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■希少糖のアルロース、経口摂取で糖尿病改善 自治医大などがメカニズムを解明 [健康ダイジェスト]

 自然界に少量しか存在しない希少糖の一種「アルロース」の口からの摂取で肥満や糖尿病などが改善されるメカニズムを、自治医科大学医学部生理学講座統合生理学部門の矢田俊彦教授(生理学)らの研究チームが9日までに、マウスを使った実験で解明しました。
 アルロースが腸内ホルモンを分泌させ内臓感覚神経を通じて脳に作用し、食欲や食後の血糖上昇を抑えるなどの効果が確認されました。今後、臨床試験を経て、食事療法や創薬への応用が期待されます。
 香川大学や北海道大学、カナダのトロント大学との共同研究。イギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電子版)に9日付で発表しました。
 研究チームによると、アルロースは砂糖と同程度の甘みがあるのにカロリーはゼロ。肥満や糖尿病の改善効果があると注目され量産も進んでいますが、詳しいメカニズムは不明でした。
 共同研究は2012年10月ごろに開始し、アルロースを空腹状態のマウスに口から飲ませてその後の食事量を調べるなどの実験で、摂食の抑制、インスリンの分泌や作用が増強され食後の血糖上昇抑制の効果がみられました。
 別の実験で、アルロースを経口摂取した場合、腸内ホルモン「GLP-1」の分泌が促され、腸や肝臓にある内臓感覚神経(求心性迷走神経)を通じて脳に作用し、満腹感を得ることで摂食を抑制できるメカニズムもわかりました。
 また、肥満のマウスにアルロースを10日間投与して摂食のパターンを調査。本来食事をしない時間帯の無駄食いが抑えられて摂食リズムが是正され、脂肪肝の改善が確認されました。
 糖尿病の治療に使用される薬は注射が必要で脳に直接作用するため副作用が懸念されてきましたが、併せて経口投与による投薬が実現すれば副作用もほとんどないため、患者の負担軽減につながるといいます。
 矢田教授は、「食事の喜びを保ったままカロリー抑制にもつながる希少糖は、規則的な食事につながり、肥満や糖尿病の改善にも効果がある。メカニズムを解明したことで創薬への応用も期待される。5年ぐらいで実現できるのではないか」と話しています。

 2018年1月10日(水)

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■かむ力が弱い、むせやすいなど口の働きの衰え、死亡リスク高める恐れ 東京大が調査 [健康ダイジェスト]

 硬い物が食べづらくなる、むせることが増えるなどの「口まわり」のトラブルが将来の死亡リスクを高める可能性があるとする調査結果を、東京大学などの研究チームがまとめました。
 こうした口の働きの衰えは自覚しにくいものの、歯科医の定期的な受診などで対処していくことが大切といいます。
 調査は、千葉県柏市に2012年に住み、介護を必要としない状態にある65歳以上の約2000人を対象に実施しました。
 本人への聞き取りや測定から、①残っている歯が20本未満②かむ力が弱い③口を巧みに動かせない④舌の力が弱い⑤硬い食品が食べづらい⑥むせやすいの6項目を評価。該当するのが「3項目以上」「1〜2項目」「ゼロ」と3つのグループに分け、約4年後の健康状態を検証しました。
 その結果、年齢などの影響を取り除いても、3項目以上該当したグループは、ゼロのグループに比べて死亡率が2・09倍になり、介護が必要になった割合は2・35倍になりました。また、筋力が衰える「サルコペニア」と呼ばれる状態に2年以内になった割合は2・13倍、筋力に加えて意欲の低下など心身の活力が落ちた「フレイル」と呼ばれる状態になった割合は2・41倍でした。
 口の働きが衰えている人は、食事量が少なく、肉類の摂取量が減る傾向がありました。食べられる物が減って栄養状態が偏り、体力の低下や健康状態の悪化につながったとみられます。軽くみられがちな口の働きの衰えを「オーラルフレイル」(口の虚弱)と呼び、早めに対処することで要介護になる高齢者を減らそうとする考え方が、医療現場で注目されています。
 オーラルフレイルの提唱者で、調査を実施した東京大高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授(老年医学)は、「歯の本数を注目しがちだがそれだけでなく、かむ力や滑舌の悪化などささいな口の働きの衰えの積み重ねが、体に大きな影響を及ぼすことがわかってきた。早いうちに気付き、かかりつけの歯科医で口まわりのケアをしてほしい」と話しています。
 研究成果は、老年学の国際誌「ジャーナル・オブ・ジェロントロジー」で発表されました。

 2018年1月10日(水)

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■介護大手のツクイ、食事介助などを担う新職種を導入  未経験者を採用し半日程度研修 [健康ダイジェスト]

 介護大手のツクイ(横浜市港南区)は、介護現場で周辺業務に特化した新職種を導入します。高齢者の食事や排せつの介助といった専門分野以外の業務を担う「ケアサポーター」という職種を設けます。
 1月内にも通所介護(デイサービス)事業所で導入するほか、認知症対応のグループホーム向けに職員の募集を始めました。人手不足が深刻化する介護現場で、職員の負担軽減につなげます。
 ケアサポーターはパートとして採用し、半日程度の研修を施した上で1日3~4時間を目安に働いてもらいます。すでに有料老人ホーム3施設で試験運用しており、兵庫県内のデイサービス事業所5カ所を皮切りに本格導入していきます。周辺業務に特化した職員の導入は、介護業界でも珍しいといいます。
 介護現場では、同じ職員が専門的な介助と、食事を運んだり清掃したりといった周辺業務を併せて担うことが多くなっているため、職員1人当たりの負担が大きくなりがち。ツクイは専門的なノウハウが不要な職員を別途採用して分業を進め、各職員の負担を減らします。

 2018年1月10日(水)

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■漢方薬や鍼灸など東洋の伝統医療、WHOが認定へ 日本の漢方、再評価へ [健康ダイジェスト]

 漢方薬や鍼灸(しんきゅう)など日本や中国の伝統医療が、今春にも開催される世界保健機関(WHO)の総会で認定される方針であることが8日、明らかになりました。
 具体的には、国際的に統一した基準で定められた疾病分類である「国際疾病分類」(ICD)に、伝統的な東洋医学の章が追加されます。100年以上、西洋医学一辺倒だった世界の医療基準の転換点となるとともに、中国と異なり独自に発展してきた日本の伝統医療の再評価にもつながります。
 関係者によると、WHOが東洋の伝統医療に注目したのは、同機関で扱う医療の統計が西洋に偏り、伝統医学での治療に依存しているアジアなどでほとんど統計が取られていないとされる「情報格差」を埋めることが目的にあるといいます。
 ICDは1900(明治33)年に初めて国際会議で承認、日本でも同年に採用されました。約10年ごとに改訂され、現在は全22章からなりますが、日本や中国などに根差した「伝統医療」が新しい章として加わリます。病名や患者の体質を示す「証(しょう)」が、約300項目記載されるといいます。
 ICDの作成にも携わった千葉大学の並木隆雄診療教授(和漢診療学)は、「WHOに公式に認められれば、日本の伝統医療の地位向上に役立つ。科学的な調査のもと、漢方の有効性も検討でき、成果は国民に大きく還元される」と話しました。
 日本の漢方は古代中国に起源があるものの、西洋医学と融合し、中国とは運用方法や処方の作り方も異なるなど独自の発展を遂げました。鍼灸も奈良時代に漢方とともに伝えられ、「日本の医療」として進化。特に中国はボールペンの芯ほどの太い鍼(はり)を使うのに対して、日本は髪の毛ほどの細い鍼を使うところに特徴があリます。
 病気に対し狙いを絞って対処する西洋医学に対し、東洋医学では、病気は全身の体内バランスが崩れて起こるという考えを持ち、同じ症状でも患者の体質によって治療を変えます。日本では、1976年に147種の漢方エキス製剤が医療保険に適用され、漢方医学は2001年から医学教育に、2002年からは薬学教育にも導入されました。

 2018年1月10日(水)

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