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