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■遺伝子検査ビジネス、個人の情報保護などを定めた指針順守は6割未満 厚労省研究班が調査 [健康ダイジェスト]

 将来的に病気にかかる可能性や太りやすさなどの体質を判定する遺伝子検査ビジネスを実施している業者のうち、個人の遺伝情報の保護などを定めた経済産業省の指針を守っているのは6割にとどまることが、厚生労働省研究班による実態調査で明らかになりました。研究班は、検査の質を確保する取り組みも不十分として、法規制を含めた対応を求めています。
 生まれ付きの体質や能力などがわかるとする遺伝子検査には、技術の進歩により多くのIT企業などが参加しています。しかし、利用者側などから検査に苦情が寄せられ、検査の質が担保されない状況が懸念されることを受け厚労省が調査に乗り出しました。
 調査は2016〜2017年に、インターネットで遺伝子検査を実施しているとうたっている697社を対象に実施。うち「現在実施している」と回答した73社について、詳しく実態を分析しました。
 調査の集計によると、「検体の安全管理」「事前の説明と同意」など経産省が2004年に定めた指針を守っているとしたのは、73社中41社(56%)。業界団体の自主規制ルールを守っているとしたのは、73社中16社(22%)でした(いずれも複数回答)。7社(10%)は、どの指針にも従っていませんでした。
 何度調べても正しい結果が得られるよう、NPO法人「日本臨床検査標準協議会」などが検査の手順などを定めたルールを守っているのも10社(14%)にとどまりました。検査には人種差が反映されるといわれますが、比較データとして日本人の結果を使って判断しているのも28社(38%)だけでした。
 検査結果をもとに、治療などのよりよい選択ができるよう支援する「遺伝カウンセリング」の体制も、全体的に不十分でした。
 全国の消費生活センターには、「同じ検体を送ったら異なる結果が返ってきた」「信じられない結果が出た。精神的におかしくなり、精神科に通院している」「検査に基づき健康食品を勧められた」などの苦情が多数寄せられています。
 業者側が業界健全化のために作った団体への参加は、一部にとどまっています。
 厚労省研究班代表の高田史男・北里大学教授は、「遺伝子検査ビジネスは無秩序に広がり、しっかりした管理のもとで行われていない。指針での規制は限界」と指摘し、有期の更新免許制の導入や、施設の立ち入り監査など法規制の必要性を訴えました。具体的には、新法の制定や医療法の改正などを挙げました。また、検査結果の解釈や検査サービスの適正さを評価、審査する体制整備の検討を求めています。
 遺伝子検査には、大きく2種類あリます。1つは遺伝病の診断など医療機関を介した医療分野の検査で、厚労省が担当しています。もう1つは、唾液などの検体を送るとゲノム(全遺伝情報)の一部を解析して、統計データとの比較から病気のかかりやすさや太りやすさといった体質などを判定し、医療機関を介さずに結果を送り返す検査で、「遺伝子検査ビジネス」と呼ばれます。ヤフーなどの大手IT企業や健康食品企業などが手掛け、価格は検査項目数に応じて数千円から3万円程度まで幅があります。産業振興の観点から経産省が所管しています。

 2018年1月8日(月)

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■未成熟スイカのエキスで高血圧予防 横手市と秋田大が健康食品を3月に発売へ [健康ダイジェスト]

 秋田県横手市と秋田大学が共同研究で開発した特許技術を用い、未成熟スイカから抽出したエキスを活用した健康食品が、商品化されました。発売は、今年3月の予定。
 未成熟スイカは、栽培の過程で廃棄されてきました。エキスには、高血圧の予防や改善に役立つ働きがあるとされる成分が含まれています。
 秋田大の池本敦教授(栄養生化学)らは、未成熟スイカの活用策を探る中でエキスの成分に着目。抽出技術を開発し、2016年に横手市と共同で特許を取得しました。
 秋田大は2009年、大学の資源を地域に提供することを目的に、横手市と包括協定を締結しています。横手市と秋田大は今回、商品化する企業を公募し、合同会社「地域とともに」(秋田市)が選ばれ、奈良県の製薬会社と商品化にこぎ着けました。
 各種の植物性素材を調べた池本教授の研究の結果、通常果物として利用される成熟したスイカと比較して、小形の未成熟スイカは水溶性成分に、ACE活性阻害作用(血圧を強力に上昇させる物質の産生を抑制する作用)が強いことがわかりました。さらに、アミノ酸の一種であるシトルリンも小形の未成熟スイカのほうが高含量で、他の植物とは異なった独特なアミノ酸バランスを有しています。 ACE阻害物質とシトルリンの両者が豊富な食素材はこれまでに報告されておらず、これらを濃縮した未成熟スイカ抽出物であるエキスは、新しいタイプの食素材として、健康増進に大変有用であるといいます。
 健康食品は、ドリンク(50ミリリットル)とペースト(5グラム)の2種類。価格は、ドリンクが1本300円程度、ペーストは15包入りで1500円程度を想定しています。ペーストは、業務用に1キロ単位でも扱う予定で、焼き菓子や料理に混ぜても高血圧の予防や改善効果が期待できます。
 連絡先は、地域とともにフリーダイヤル(0120)973218。

 2018年1月8日(月)

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■メタボ追跡指導を受けると医療費が2割安い 協会けんぽが26万人を調査 [健康ダイジェスト]

 40~74歳を対象とした「メタボ健診」(特定健診・特定保健指導)を受診し、糖尿病など生活習慣病のリスクが高いと判定された人のうち、3カ月以上の追跡指導を受けた人は受けなかった人に比べ、医療費が2割安いことが、全国健康保険協会(協会けんぽ、加入者約3700万人)の約26万人を対象にした調査で判明しました。
 主に中小企業の勤め人が加入する最大の保険者である協会けんぽの調査で、追跡指導の効果が明らかになったものの、現状の実施率は2割以下で、医療費適正化のため指導強化が求められます。
 今回の調査は、飯地智紀・研究室主任らが行いました。2012年度のメタボ健診で、血糖値や血圧などの値が悪く、特定保健指導の対象とされた40〜71歳の男性約26万人のうち、電話やメールで3カ月以上の追跡指導を受けた人と、全く受けなかった人を比べました。がんを除く糖尿病、脂質異常症、高血圧関連の入院以外の1人当たり医療費や、体重の減り方を比較しました。
 追跡指導を受けた群の体重の減り方は、受けていない群に比べて3倍程度大きくなりました。
 次に、1人当たり医療費の年齢調整後の平均値は、2013年度で追跡指導を受けた群が受けていない群より26%(3501円)少なくなりました。2014年度も20・1%(4027円)、2015年度も15・3%(3975円)少なくなりました。
 飯地主任は、「追跡指導を契機に自助努力し体重を減らした結果、医療費が抑えられた」と分析しています。
 厚生労働省によると、追跡指導を含めた特定保健指導の実施率は2015年度で17・5%(終了者数約79万人)にすぎず、指導対象の大半が無視しているのが現状。メタボ健診自体の実施率も2015年度で50・1%(受診者数約2706万人)と低く、医療費の適正化のためには受診率の向上が求められます。

 2018年1月8日(月)

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