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■喫煙や飲酒で遺伝子に細かい異常が増加し、発がんリスクに がん研究センターが測定法を開発 [健康ダイジェスト]

 食道がんのリスクを高める喫煙や飲酒をしている人は、食道の組織が正常に見えても遺伝子の細かい異常が起き始めていることを、国立がん研究センターの研究チームが確認しました。がんになるリスクを発症前に予測することにつながると期待されます。
 たばこをたくさん吸う人やお酒をたくさん飲む人は、そうでない人に比べて食道がんを発症するリスクがそれぞれ5倍近く高いことが報告されています。
 研究チームは、「飲酒や喫煙などをしない」「飲酒や喫煙などはするが、がんではない」「飲酒や喫煙などをし、がんにかかった」のそれぞれ約30人から食道の粘膜を採取し、遺伝子の細かい異常がないか調べました。
 その結果、飲酒や喫煙などをする人では、食道の粘膜が正常でも、DNA(デオキシリボ核酸)の文字が一つだけ変わる「点突然変異」や、「DNAメチル化異常」という遺伝子のスイッチ役の異常が増えていることがわかりました。がんにかかった人は、異常がさらに多いこともわかりました。
 がんは遺伝子の異常が積み重なって起こりますが、細かい異常はこれまで見付けるのが極めて困難でした。早期の食道がんは内視鏡検査で見付けるのが一般的ですが、研究チームの牛島俊和・国立がん研究センター研究所エピゲノム解析分野長は「微量の突然変異を測定する今回の検査を組み合わせれば、発がんリスクの高い人をより正確に見分けられるようになる」と話しています。
 研究成果は、アメリカの「科学アカデミー紀要」に掲載されました。

 2018年1月25日(木)

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■医療用保湿剤「ヒルドイド」、美容目的の処方量制限は見送り 厚労省 [健康ダイジェスト]

 「美容クリーム」としての利用が問題となっていた公的医療保険の対象の医療用保湿剤について、厚生労働省は24日、処方量の上限規制の導入を見送ることを決めました。この医療用保湿剤のような保湿剤が必要ながん患者団体などから反発を受けたためです。
 保湿剤は、アトピー性皮膚炎などの治療に使う「ヒルドイド」とその後発医薬品。保湿効果があり、雑誌やインターネットで美容クリームとして多く紹介されています。医師から処方されれば現役世代なら50グラム1185円が最大3割(約360円)の自己負担ですみ、厚労省の調査で美容目的で大量に処方されている事例も見付かりました。
 健康保険組合連合会は、医療費の無駄遣いにつながるとして、「保険適用外とすべきだ」と提言。このため、厚労省は不適切な医療保険の使い方を減らそうと、医師が1度に処方できる量に上限を設けることなどを検討してきました。
 しかし、抗がん剤による皮膚の乾燥を治すためにヒルドイドなどを使っている乳がんや卵巣がんの患者団体などは、「放射線治療による皮膚障害に保湿剤は欠かせない」として、従来の処方を続けるよう求める要望書を提出。日本皮膚科学会など関連学会も、「保湿剤による治療を必要とする患者に大きな不利益を生じかねない」として、処方量の制限に反対する要望書を提出していました。
 今回、保険適用から外したり、処方量に制限を設けるなどの規制を見送ったことについて、厚労省医療課の担当者は「全身性のアトピーや難病の患者、がんの放射線治療を受けた患者など、本当に保湿剤を大量に必要とする人が、処方量の制限などで不自由な思いをするという声や関連学会からの要望に配慮した。今後は、改めて通知などで医療上の処方を明確化するともに、不適切な処方が出ていないか、診療報酬の審査支払機関と適正な審査を進めていく」 と説明しています。

 2018年1月25日(木)

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