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■建設現場でのアスベスト被害、建材メーカー2社に責任 国と合わせ3億6800万円賠償命令 [健康ダイジェスト]

 神奈川県の元建設作業員などが建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み健康被害を受けたとして、国と建材メーカーに賠償を求めた裁判で、横浜地方裁判所は国と一部の建材メーカーの責任を認め、原告の一部に対して合わせて約3億6800円を支払うよう命じました。
 建設現場での被害を巡ってメーカーの責任を認めたのは、全国で2例目です。
 神奈川県などの建設現場で働いていた元建設作業員やその遺族合わせて61人は、建設現場でアスベストを吸い込んで肺がんや中皮腫などの健康被害を受けたのは対策の遅れが原因だったとして、国と建材メーカー43社に対し、総額約16億7000万円の賠償を求めました。
 24日の判決で、横浜地方裁判所の大竹優子裁判長は「国は遅くとも1974年ごろには建設現場で大量のアスベスト粉じんが発生し、被害が出ることを予測できた」と指摘しました。その上で「遅くとも1976年までには事業者に対し、作業員が粉じんを吸い込まないようにするための保護具の使用などを義務付けるべきだったのに行わなかった」として、国の責任を認めました。
 また、建材メーカーについては「国と同じ時期には被害を予測できた」とし、このうちニチアス(東京都中央区)とノザワ(神戸市中央区)の2社については、原告のうち10人について「働いていた建設現場でアスベストを含む2社の建材が使われていたと認められる」として責任を認め、国と2社に総額約3億6800万円を原告39人に対して支払うよう命じました。
 建設現場でのアスベスト被害を巡っては全国で裁判が起こされており、国に賠償を命じたのは6例目で、メーカーの責任を認めたのは京都地方裁判所に続き2例目です。
  24日の判決について弁護団は会見を開き、「国の責任が6度にわたって認められたことで、司法の判断が確立されたといえるのではないか。またメーカーの責任についても今回、認めたことは非常に意義が大きい」と話しました。
 原告の1人でタイル工として働いていた中山博道さんは、「国とメーカーの責任を認めてくれた、うれしい判決です。原告の中には病気で亡くなる人もいるので少しでも早く解決してほしいし、国には被害を補償する基金を創設してもらいたいです」と話していました。
  判決について厚生労働省は、「国の主張が認められなかった点もあり、厳しい判決だ。判決内容を十分に検討し関係省庁と協議して対応したい」とコメントしています。また、賠償を命じられたニチアスは「主張が一部認められなかったことは遺憾です」と、ノザワは「判決で企業の責任を認めたのは残念です」と、それぞれコメントしています。
 アスベストを巡る裁判では、工場の元労働者については国の責任を認める判決が確定している一方、建設現場の元作業員については裁判所の判断が分かれ、各地で争われています。

 2017年10月24日(火)

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■甲状腺がん診断、2人増えて154人に 福島県の18歳以下甲状腺検査 [健康ダイジェスト]

 福島医大は23日の福島県民健康調査検討委員会で、甲状腺検査の6月末時点の結果を公表しました。2016年度から始まった3巡目の検査では、3月末の前回報告から新たに1人ががんと確定、2人ががんの疑いと診断されました。3巡目でのがんの確定は3人、がんの疑いは4人になりました。
 福島県は東京電力福島第1原発事故時に18歳以下だった県内すべての子供を対象に、甲状腺検査を実施。2011年度から1巡目、2014年度から2巡目、2016年度から3巡目が始まっています。
 2巡目の検査では、前回報告からがんの確定が1人増えて50人になり、がんの疑いは1人減って21人になったと報告されました。1~3巡目を合わせると、がんの確定は2人増えて計154人、がんの疑いは計39人になりました。
 検討委員会は1巡目の結果を踏まえ、検査で見付かった甲状腺がんは「放射線の影響とは考えにくい」との中間報告をまとめています。
 また、福島医大は23日の福島県民健康調査検討委員会で、東京電力福島第1原発事故後4カ月間の外部被ばく線量を推計する基本調査の6月末時点の結果を公表しました。
 放射線業務従事経験者を除く46万4420人のうち62・2%が1ミリシーベルト未満となり、前回の調査結果とほとんど変化はありませんでした。
 福島医大は、「放射線による健康影響があるとは考えにくい」と評価しています。

 2017年10月24日(火)

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■第3期がん対策推進基本計画を閣議決定 がん検診率50%の目標を盛り込む [健康ダイジェスト]

 政府は24日、がん対策の国の指針となる「第3期がん対策推進基本計画」を閣議決定しました。がんの予防や検診の充実、最先端医療の提供体制の構築などを掲げました。
 飲食店などに受動喫煙対策を義務付ける健康増進法改正案の国会提出のめどがついていないことから、受動喫煙に関する数値目標は先送りし、法案提出後に反映させます。
 基本計画は、2007年施行のがん対策基本法に基づき政府が策定します。今回は、2017年から2022年度の6年間が対象となります。
 新計画では、がんを早期発見し治療につなげるため、現在は30~40%のがん検診の受診率を50%に引き上げる目標を設定。さらに、検診でがんの疑いがあった場合に受ける精密検査の受診率を90%に高める目標を掲げ、がんによる死亡者を減らします。市町村には、がん検診の受診手続きの簡素化や効果的な受診勧奨への取り組みを促します。
 国は最先端の医療を提供すべく、ゲノム(全遺伝情報)を調べて最適な治療法を選ぶ「がんゲノム医療」の拠点病院を整備します。患者や家族の理解を深める普及啓発にも取り組みます。
 世代ごとに異なる課題の解決も急ぎます。新計画では、高齢のがん患者に標準的な治療を提供すべきかどうか、現状の診療ガイドラインにおいて、明確な判断基準は示されていないと指摘。国が関係学会などに協力を依頼し、高齢者向けの診療ガイドラインを作成することを明記しました。
 一方、小児がんについては新薬の開発などを推進。10歳代後半~30歳代のがん患者に関しては、進学や就労などの相談体制を整備していきます。  

 2017年10月24日(火)

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■バセドー病の再発、血液検査で予測 東京医科歯科大など [健康ダイジェスト]

 甲状腺のホルモンが過剰に分泌されて起きるバセドー病で、治療後に再発しやすいかどうかを血液検査で予測する手法を開発したと東京医科歯科大学などの研究チームが18日、アメリカの専門誌「サイロイド」(オンライン版)に発表しました。
 バセドー病は再発率が高いことが問題とされており、投薬や手術など再発を防ぐための治療法を選ぶのに役立つ成果といいます。
 バセドー病は喉の甲状腺がはれるほか、動悸(どうき)や発汗などが主な症状。女性に多く、再発したり治療中に薬の効きが悪くなったりする患者が20~75%を占めます。
 研究チームは、再発を繰り返す患者の血液を調べ、白血球で特定の遺伝子の働きが増しているのを発見。群馬大学病院などの患者約360人で、再発する人は同じ遺伝子が多く働いているのを確かめました。

 2017年10月24日(火)

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■用語 奇異性尿失禁 [用語(か行)]

[トイレ]排尿障害があって十分に排尿できないために起こる残尿の一時的な漏れ
 奇異性尿失禁とは、排尿障害があって十分に排尿できず、常に膀胱が伸展しているために、一時的な少量の漏れを示す尿失禁。溢流(いつりゅう)性尿失禁とも呼ばれます。
 尿失禁というと、尿を流す部分が緩んで垂れ流しになることと思われがちですが、一時的な漏れではなく、一日中、常に漏れ続ける失禁は真性尿失禁、または全尿失禁と呼び、代表例として挙げられるのは尿管開口異常などの先天性尿路奇形によって常に尿が漏れているもの、または手術などの際、尿道括約筋を完全に損傷したものです。
 一方、一時的な漏れを示す奇異性尿失禁は、排尿障害があって尿が出にくい状態になっているのに、尿が無意識に漏れるものです。尿が出にくくても、新しい尿は腎臓(じんぞう)から次々に膀胱(ぼうこう)に送られてくるのでたまっていき、膀胱がいっぱいになると尿がチョロチョロと少量ずつあふれて出てきます。
 膀胱に尿を保持できるものの、排尿しようとしても十分に排尿できずに、尿が少量ずつ漏れ出る状態であり、尿を保持できない尿失禁とは異なるために奇異性尿失禁といわれます。
 この症状は、前立腺(ぜんりつせん)肥大症による下部尿路閉塞(へいそく)が原因となることが多いので、中高年男性に多くみられます。
 前立腺肥大症による排尿トラブルは、膀胱への刺激による頻尿から始まります。前立腺は膀胱から出てすぐの尿道を取り巻いているので、前立腺肥大によって膀胱の出口や尿道への刺激が強くなり、夜中に何度も排尿のために起きるというような頻尿が始まります。同時に、会陰(えいん)部の不快感や圧迫感、尿が出にくいといった症状も現れます。
 次に、排尿に際して尿が出切らずに、膀胱にたまる残尿が発生するようになります。この段階では排尿障害が次第に強くなり、息んで腹圧をかけないと出ないようになってきます。さらに、肥大した前立腺によって尿道が狭くなっていくと、慢性尿閉となります。残尿が多くなって膀胱は尿が充満した状態になり、尿意を感じなくなって気付かないうちに尿が少量ずつあふれて漏れる奇異性尿失禁の状態になります。
 ほかには、女性が子宮がんを手術した後、糖尿病や脳血管障害で膀胱が収縮しなくなった場合に、奇異性尿失禁がみられます。
 女性の場合は尿が出やすい体の構造なので、男性に比べて奇異性尿失禁の状態になるケースはまれですが、子宮がんや直腸がんの手術の後で一時的に膀胱が収縮しなくなった場合、大きな子宮筋腫(きんしゅ)で膀胱の出口が圧迫され尿閉になった場合、子宮脱や子宮下垂などで尿道が開きづらくなった場合に、奇異性尿失禁がみられます。
 また、糖尿病や脊髄(せきずい)損傷、脳血管障害などによって、膀胱を中心とする末梢(まっしょう)神経系が器質的に傷害されると、膀胱が収縮しなくなる神経因性膀胱となり、たまった尿があふれて漏れる奇異性尿失禁がみられます。糖尿病では知覚がまひするために、尿意を感じないまま膀胱が膨らんで、1000ミリリットルもたまることがあります。
 奇異性尿失禁がみられると、下着がぬれる、臭いが気になるなど、しばしば不快感を覚えることになります。最近は尿パッドも普及してきましたが、外出や人との交流を控えることにもつながりかねません。次第に日常生活の質が低下することも懸念されます。
 奇異性尿失禁を放置していると、膀胱にたまっている尿に細菌が繁殖して尿路感染症や腎機能障害などを起こしたり、腎不全になることもあります。症状がみられたら、泌尿器科、ないし婦人科など専門医を受診してください。
[トイレ]奇異性尿失禁の検査と診断と治療
 泌尿器科、ないし婦人科の医師による診断では、症状および各種検査を総合し、奇異性尿失禁の原因を確定します。一般的には問診、尿検査、超音波検査、血液検査、尿流動態(ウロダイナミクス)検査(膀胱内圧、腹圧、排尿筋圧、外尿道括約筋活動、尿流量測定)、尿路造影検査、内視鏡検査などを行って、奇異性尿失禁の原因を探ります。
 泌尿器科、ないし婦人科の医師による治療は、奇異性尿失禁の原因になる疾患の種類によって異なり、基礎疾患があればその治療が第一です。前立腺肥大症や子宮脱、子宮下垂と診断すれば、その治療を行います。また、必要に応じて膀胱を収縮させる薬を用いることもあります。
 前立腺肥大症が奇異性尿失禁の原因の場合は、症状が軽い場合は薬物療法から始め、症状がひどい場合や合併症を引き起こしている場合は手術療法を行います。
 神経因性膀胱が奇異性尿失禁の原因の場合は、治療が可能ならばまず基礎疾患に対して行いますが、神経の疾患はなかなか治療の難しいことが多く、薬物療法、排尿誘発、自己導尿法などで排尿効率を高めることになります。
 自己導尿法は、尿が出にくく残尿が多い場合に、1日に1〜2回、清潔なカテーテルを自分で膀胱内に挿入し、尿を排出させるものです。 これで、とりあえず症状は改善し、外出も容易になります。




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■iPS細胞から心臓の組織モデルを作製し、不整脈を再現 新薬開発に期待、京大 [健康ダイジェスト]

 京都大学iPS細胞研究所の山下潤教授(幹細胞生物学)らの研究チームが23日、健康な人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した心臓組織モデルに薬剤を加え、突然死の原因となる不整脈の一種の症状を体外で再現することに初めて成功したと発表しました。
 研究成果は、イギリスの科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」(電子版)に掲載されました。
 再現したのは、国内で年間数万人に上る心臓突然死の原因となる不整脈の一種「トルサード・ド・ポアント(TdP)」。数秒で失神し、10分以内に死に至ることもあるといいます。
 これまで、iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)を用いた不整脈の再現は研究されてきましたが、心筋細胞だけが使われてきたため、複雑な心臓の動きを出現させることは難しかったといいます。
 研究チームは、人のiPS細胞から心筋細胞と、細胞間を埋める線維芽細胞を作製。この2種類の細胞を1対1の割合で混ぜて培養し、シート状の心臓組織モデルを作製しました。シートは直径約8ミリで、細胞5~6層からなるため、約60マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の厚みがある3次元構造になっています。
 このシートに不整脈を引き起こす薬剤を加えて電流を流したところ、TdPと同様の波形が確認されました。
 製薬会社は新薬候補を絞り込む際、心臓にTdPなどの不整脈を起こす可能性の有無を詳しく調べます。従来は培養したネズミの心筋細胞に薬剤を加える手法が一般的で、人への影響が正確にわからない例もありました。iPS細胞を用いる手法も使われ始めていますが、再現できるのは不整脈の前段階の異常で、突然死の原因となる不整脈は難しかったといいます。
 今回の心臓組織モデルを使う手法を活用すれば、薬剤の心臓への影響をより正確に評価できるとみられます。
 山下教授は、「TdPの詳細なメカニズムを解明することで、新薬開発や治療につながる可能性がある」と話しています。

 2017年10月24日(火)

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■AI活用で患者の不穏行動を防止し入院期間を短縮 NECなど発表 [健康ダイジェスト]

 大手電機メーカーのNECなどは23日、病院で人工知能(AI)の技術を活用することで、患者の入院期間の短縮に役立つ可能性があると発表しました。
 これは、NECと東京都八王子市にある北原国際病院を運営する医療法人社団KNIが発表しました。
 病気やけがなどで入院している患者の中には、無意識に点滴の管を外してしまったり、ベッドから転落したり、院内を徘徊(はいかい)したりして、入院期間が長くなる人もおり、こうした「不穏行動」と呼ばれる症状を防ぐことが病院側の課題になっているということです。
 このため、NECと病院側は事前に不穏行動の兆しをつかもうと、患者に体温や心拍数などを収集する時計型の端末を装着して、AIの技術でデータを分析しました。
 およそ1年間の実証実験の結果、不穏行動を71%の精度で事前にとらえることができ、患者の入院期間を短くすることが可能になったとしています。
 また、事前にわかったケースでは、平均で40分前には兆しをとらえることができたということで、北原国際病院の森口真由美看護科統括は「事前にわかるようになればスタッフの負担が軽くなる。できるだけ早く使いたい」と話しています。
 NECデータサイエンス研究所の久保雅洋主任研究員は、「AI技術を活用すれば、看護師が事前に対処ができるし、患者にとっても入院期間が長引くことなどを回避できる」と話しています。

 2017年10月23日(月)

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