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■塩野義製薬、新規インフルエンザ治療薬を厚労省に申請 1回の経口服用で翌日から効果 [健康ダイジェスト]

 塩野義製薬(大阪市中央区)は25日、インフルエンザを1回の経口服用で治療できる新規インフルエンザ治療薬「Sー033188」の製造販売承認を厚生労働省に申請しました。
 1日2回、5日間服用するタミフルなどと比べて、患者が使いやすいのが特徴です。タミフルと比べて効果が高く、臨床試験では服用の翌日には患者の半数の体内でウイルス濃度が低下していました。他人への感染を抑える効果も期待できるといい、家庭や職場での感染拡大を抑制できる可能性があります。
 タミフルなど従来の治療薬は、増殖したウイルスが細胞の外に出ないよう阻害する仕組みで、5日間は治療を継続する必要があります。塩野義製薬の新薬は、ウイルスが細胞内で増殖するために必要な酵素を阻害する仕組みで、1回の服用で治療が完結します。
 世界初の仕組みで、海外からも注目を集めています。強毒性の鳥インフルエンザにも効果が見込まれ、海外ではスイスの製薬大手ロシュと提携し開発、販売することが決まっています。大型化が期待されており、イギリスの調査会社エバリュエートファーマは、新薬の2022年の世界売上高を5億9700万ドル(約794億円)と予測しています。
 新薬はすでに、2015年10月に厚労省が新設した「先駆け審査指定制度」の第1弾の対象品目に指定されており、1年近くかかる審査期間が最短で6カ月に短縮される可能性があります。
 塩野義製薬は、早期の承認取得で2018年春の医療機関向けの販売を目指します。
 同社は、「(ウイルスの消失が早いことで)家庭内や学校、職場などでのウイルスの伝播、飛沫感染や空気感染の拡大にも一定の抑制効果を示すと期待。安全性も従来の治療と同等以上と考えられる」とコメントしています。

 2017年10月26日(木)

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■美容手術「前」と「後」の写真掲載禁止へ 厚労省、医療機関HPで [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は25日、美容手術の前と後でこう変わったと示す、医療機関のホームページ(HP)などに掲載されている写真の掲載を原則禁止とする方針を決めました。
 国民から意見を募り、来年6月からの禁止を目指します。脱毛や脂肪吸引、二重まぶたにする手術などが想定されています。
 今年6月成立の改正医療法は、広告規制の対象外だった医療機関のHPについて、看板やチラシと同様に対象としました。虚偽や誇大、他の施設より優れているといった表現を罰則付きで禁止します。
 どこで線をひくか、この日の有識者検討会で議論しました。美容医療の手術前後の「ビフォー」「アフター」の写真は、虚偽や誇大でなくても個人で結果が異なり、患者の選択に大きな影響を与えます。「情報の遮断になる」と反対意見もありましたが、「一般の人は安易に飛び付きやすい」「加工や修正を加えた写真もある」などの意見が出て、原則禁止と決まりました。
 国民生活センターよると、美容医療の広告に問題があるとみられる健康被害や契約トラブルなどの相談件数は、年1000件以上といいます。
 こうした美容手術とは別に、がん手術後の乳房再建や、先天性の口やあごの形の異常など、患者側が手術の前と後のイメージを知りたい例があります。厚労省は、学会などが手術前後の写真を示し、医療機関のHPから学会のHPを紹介する場合は受診を誘引しないとして認めることなどを検討。今後、省令や指針(ガイドライン)で詳細を定めます。

 2017年10月26日(木)

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■用語 混合性尿失禁 [用語(か行)]

[トイレ]腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の症状がみられる尿漏れ
 混合性尿失禁とは、腹圧性尿失禁の症状と切迫性尿失禁の症状の両方の要素を含んだ尿失禁。混合型尿失禁とも呼ばれます。
 尿失禁とは自分の意思と関係なく尿が漏れる状態で、混合性尿失禁は膀胱(ぼうこう)を支え、尿道を締めている骨盤底筋群の緩みがベースにあり、膀胱と尿道の両方の機能低下が加わることで起こりやすくなります。そうした症状は加齢により増えてくるので、閉経期から後の高齢の女性に次第に生じる率が高くなります。
 腹圧性(緊張性)尿失禁は、せきやくしゃみ、運動時など、腹部に急な圧迫が加わった時に尿が漏れます。尿意とは無関係に、膀胱にたまった尿が一時的に漏れるもので、その程度はさまざまで、軽度の時は少量の一方で、重度になると多量に尿が漏れることもあります。
 腹圧性尿失禁は頻度が高く、中年以降の出産回数の多い女性にしばしば認められるほか、比較的若い女性にもみられます。起こる原因は、膀胱を支え、尿道を締めている骨盤底筋群が加齢や出産、肥満などで緩んで、弱くなったためです。骨盤底筋群の緩みが進むと、子宮脱、膀胱瘤(りゅう)、直腸脱などを合併することもあります。
 まれに、放射線治療やがんの手術によって、尿道を締める神経が傷付くことが原因となることもあります。
 腹部に急な圧迫が加わるような動作をした時、例えばせきやくしゃみをした時、笑った時、階段や坂道を上り下りした時、重い荷物を持ち上げた時、急に立ち上がった時、走り出した時、テニスやゴルフなどの運動をした時、性交時などに、一時的に尿が漏れます。通常、睡眠中にはみられません。
 切迫性(急迫性)尿失禁のほうは、急な強い尿意を催し、トイレにゆく途中やトイレで準備をする間に、尿が漏れます。トイレが近くなる頻尿、夜中に何度もトイレに起きる夜間頻尿が、同時に生じることもあります。
 この切迫性尿失禁は、自分の意思に反して勝手に膀胱が収縮する過活動膀胱が主な原因です。普通、膀胱が正常であれば400~500mlの尿をためることが可能で、尿が250~300mlくらいになると尿意を感じて排尿が始まりますが、過活動膀胱では100ml前後の尿がたまると膀胱が収縮するために、突然の尿意を催して、我慢できなくなるのが特徴です。膀胱が正常であれば、尿意を感じ始めて10~15分ぐらいは我慢できることもありますが、過活動膀胱ではそれも難しいとされています。
 過活動膀胱の人はとても多く、日本では40歳以上の男女のうち8人に1人は過活動膀胱の症状があり、その約半数に切迫性尿失禁の症状があると報告されています。近年40歳以下でも、過活動膀胱の症状に悩まされている人が大変多くなってきています。
 女性が過活動膀胱になる最も多い原因は、膀胱を支え、尿道を締めている骨盤底筋群や骨盤底を構成する靱帯(じんたい)が弱まる骨盤底障害です。骨盤底筋群や靱帯が弱まってたるむと、膀胱の底にある副交感神経の末端が膀胱に尿が十分にたまらないうちから活性化して、突然強い尿意が出るようになるのです。
 女性は若い時は妊娠や出産で、また、更年期以降は老化と女性ホルモン低下の影響で骨盤底障害になりやすいので、男性よりも多くの発症者がいます。男性の場合も、老化や運動不足で骨盤底筋や尿道括約筋が衰えることによって過活動膀胱になることがあります。
 また、男女ともに、脳と膀胱や尿道を結ぶ神経のトラブルで起こる過活動膀胱も増えています。こちらは、脳卒中や脳梗塞(こうそく)などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳の障害、脊髄(せきずい)損傷や多発性硬化症などの脊髄の障害が原因となります。
 過活動膀胱のほか、切迫性尿失禁は膀胱炎、結石などによって膀胱の刺激性が高まって起こるものもあります。
 尿失禁は恥ずかしさのため医療機関への受診がためらわれ、尿パッドなどで対処している人も多いようですが、外出や人との交流を控えることにもつながりかねません。次第に日常生活の質が低下することも懸念されます。腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の2つの要因が重なって失禁に至る症状が続くようであれば、泌尿器科を受診することが勧められます。
[トイレ]混合性尿失禁の検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による診断では、症状および各種検査を総合し、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁とが重なる混合性尿失禁の原因を確定します。
 一般的には問診、尿検査、超音波検査、血液検査、尿失禁定量テスト(パッドテスト)、尿失禁負荷テスト(ストレステスト)、尿流動態(ウロダイナミクス)検査(膀胱内圧、腹圧、排尿筋圧、外尿道括約筋活動、尿流量測定、残尿測定)、尿路造影検査、内視鏡検査などを行って、混合性尿失禁の原因を探ります。
 問診では、出産歴、手術歴、婦人科疾患の有無、便秘の有無、尿失禁の状況などを質問します。切迫性尿失禁の主な原因となる過活動膀胱かどうかを調べるための過活動膀胱スクリーニング質問票(リンク)や、過活動膀胱の症状の程度を調べるための過活動膀胱症状質問票(OABSS)という簡単な質問票を、問診のために使うこともあります。
 尿失禁定量テスト(パッドテスト)では、パッドをつけた状態で水分を取ってもらい、せき、くしゃみ、手洗い、足踏みなど腹部に圧迫が加わりやすい動作を行ってもらい、1時間後のパッドの重量増加で尿失禁の程度を確認します。
 泌尿器科の医師による治療では、問診で腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁のどちらの症状がより困っているかを質問し、まず主症状の改善を図ります。
 難産を経験した女性、40歳を過ぎた女性で混合性尿失禁を起こしている場合には、尿道、膣(ちつ)、肛門(こうもん)を締める骨盤底筋体操が割合効果的です。肛門の周囲の筋肉を5秒間強く締め、次に緩める簡単な運動で、仰向けの姿勢、いすに座った姿勢、ひじ・ひざをついた姿勢、机に手をついた姿勢、仰向けになり背筋を伸ばした姿勢という5つの姿勢で、20回ずつ繰り返します。
 朝、昼、夕、就寝前の4回に分けて、根気よく毎日続けて行うのが理想的です。3カ月以上続けても効果のない場合には、手術が必要となる可能性が高くなります。
 骨盤底筋の強化を目的として、電気刺激によって骨盤底筋や尿道括約筋など必要な筋肉を収縮させる電気刺激療法もあります。また、腟内コーンという器具を腟内に15分程度、1日2回ほど保持し、それを徐々に重たいものに変えていくことで骨盤底筋を強化し、症状を軽減する方法もあります。
 切迫性尿失禁の主な原因となる過活動膀胱の場合には、できるだけ尿意を我慢して、膀胱を拡大するための訓練をします。毎日訓練すると、膀胱が少しずつ大きくなって尿がためられるようになりますので、200~400mlくらいまでためられるように訓練します。排尿間隔を少しずつ延長させ、2時間くらいは我慢できるようになれば成功です。尿道を締める筋肉の訓練も必要です。
 薬物による治療としては、交感神経に働いて膀胱壁の筋肉である排尿筋の収縮を阻止し、尿道括約筋を収縮させる作用のある抗コリン剤(ポラキス、BUP−4)、または排尿筋を弛緩(しかん)させるカルシウム拮抗(きっこう)剤(アダラート、ヘルベッサー、ペルジピン)を用います。抗コリン剤を1~2カ月内服すると、過活動膀胱の80パーセントの発症者で改善されます。状況に応じて、抗うつ薬を用いることもあります。閉経後の女性に対しては、女性ホルモン剤を用いることもあります。
 重症例や希望の強い場合などには、手術による治療を行います。尿道括約筋の機能が低下している場合には、尿道の周囲にコラーゲンを注入する治療や、尿道括約筋を圧迫するように腹部の組織や人工線維で尿道を支えるスリング手術、日本ではあまり行われていない人工括約筋埋め込み術などがあります。


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