■難病患者の体内でゲノム編集し、遺伝子を修復 アメリカで世界初の臨床試験 [健康ダイジェスト]
遺伝子を精度よく改変できるゲノム編集技術を用い、難病患者の体内で遺伝子を直接修復して治療する世界初の臨床試験を開始したと、アメリカのサンガモ・セラピューティクス社が15日、発表しました。
これまで、血液中の免疫細胞を体外に取り出し、その遺伝子をゲノム編集で修復する臨床研究は例がありますが、体内では初めて。
同社によると、カリフォルニア州の病院で始まった臨床試験は、代謝物質「ムコ多糖」の分解に不可欠な酵素が肝臓で作られないために、骨や関節の変形、呼吸困難、臓器肥大などの症状が出る先天性難病「ムコ多糖症2型」が対象。
ゲノム編集するための正常な遺伝子を組み込んだ「運び屋」のウイルスを、点滴で静脈から投与し患者の体内に送り込みます。ウイルスが肝臓の細胞にたどり着くと、まずゲノム編集の道具となる2種類のタンパク質が作られ、それらが肝細胞の遺伝子を修復して、必要な酵素が作られるようにします。
今回のゲノム編集技術は、現在広く使われている「クリスパー・キャス9」より前に開発された「ジンクフィンガー・ヌクレアーゼ」。目的の遺伝子を探し出すタンパク質と、その部分を切断するタンパク質がセットになっています。
難病患者は44歳の男性で、13日に投与を受けました。担当医は、「肝細胞の1%で遺伝子が修復されれば治療は成功する」とみているといいます。患者計9人に投与する予定で、同社は「血友病B」と「ムコ多糖症1型」でも体内でのゲノム編集による臨床試験の準備を進めています。いずれも肝細胞がターゲットといいます。
ムコ多糖症では、ムコ多糖が分解されずにたまっていくことで、さまざまな臓器や組織に障害が起きます。分解酵素を定期的に点滴で投与する治療がありますが、効果は限定的といいます。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)とゲノム編集を組み合わせ、遺伝性難病の治療法を研究する京都大学の堀田秋津講師は、「ゲノム編集による治療はこれまで、血液細胞など体外に取り出せるもので研究が進んでいた。今回は体外に取り出せない臓器を対象としており、新たな疾患の治療法確立に向けた第一歩だ。一方、ゲノム編集するタンパク質が狙っていない遺伝子を変えるリスクも考えられ、安全性を見極める必要がある」と話しています。
2017年11月18日(土)
これまで、血液中の免疫細胞を体外に取り出し、その遺伝子をゲノム編集で修復する臨床研究は例がありますが、体内では初めて。
同社によると、カリフォルニア州の病院で始まった臨床試験は、代謝物質「ムコ多糖」の分解に不可欠な酵素が肝臓で作られないために、骨や関節の変形、呼吸困難、臓器肥大などの症状が出る先天性難病「ムコ多糖症2型」が対象。
ゲノム編集するための正常な遺伝子を組み込んだ「運び屋」のウイルスを、点滴で静脈から投与し患者の体内に送り込みます。ウイルスが肝臓の細胞にたどり着くと、まずゲノム編集の道具となる2種類のタンパク質が作られ、それらが肝細胞の遺伝子を修復して、必要な酵素が作られるようにします。
今回のゲノム編集技術は、現在広く使われている「クリスパー・キャス9」より前に開発された「ジンクフィンガー・ヌクレアーゼ」。目的の遺伝子を探し出すタンパク質と、その部分を切断するタンパク質がセットになっています。
難病患者は44歳の男性で、13日に投与を受けました。担当医は、「肝細胞の1%で遺伝子が修復されれば治療は成功する」とみているといいます。患者計9人に投与する予定で、同社は「血友病B」と「ムコ多糖症1型」でも体内でのゲノム編集による臨床試験の準備を進めています。いずれも肝細胞がターゲットといいます。
ムコ多糖症では、ムコ多糖が分解されずにたまっていくことで、さまざまな臓器や組織に障害が起きます。分解酵素を定期的に点滴で投与する治療がありますが、効果は限定的といいます。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)とゲノム編集を組み合わせ、遺伝性難病の治療法を研究する京都大学の堀田秋津講師は、「ゲノム編集による治療はこれまで、血液細胞など体外に取り出せるもので研究が進んでいた。今回は体外に取り出せない臓器を対象としており、新たな疾患の治療法確立に向けた第一歩だ。一方、ゲノム編集するタンパク質が狙っていない遺伝子を変えるリスクも考えられ、安全性を見極める必要がある」と話しています。
2017年11月18日(土)
■用語 心室頻拍 [用語(し)]
心室の一部から連続して起こる電気刺激によって頻脈が現れる病態
心室頻拍とは、心室内で電気刺激が連続して発生したり、電気刺激が回る回路ができたりすることによって、心臓の拍動が異常に速くなる頻脈を起こす不整脈の一種。
正常な心臓では、右心房付近にある洞結節(どうけっせつ)から1分間に60~100回の電気刺激が発生して、心臓内部の上半分である右心房、左心房、心臓内部の下半分である右心室、左心室を規則正しく収縮させることで拍動を起こし、心臓は絶え間なく全身に血液を送り出しています。
驚いた時などには一時的に拍動数は跳ね上がりますが、高くても1分間に140〜160回くらいの数値からゆっくりと下がっていき、正常値に収まっていくのが普通の状態です。
心室頻拍は、1分間当たりの拍動が100~250回という非常に速い発作性の頻脈を示します。
発作性の頻脈の持続時間が30秒以内か否かで、非持続性心室頻拍と持続性心室頻拍とに分類されます。もともと心臓に疾患がなく、30秒以内に自然停止する非持続性心室頻拍なら、心配ないこともあります。
しかし、心臓に疾患があったり、30秒以上持続する場合は、頻脈が遅ければ症状が少ないこともある一方で、頻脈が速いと送り出される血液量が少なくなって血圧の低下を招き、さまざまな症状が現れます。また、心室頻拍からさらに悪性度が高く、1分間当たりの拍動が300~600回と極端に速くなる心室細動に移行することもあります。
心室頻拍には、もともと心臓疾患があって起こる場合と、心臓にはっきりした疾患がなくても起こる場合とがあります。心室頻拍を引き起こす可能性のある代表的な心臓病としては、心筋梗塞(こうそく)、拡張型心筋症、催不整脈性右室心筋症、QT延長症候群(家族性突然死症候群)、心臓サルコイドーシスなどがあります。一方、はっきりした心臓の疾患がないのに起こる心室頻拍のことを、特に特発(突発)性心室頻拍といいます。
心室の筋肉が変性し、異常に速い電気刺激が連続して発生するようになったり、心室の筋肉内に電気刺激が比較的大きく旋回する異常な電気回路ができたりすることが、心室頻拍が起こる仕組みです。
非持続性心室頻拍の代表的な症状は、脈が飛ぶような感じや、脈が早いタイミングで打つような感じなどです。持続性心室頻拍では、心臓がドキドキする動悸(どうき)感などの症状を自覚します。動悸は突然始まり、停止する時も突然なことが特徴です。動悸とともに、胸痛や胸部不快感を感じることもあります。
持続性心室頻拍で頻脈が速いと、送り出される血液量が少なくなって血圧が低下するため、めまい、ふらつき、失神などの脳虚血症状が現れます。極端に血圧が低下するとショックの状態に陥り、心臓突然死に至る確率が高くなるので、救急外来を受診し、緊急の治療を受けるべきです。
心室頻拍は命にかかわるものなので、まずは毎年の健康診断をきちんと受けること、そして健康診断の心電図などで、無症状あるいは軽度の症状の非持続性心室頻拍を指摘されたり、胸の自覚症状があった際には、悪性度の判定のため専門医の診察を受けることが勧められます。
心室頻拍の検査と診断と治療
循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、定期的に心電図をとって経過を観察するだけでよい心室頻拍から、厳重な緊急治療を要する心室頻拍まで幅広いので、検査によってその悪性度を特定し、治療の必要性を決定します。
普通の心電図検査を中心に、胸部X線検査、血液検査、さらにホルター心電図、運動負荷検査、心臓超音波検査などを行い、場合によっては心臓カテーテル検査や心臓電気生理学検査を行います。
ホルター心電図は、携帯式の小型の心電計を付けたまま帰宅してもらい、体を動かしている時や、寝ている時に心電図がどう変化するかをみる検査。長時間の記録ができ、不整脈の数がどれくらいあるか、危険な不整脈はないか、症状との関係はどうか、心臓疾患は出ていないかなどがわかります。とりわけ、日中に発作が起こりにくい不整脈を発見するのに効果を発揮します。
運動負荷検査は、階段を上り下りしたり、ベルトの上を歩いたり、自転車をこいでもらったりする検査。運動によって不整脈がどのように変わるか、心臓疾患が出るかどうかをチェックします。
心臓超音波検査は、心臓の形態や動きをみるもので、心臓に疾患があるかどうかが診断できます。
循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による内科治療では、自然停止しない持続性心室頻拍に対して、抗不整脈薬という拍動を正常化する働きのある薬を中心に行います。ただし、不整脈そのものを緩和、停止、予防する抗不整脈薬での治療は、症状を悪化させたり、別の不整脈を誘発したりする場合があり、慎重を要する治療法であるといえます。
抗不整脈薬のほかに、抗血栓薬など不整脈の合併症を予防する薬なども用います。
循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による外科治療では、自然停止しない持続性心室頻拍や、原因となるはっきりした心臓疾患のない特発(突発)性心室頻拍に対して、体内に挿入したカテーテル(細い管)の先端から高周波を流し、心臓の過電流になっている部位を焼灼(しょうしゃく)して正常化する、カテーテル・アブレーション法(経皮的カテーテル心筋焼灼術)という新しい治療法を行います。この治療法は、心臓の電位を測って映像化する技術が確立したことで実現しました。
薬物療法に応じず、血行動態の急激な悪化を伴う持続性心室頻拍に対しては、直流通電(DCショック)を行います。また、慢性的に重症心室頻拍の危険が持続する症状に対しては、植え込み型除細動器(ICD)の埋め込み手術も考慮されます。植え込み型除細動器は、致命的な不整脈が起きても、それを自動的に感知して止めてしまう装置です。
原因となる心臓疾患がある場合は、それに対する根本的な治療も行います。
一般的な心室頻拍の予防には、規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛け、ストレスの低減、睡眠不足を避けることなどが大切です。喫煙や過度の飲酒も控えます。
心室頻拍とは、心室内で電気刺激が連続して発生したり、電気刺激が回る回路ができたりすることによって、心臓の拍動が異常に速くなる頻脈を起こす不整脈の一種。
正常な心臓では、右心房付近にある洞結節(どうけっせつ)から1分間に60~100回の電気刺激が発生して、心臓内部の上半分である右心房、左心房、心臓内部の下半分である右心室、左心室を規則正しく収縮させることで拍動を起こし、心臓は絶え間なく全身に血液を送り出しています。
驚いた時などには一時的に拍動数は跳ね上がりますが、高くても1分間に140〜160回くらいの数値からゆっくりと下がっていき、正常値に収まっていくのが普通の状態です。
心室頻拍は、1分間当たりの拍動が100~250回という非常に速い発作性の頻脈を示します。
発作性の頻脈の持続時間が30秒以内か否かで、非持続性心室頻拍と持続性心室頻拍とに分類されます。もともと心臓に疾患がなく、30秒以内に自然停止する非持続性心室頻拍なら、心配ないこともあります。
しかし、心臓に疾患があったり、30秒以上持続する場合は、頻脈が遅ければ症状が少ないこともある一方で、頻脈が速いと送り出される血液量が少なくなって血圧の低下を招き、さまざまな症状が現れます。また、心室頻拍からさらに悪性度が高く、1分間当たりの拍動が300~600回と極端に速くなる心室細動に移行することもあります。
心室頻拍には、もともと心臓疾患があって起こる場合と、心臓にはっきりした疾患がなくても起こる場合とがあります。心室頻拍を引き起こす可能性のある代表的な心臓病としては、心筋梗塞(こうそく)、拡張型心筋症、催不整脈性右室心筋症、QT延長症候群(家族性突然死症候群)、心臓サルコイドーシスなどがあります。一方、はっきりした心臓の疾患がないのに起こる心室頻拍のことを、特に特発(突発)性心室頻拍といいます。
心室の筋肉が変性し、異常に速い電気刺激が連続して発生するようになったり、心室の筋肉内に電気刺激が比較的大きく旋回する異常な電気回路ができたりすることが、心室頻拍が起こる仕組みです。
非持続性心室頻拍の代表的な症状は、脈が飛ぶような感じや、脈が早いタイミングで打つような感じなどです。持続性心室頻拍では、心臓がドキドキする動悸(どうき)感などの症状を自覚します。動悸は突然始まり、停止する時も突然なことが特徴です。動悸とともに、胸痛や胸部不快感を感じることもあります。
持続性心室頻拍で頻脈が速いと、送り出される血液量が少なくなって血圧が低下するため、めまい、ふらつき、失神などの脳虚血症状が現れます。極端に血圧が低下するとショックの状態に陥り、心臓突然死に至る確率が高くなるので、救急外来を受診し、緊急の治療を受けるべきです。
心室頻拍は命にかかわるものなので、まずは毎年の健康診断をきちんと受けること、そして健康診断の心電図などで、無症状あるいは軽度の症状の非持続性心室頻拍を指摘されたり、胸の自覚症状があった際には、悪性度の判定のため専門医の診察を受けることが勧められます。
心室頻拍の検査と診断と治療
循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、定期的に心電図をとって経過を観察するだけでよい心室頻拍から、厳重な緊急治療を要する心室頻拍まで幅広いので、検査によってその悪性度を特定し、治療の必要性を決定します。
普通の心電図検査を中心に、胸部X線検査、血液検査、さらにホルター心電図、運動負荷検査、心臓超音波検査などを行い、場合によっては心臓カテーテル検査や心臓電気生理学検査を行います。
ホルター心電図は、携帯式の小型の心電計を付けたまま帰宅してもらい、体を動かしている時や、寝ている時に心電図がどう変化するかをみる検査。長時間の記録ができ、不整脈の数がどれくらいあるか、危険な不整脈はないか、症状との関係はどうか、心臓疾患は出ていないかなどがわかります。とりわけ、日中に発作が起こりにくい不整脈を発見するのに効果を発揮します。
運動負荷検査は、階段を上り下りしたり、ベルトの上を歩いたり、自転車をこいでもらったりする検査。運動によって不整脈がどのように変わるか、心臓疾患が出るかどうかをチェックします。
心臓超音波検査は、心臓の形態や動きをみるもので、心臓に疾患があるかどうかが診断できます。
循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による内科治療では、自然停止しない持続性心室頻拍に対して、抗不整脈薬という拍動を正常化する働きのある薬を中心に行います。ただし、不整脈そのものを緩和、停止、予防する抗不整脈薬での治療は、症状を悪化させたり、別の不整脈を誘発したりする場合があり、慎重を要する治療法であるといえます。
抗不整脈薬のほかに、抗血栓薬など不整脈の合併症を予防する薬なども用います。
循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による外科治療では、自然停止しない持続性心室頻拍や、原因となるはっきりした心臓疾患のない特発(突発)性心室頻拍に対して、体内に挿入したカテーテル(細い管)の先端から高周波を流し、心臓の過電流になっている部位を焼灼(しょうしゃく)して正常化する、カテーテル・アブレーション法(経皮的カテーテル心筋焼灼術)という新しい治療法を行います。この治療法は、心臓の電位を測って映像化する技術が確立したことで実現しました。
薬物療法に応じず、血行動態の急激な悪化を伴う持続性心室頻拍に対しては、直流通電(DCショック)を行います。また、慢性的に重症心室頻拍の危険が持続する症状に対しては、植え込み型除細動器(ICD)の埋め込み手術も考慮されます。植え込み型除細動器は、致命的な不整脈が起きても、それを自動的に感知して止めてしまう装置です。
原因となる心臓疾患がある場合は、それに対する根本的な治療も行います。
一般的な心室頻拍の予防には、規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛け、ストレスの低減、睡眠不足を避けることなどが大切です。喫煙や過度の飲酒も控えます。
■用語 心室性期外収縮 [用語(し)]
心室で発生した異常な電気刺激によって、心臓が早期に収縮する不整脈
心室性期外収縮とは、心室内で発生した異常な電気刺激によって心臓が本来の拍動のリズムを外れて、不規則に少し早く収縮する不整脈の一つ。
不整脈は、一定間隔で行われている心臓の拍動のリズムに、何らかの原因によって乱れが生じる疾患の総称。この不整脈は、脈が正常よりも速くなり、1分間当たりの心拍数が100回を大きく上回る症状をみせる頻脈性不整脈、脈が正常よりも遅くなり、1分間当たりの心拍数が60回未満まで下回る症状をみせる徐脈性不整脈、そして、普段規則正しく打っている脈が不規則なリズムになる期外収縮の3つに分類されます。
期外収縮は、不整脈の中で一番多く起こります。健康な人でもみられ、年齢を重ねていくにつれてみられる頻度も高くなっていきます。
脈が不規則になり、「トン、トン、トン」と規則正しく打っている脈の中に時々「トトン」と早く打つ脈が現れたり、急に心臓の1拍動が欠け、1秒飛んで2秒後に拍動するといったリズムの乱れを伴います。心室性期外収縮と、より良性の心房(上室)性期外収縮に分かれますが、いずれの場合も心臓がドキンとしたり、心臓が一時止まったように感じたりします。
心臓は全身に血液を送り出すために、規則正しいリズムで収縮と拡張を繰り返しています。心臓の右心房にある洞結節(どうけっせつ)という部位で電気刺激が発生し、電気刺激は房室結節を通って心室へと伝えられます。期外収縮は洞結節以外の部位で電気刺激が発生し、心臓に伝えられるものです。心臓内部の上半分である心房で電気刺激が発生した場合が心房(上室)性期外収縮、心臓内部の下半分である心室で電気刺激が発生した場合が心室性期外収縮に相当します。
通常の洞結節から発生する電気刺激よりも、早いタイミングで心臓に伝えられるため、脈をとった時に「早いタイミングで打つ」、「リズムが不規則になる」、「脈拍として触れることができず、脈が一拍飛ぶ」ように感じます。胸の違和感や痛み、喉(のど)の詰まった感じなどの症状が出ることもあります。
心室内での電気刺激は、心室内の筋肉が興奮を始めて収縮しやすい状況にある時に発生しやすく、具体的には血液の中のカリウムの濃度が低くなりすぎている状況や、興奮してアドレナリンが活発に分泌されている状況、また、興奮の一番始めに働くイオンチャネルのナトリウムチャネルの興奮性が高まっている状況が考えられます。
心室性期外収縮は健康な人でも自分の年齢数くらいは認めることがあり、何の症状もなく生活している人が大半ですが、命の危険にかかわる心臓の疾患の前兆として発生している場合もあります。突然死の原因にもなる心筋梗塞(こうそく)や、心機能の低下を来すこともある心筋症、心臓に負担がかかる弁膜症などです。
心室性期外収縮の回数があまりにも多く、連続して発生すると、血圧の低下や動悸(どうき)、めまいなどが生じることもあります。この場合は、心房細動、心室頻拍、心室細動などの危険な不整脈へと移行することがあるので注意が必要です。
健康診断などの検査で心室性期外収縮を指摘されたり、自分で脈をとった時に脈が飛ぶなどして心室性期外収縮だと感じたりした場合は、1日に起こる回数や頻度などを確認してみるといいでしょう。頻繁に起こるような場合は、医療機関で検査を受けて確認してみるといいでしょう。
心室性期外収縮の検査と診断と治療
内科、循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、心電図検査が基本となります。
一般的に通常の検査は限られた時間の中で情報を集めますが、詳しく検査する場合はホルター心電計を利用します。これは胸に電極をつけて24時間にわたる心電図を記録する携帯式の小型の装置で、運動中や食事中、就寝中などでの心室性期外収縮の出現頻度と出現形態を確認できます。
また、基礎心疾患の有無や運動前後での心室性期外収縮の出現頻度をみる目的で、心臓超音波検査や運動負荷心電図などを行います。
内科、循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、健常な人でも自分の年齢数くらいは心室性期外収縮が現れてもおかしくないので、単発で無症状であれば、日常生活に制限を設けません。定期的な心電図検査を行い、期外収縮の出現頻度が変わっていないか、ほかの不整脈を伴っていないか経過観察します。
動悸などの症状が強い時には、まず抗不安薬を投与します。それでも症状がある場合には、ナトリウムチャネル遮断薬や、アドレナリンを阻害するβ(ベータ)遮断薬などの抗不整脈薬を使うことになります。薬物治療を行う場合には、副作用のリスクを考慮して、十分に検討した上で慎重に行います。
運動をすると心室性期外収縮が頻発する場合には、期外収縮の連続による頻脈(頻拍)や持続性の頻脈が生じる可能性があるので、運動を控えるよう制限を設けます。逆に、運動によって心室性期外収縮がなくなる場合には、運動制限を設ける必要はありません。
心室性期外収縮自体の予後は、良好です。しかし、心室性期外収縮が引き金になって致死的な頻脈が生じることがあります。このような場合は治療が必要で、鼠径(そけい)部などから挿入した細いカテーテルにより、心臓の心室性期外収縮の原因組織を高周波電流で焼灼(しょうしゃく)するカテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)を行うことがあります。
一般的な心室性期外収縮の予防には、規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛け、ストレスの低減、睡眠不足を避けることなどが大切です。喫煙や過度の飲酒も控えます。
心室性期外収縮とは、心室内で発生した異常な電気刺激によって心臓が本来の拍動のリズムを外れて、不規則に少し早く収縮する不整脈の一つ。
不整脈は、一定間隔で行われている心臓の拍動のリズムに、何らかの原因によって乱れが生じる疾患の総称。この不整脈は、脈が正常よりも速くなり、1分間当たりの心拍数が100回を大きく上回る症状をみせる頻脈性不整脈、脈が正常よりも遅くなり、1分間当たりの心拍数が60回未満まで下回る症状をみせる徐脈性不整脈、そして、普段規則正しく打っている脈が不規則なリズムになる期外収縮の3つに分類されます。
期外収縮は、不整脈の中で一番多く起こります。健康な人でもみられ、年齢を重ねていくにつれてみられる頻度も高くなっていきます。
脈が不規則になり、「トン、トン、トン」と規則正しく打っている脈の中に時々「トトン」と早く打つ脈が現れたり、急に心臓の1拍動が欠け、1秒飛んで2秒後に拍動するといったリズムの乱れを伴います。心室性期外収縮と、より良性の心房(上室)性期外収縮に分かれますが、いずれの場合も心臓がドキンとしたり、心臓が一時止まったように感じたりします。
心臓は全身に血液を送り出すために、規則正しいリズムで収縮と拡張を繰り返しています。心臓の右心房にある洞結節(どうけっせつ)という部位で電気刺激が発生し、電気刺激は房室結節を通って心室へと伝えられます。期外収縮は洞結節以外の部位で電気刺激が発生し、心臓に伝えられるものです。心臓内部の上半分である心房で電気刺激が発生した場合が心房(上室)性期外収縮、心臓内部の下半分である心室で電気刺激が発生した場合が心室性期外収縮に相当します。
通常の洞結節から発生する電気刺激よりも、早いタイミングで心臓に伝えられるため、脈をとった時に「早いタイミングで打つ」、「リズムが不規則になる」、「脈拍として触れることができず、脈が一拍飛ぶ」ように感じます。胸の違和感や痛み、喉(のど)の詰まった感じなどの症状が出ることもあります。
心室内での電気刺激は、心室内の筋肉が興奮を始めて収縮しやすい状況にある時に発生しやすく、具体的には血液の中のカリウムの濃度が低くなりすぎている状況や、興奮してアドレナリンが活発に分泌されている状況、また、興奮の一番始めに働くイオンチャネルのナトリウムチャネルの興奮性が高まっている状況が考えられます。
心室性期外収縮は健康な人でも自分の年齢数くらいは認めることがあり、何の症状もなく生活している人が大半ですが、命の危険にかかわる心臓の疾患の前兆として発生している場合もあります。突然死の原因にもなる心筋梗塞(こうそく)や、心機能の低下を来すこともある心筋症、心臓に負担がかかる弁膜症などです。
心室性期外収縮の回数があまりにも多く、連続して発生すると、血圧の低下や動悸(どうき)、めまいなどが生じることもあります。この場合は、心房細動、心室頻拍、心室細動などの危険な不整脈へと移行することがあるので注意が必要です。
健康診断などの検査で心室性期外収縮を指摘されたり、自分で脈をとった時に脈が飛ぶなどして心室性期外収縮だと感じたりした場合は、1日に起こる回数や頻度などを確認してみるといいでしょう。頻繁に起こるような場合は、医療機関で検査を受けて確認してみるといいでしょう。
心室性期外収縮の検査と診断と治療
内科、循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、心電図検査が基本となります。
一般的に通常の検査は限られた時間の中で情報を集めますが、詳しく検査する場合はホルター心電計を利用します。これは胸に電極をつけて24時間にわたる心電図を記録する携帯式の小型の装置で、運動中や食事中、就寝中などでの心室性期外収縮の出現頻度と出現形態を確認できます。
また、基礎心疾患の有無や運動前後での心室性期外収縮の出現頻度をみる目的で、心臓超音波検査や運動負荷心電図などを行います。
内科、循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、健常な人でも自分の年齢数くらいは心室性期外収縮が現れてもおかしくないので、単発で無症状であれば、日常生活に制限を設けません。定期的な心電図検査を行い、期外収縮の出現頻度が変わっていないか、ほかの不整脈を伴っていないか経過観察します。
動悸などの症状が強い時には、まず抗不安薬を投与します。それでも症状がある場合には、ナトリウムチャネル遮断薬や、アドレナリンを阻害するβ(ベータ)遮断薬などの抗不整脈薬を使うことになります。薬物治療を行う場合には、副作用のリスクを考慮して、十分に検討した上で慎重に行います。
運動をすると心室性期外収縮が頻発する場合には、期外収縮の連続による頻脈(頻拍)や持続性の頻脈が生じる可能性があるので、運動を控えるよう制限を設けます。逆に、運動によって心室性期外収縮がなくなる場合には、運動制限を設ける必要はありません。
心室性期外収縮自体の予後は、良好です。しかし、心室性期外収縮が引き金になって致死的な頻脈が生じることがあります。このような場合は治療が必要で、鼠径(そけい)部などから挿入した細いカテーテルにより、心臓の心室性期外収縮の原因組織を高周波電流で焼灼(しょうしゃく)するカテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)を行うことがあります。
一般的な心室性期外収縮の予防には、規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛け、ストレスの低減、睡眠不足を避けることなどが大切です。喫煙や過度の飲酒も控えます。
■用語 心房期外収縮 [用語(し)]
心房内に電気刺激が発生して早期に心臓が収縮する不整脈
心房期外収縮とは、心臓内部の上半分である心房内および房室接合部付近に電気刺激が発生し、右心房付近にある洞結節(どうけっせつ)から発生する本来の電気刺激によるよりも早い時点で、心臓が収縮する不整脈。
APC(atrial premature contraction)とも、PAC (premature atrial contraction)とも呼ばれます。
通常は発生しない電気刺激が房室接合部より上位で発生した場合は心房性期外収縮、房室接合部付近で発生した場合は房室接合部性期外収縮(PJC:premature junctional contraction)と区別されますが、両者の判別が容易でない場合は、上室性期外収縮(PSVC:premature supraventricular contraction)と呼ばれます。
心房期外収縮は健康な人にも高頻度でみられる有り触れた不整脈で、年齢を重ねていくにつれてみられる頻度も一段と高くなっていきます。
健康な人における発生誘因として、疲労、緊張、ストレス、運動、睡眠不足、喫煙、カフェイン、飲酒、栄養ドリンク、季節の変わり目などが挙げられます。心疾患や肺疾患のある人では発生頻度が高く、カフェインを含むコーヒーの摂取や、飲酒で引き起こされ、悪化することがあります。
心房期外収縮が起きても無症状であることがほとんどなのですが、軽い一過性の動悸(どうき)を自覚して、心臓がドキンとしたり、心臓が一時止まったように感じたりすることもあります。
あるいは、脈が不規則になり、「トン、トン、トン」と規則正しく打っている脈の中に時々「トトン」と早く打つ脈が現れたり、急に心臓の1拍動が欠け、1秒飛んで2秒後に拍動するといったリズムの乱れを自覚することもあります。のどや胸に不快感を感じたり、きわめて短い胸痛を感じる人もいます。
まれに心房期外収縮が連続して起こった時は、耐えがたい動悸を感じたり、一時的に血圧が下がるために、めまいや失神といった症状が現れることもあります。この場合は、心房細動などの危険な不整脈へと移行することがあるので注意が必要です。
心房細動では、1分間当たり400~600回も心房が不規則に動きます。心房内の血液の流れは悪くなり、意識の消失や心機能の低下、血栓を生じて脳梗塞(こうそく)を招くこともあります。
健康診断などの検査で心房期外収縮を指摘されたり、自分で脈をとった時に脈が飛ぶなどして心房期外収縮だと感じたりした場合は、1日に起こる回数や頻度などを確認してみるといいでしょう。頻繁に起こるような場合は、医療機関で検査を受けて確認してみるといいでしょう。
心房期外収縮の検査と診断と治療
内科、循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、心電図検査が基本となります。
一般的に通常の検査は限られた時間の中で情報を集めますが、詳しく検査する場合はホルター心電計を利用します。これは胸に電極をつけて24時間にわたる心電図を記録する携帯式の小型の装置で、運動中や食事中、就寝中などでの心房期外収縮の出現頻度と出現形態を確認できます。
また、基礎心疾患の有無や運動前後での心房期外収縮の出現頻度をみる目的で、心臓超音波検査や運動負荷心電図を行います。
正常な心臓における心電図の波形はP波という小さな波から始まり、とがって大きな波のQRS波、なだらかな波のT波、最後に小さい波のU波が見られ、これが繰り返されていきますが、心房期外収縮の心電図上では、正常と異なる波形のP波が早期に出現し、そのP波は異所性のP波です。P波に続くQRS波は、正常な波形で出現します。
また、異所性のP波の波形により、電気刺激の発生部位が1つの単源性か、発生部位が複数ある多源性かを区別します。
内科、循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、症状がなく心房期外収縮が単発で発生する場合は、特に処置を行わず経過を観察します。
しかし、症状がなくても原因となる疾患がある場合や、検査の結果で心房細動などの危険な不整脈に移行する可能性がある場合は、ナトリウムチャネル遮断薬などの抗不整脈薬の投与による治療を行うことになります。
症状が強く期外収縮が連続して発生する場合は、まず抗不安薬を投与します。それでも症状がある場合には、β(ベータ)遮断薬などの抗不整脈薬を使うことになります。薬物治療を行う場合には、副作用のリスクを考慮して、十分に検討した上で慎重に行います。
運動をすると心房期外収縮が頻発する場合には、期外収縮の連続による頻脈(頻拍)や持続性の頻脈が生じる可能性があるので、運動を控えるよう制限を設けます。逆に、運動によって心房期外収縮がなくなる場合には、運動制限を設ける必要はありません。
一般的な心房期外収縮の予防には、規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛け、ストレスの低減、睡眠不足を避けることなどが大切です。喫煙や過度の飲酒も控えます。
心房期外収縮とは、心臓内部の上半分である心房内および房室接合部付近に電気刺激が発生し、右心房付近にある洞結節(どうけっせつ)から発生する本来の電気刺激によるよりも早い時点で、心臓が収縮する不整脈。
APC(atrial premature contraction)とも、PAC (premature atrial contraction)とも呼ばれます。
通常は発生しない電気刺激が房室接合部より上位で発生した場合は心房性期外収縮、房室接合部付近で発生した場合は房室接合部性期外収縮(PJC:premature junctional contraction)と区別されますが、両者の判別が容易でない場合は、上室性期外収縮(PSVC:premature supraventricular contraction)と呼ばれます。
心房期外収縮は健康な人にも高頻度でみられる有り触れた不整脈で、年齢を重ねていくにつれてみられる頻度も一段と高くなっていきます。
健康な人における発生誘因として、疲労、緊張、ストレス、運動、睡眠不足、喫煙、カフェイン、飲酒、栄養ドリンク、季節の変わり目などが挙げられます。心疾患や肺疾患のある人では発生頻度が高く、カフェインを含むコーヒーの摂取や、飲酒で引き起こされ、悪化することがあります。
心房期外収縮が起きても無症状であることがほとんどなのですが、軽い一過性の動悸(どうき)を自覚して、心臓がドキンとしたり、心臓が一時止まったように感じたりすることもあります。
あるいは、脈が不規則になり、「トン、トン、トン」と規則正しく打っている脈の中に時々「トトン」と早く打つ脈が現れたり、急に心臓の1拍動が欠け、1秒飛んで2秒後に拍動するといったリズムの乱れを自覚することもあります。のどや胸に不快感を感じたり、きわめて短い胸痛を感じる人もいます。
まれに心房期外収縮が連続して起こった時は、耐えがたい動悸を感じたり、一時的に血圧が下がるために、めまいや失神といった症状が現れることもあります。この場合は、心房細動などの危険な不整脈へと移行することがあるので注意が必要です。
心房細動では、1分間当たり400~600回も心房が不規則に動きます。心房内の血液の流れは悪くなり、意識の消失や心機能の低下、血栓を生じて脳梗塞(こうそく)を招くこともあります。
健康診断などの検査で心房期外収縮を指摘されたり、自分で脈をとった時に脈が飛ぶなどして心房期外収縮だと感じたりした場合は、1日に起こる回数や頻度などを確認してみるといいでしょう。頻繁に起こるような場合は、医療機関で検査を受けて確認してみるといいでしょう。
心房期外収縮の検査と診断と治療
内科、循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、心電図検査が基本となります。
一般的に通常の検査は限られた時間の中で情報を集めますが、詳しく検査する場合はホルター心電計を利用します。これは胸に電極をつけて24時間にわたる心電図を記録する携帯式の小型の装置で、運動中や食事中、就寝中などでの心房期外収縮の出現頻度と出現形態を確認できます。
また、基礎心疾患の有無や運動前後での心房期外収縮の出現頻度をみる目的で、心臓超音波検査や運動負荷心電図を行います。
正常な心臓における心電図の波形はP波という小さな波から始まり、とがって大きな波のQRS波、なだらかな波のT波、最後に小さい波のU波が見られ、これが繰り返されていきますが、心房期外収縮の心電図上では、正常と異なる波形のP波が早期に出現し、そのP波は異所性のP波です。P波に続くQRS波は、正常な波形で出現します。
また、異所性のP波の波形により、電気刺激の発生部位が1つの単源性か、発生部位が複数ある多源性かを区別します。
内科、循環器科、循環器内科、心臓血管外科、心臓血管内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、症状がなく心房期外収縮が単発で発生する場合は、特に処置を行わず経過を観察します。
しかし、症状がなくても原因となる疾患がある場合や、検査の結果で心房細動などの危険な不整脈に移行する可能性がある場合は、ナトリウムチャネル遮断薬などの抗不整脈薬の投与による治療を行うことになります。
症状が強く期外収縮が連続して発生する場合は、まず抗不安薬を投与します。それでも症状がある場合には、β(ベータ)遮断薬などの抗不整脈薬を使うことになります。薬物治療を行う場合には、副作用のリスクを考慮して、十分に検討した上で慎重に行います。
運動をすると心房期外収縮が頻発する場合には、期外収縮の連続による頻脈(頻拍)や持続性の頻脈が生じる可能性があるので、運動を控えるよう制限を設けます。逆に、運動によって心房期外収縮がなくなる場合には、運動制限を設ける必要はありません。
一般的な心房期外収縮の予防には、規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛け、ストレスの低減、睡眠不足を避けることなどが大切です。喫煙や過度の飲酒も控えます。
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■用語 アスピリン喘息 [用語(あ行)]
アスピリンを始めとした解熱鎮痛薬の使用によって誘発される喘息発作
アスピリン喘息(ぜんそく)とは、アスピリンを始めとした解熱鎮痛薬である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することによって誘発される喘息発作。解熱鎮痛薬喘息、NSAIDs過敏喘息とも呼ばれます。
アスピリンは、発熱があった時などに使用する解熱鎮痛薬で、アセチルサリチル酸により作られています。非ステロイド性抗炎症薬は全般として、体内で痛みを起こし、熱を上げるプロスタグランジンという炎症物質が合成されるのを妨げる作用を持ち、解熱薬や鎮痛薬、抗炎症薬として幅広く用いられています。
もともと喘息を患っている人では、激しい喘息発作を起こす場合があり、成人喘息患者の約10%、重症喘息患者の約30%にアスピリン喘息が認められ、とりわけ鼻ポリープとも呼ばれる鼻茸(はなたけ)がある人や、蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれる慢性副鼻腔(ふくびくう)炎を合併している人に多くみられます。
アスピリン喘息の主な症状としては、原因となる非ステロイド性抗炎症薬の服用後から、通常1時間以内に鼻詰まりや鼻水などに続き、息苦しさや咳(せき)などの喘息発作が起こります。また、腹痛や下痢、吐き気などの腹部の症状が出ることもあります。首の辺りから顔面にかけて紅潮し、血管浮腫(ふしゅ)などの皮疹(ひしん)は比較的少ないといわれています。
非ステロイド性抗炎症薬の使用による症状は、原因薬の効果発現時間にピークとなります。軽症の場合で約半日程度、重症の場合は24時間以上続くこともあります。血管浮腫などの皮疹は出てくるのも遅く、持続時間も長いとされます。症状が進行すると、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な全身反応を引き起こし、急激に全身の血管が拡張して血圧が下がるとともに、呼吸困難、気管支の筋肉の攣縮(れんしゅく)が起こり、重い喘息発作から最悪の場合は死に至ることもあります。
アスピリン喘息の原因は、アスピリンやインドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬への過敏症によって引き起こされます。アスピリン過敏症を誘発しやすいのは、非ステロイド性抗炎症薬のうち酸性のものが知られています。酸性解熱鎮痛薬に共通してみられるシクロオキシゲナーゼ抑制作用、つまり体内でのプロスタグランジンの合成に作用するシクロオキシゲナーゼという酵素の働きを阻害する作用が関係し、過敏症状を引き起こす細胞が活性化されるのではないかと考えられていますが、アスピリン過敏症を誘発する真のメカニズムは不明です。遺伝的な影響はありません。
もともと喘息を患っていて、アスピリン過敏症を発症する体質が疑われる場合、とりわけ鼻詰まりや嗅覚(きゅうかく)障害といった鼻の症状がある場合は、市販の風邪薬や解熱鎮痛薬、少量の解熱鎮痛成分の入った湿布、目薬などを使用する際は、常に慎重を期す必要があります。また、色素や防腐剤などの食品添加物でも症状が出ることがあるので、注意を要します。
アスピリン喘息の検査と診断と治療
内科、耳鼻咽喉(いんこう)科の医師による診断では、詳細な問診を行い、過去に非ステロイド性抗炎症薬の使用により、明らかに喘息発作が誘発されたことがあるかどうかを確認します。
また、アスピリンあるいは他の非ステロイド性抗炎症薬による負荷試験も行います。これには内服法、吸入法、舌下内服法などがありますが、誘発される症状は非常に多様で、1秒率という1秒間に吐き出された空気の量が肺活量に占める割合の低下、発疹、眼瞼(がんけん)浮腫、遅発型喘息、大発作などが生じるため、呼吸器科の医師の管理のもとに行います。
内科、耳鼻咽喉科の医師による治療では、主にステロイド薬(副腎〔ふくじん〕皮質ステロイド薬)を使用します。軽症の場合、全身的に影響の少ないステロイド点鼻薬の鼻への噴霧、ステロイド液の点鼻などの局所投与で鼻の症状のコントロールがつくこともあります。
重症の場合は、ステロイド薬の全身投与が必要になることもあります。また、鼻の治療とともに、気道粘膜に少量のステロイド薬を散布、塗布して、気道の炎症を抑えて気道を元の広さに戻すことで、喘息のコントロールを行います。
外科的手術としては、内視鏡下に鼻腔・副鼻腔手術を行い、鼻茸を始めとする病的粘膜の除去、鼻腔・副鼻腔の換気ルートを確保します。ただし、手術をしてアスピリン喘息が根本的に治るわけではないので、手術後も引き続き根気よく治療を続けます。アスピリン喘息の発症者はさまざまな薬物に対して過敏症があるため、手術に際しては慎重に対応します。
アナフィラキシーショックが出た場合は急激に悪化するため、ステロイド薬の点滴、人工呼吸器の装着、血圧を上げる高圧剤の投与、補液の点滴などの対症療法を行います。
アスピリン喘息(ぜんそく)とは、アスピリンを始めとした解熱鎮痛薬である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することによって誘発される喘息発作。解熱鎮痛薬喘息、NSAIDs過敏喘息とも呼ばれます。
アスピリンは、発熱があった時などに使用する解熱鎮痛薬で、アセチルサリチル酸により作られています。非ステロイド性抗炎症薬は全般として、体内で痛みを起こし、熱を上げるプロスタグランジンという炎症物質が合成されるのを妨げる作用を持ち、解熱薬や鎮痛薬、抗炎症薬として幅広く用いられています。
もともと喘息を患っている人では、激しい喘息発作を起こす場合があり、成人喘息患者の約10%、重症喘息患者の約30%にアスピリン喘息が認められ、とりわけ鼻ポリープとも呼ばれる鼻茸(はなたけ)がある人や、蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれる慢性副鼻腔(ふくびくう)炎を合併している人に多くみられます。
アスピリン喘息の主な症状としては、原因となる非ステロイド性抗炎症薬の服用後から、通常1時間以内に鼻詰まりや鼻水などに続き、息苦しさや咳(せき)などの喘息発作が起こります。また、腹痛や下痢、吐き気などの腹部の症状が出ることもあります。首の辺りから顔面にかけて紅潮し、血管浮腫(ふしゅ)などの皮疹(ひしん)は比較的少ないといわれています。
非ステロイド性抗炎症薬の使用による症状は、原因薬の効果発現時間にピークとなります。軽症の場合で約半日程度、重症の場合は24時間以上続くこともあります。血管浮腫などの皮疹は出てくるのも遅く、持続時間も長いとされます。症状が進行すると、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な全身反応を引き起こし、急激に全身の血管が拡張して血圧が下がるとともに、呼吸困難、気管支の筋肉の攣縮(れんしゅく)が起こり、重い喘息発作から最悪の場合は死に至ることもあります。
アスピリン喘息の原因は、アスピリンやインドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬への過敏症によって引き起こされます。アスピリン過敏症を誘発しやすいのは、非ステロイド性抗炎症薬のうち酸性のものが知られています。酸性解熱鎮痛薬に共通してみられるシクロオキシゲナーゼ抑制作用、つまり体内でのプロスタグランジンの合成に作用するシクロオキシゲナーゼという酵素の働きを阻害する作用が関係し、過敏症状を引き起こす細胞が活性化されるのではないかと考えられていますが、アスピリン過敏症を誘発する真のメカニズムは不明です。遺伝的な影響はありません。
もともと喘息を患っていて、アスピリン過敏症を発症する体質が疑われる場合、とりわけ鼻詰まりや嗅覚(きゅうかく)障害といった鼻の症状がある場合は、市販の風邪薬や解熱鎮痛薬、少量の解熱鎮痛成分の入った湿布、目薬などを使用する際は、常に慎重を期す必要があります。また、色素や防腐剤などの食品添加物でも症状が出ることがあるので、注意を要します。
アスピリン喘息の検査と診断と治療
内科、耳鼻咽喉(いんこう)科の医師による診断では、詳細な問診を行い、過去に非ステロイド性抗炎症薬の使用により、明らかに喘息発作が誘発されたことがあるかどうかを確認します。
また、アスピリンあるいは他の非ステロイド性抗炎症薬による負荷試験も行います。これには内服法、吸入法、舌下内服法などがありますが、誘発される症状は非常に多様で、1秒率という1秒間に吐き出された空気の量が肺活量に占める割合の低下、発疹、眼瞼(がんけん)浮腫、遅発型喘息、大発作などが生じるため、呼吸器科の医師の管理のもとに行います。
内科、耳鼻咽喉科の医師による治療では、主にステロイド薬(副腎〔ふくじん〕皮質ステロイド薬)を使用します。軽症の場合、全身的に影響の少ないステロイド点鼻薬の鼻への噴霧、ステロイド液の点鼻などの局所投与で鼻の症状のコントロールがつくこともあります。
重症の場合は、ステロイド薬の全身投与が必要になることもあります。また、鼻の治療とともに、気道粘膜に少量のステロイド薬を散布、塗布して、気道の炎症を抑えて気道を元の広さに戻すことで、喘息のコントロールを行います。
外科的手術としては、内視鏡下に鼻腔・副鼻腔手術を行い、鼻茸を始めとする病的粘膜の除去、鼻腔・副鼻腔の換気ルートを確保します。ただし、手術をしてアスピリン喘息が根本的に治るわけではないので、手術後も引き続き根気よく治療を続けます。アスピリン喘息の発症者はさまざまな薬物に対して過敏症があるため、手術に際しては慎重に対応します。
アナフィラキシーショックが出た場合は急激に悪化するため、ステロイド薬の点滴、人工呼吸器の装着、血圧を上げる高圧剤の投与、補液の点滴などの対症療法を行います。