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■人工透析、診療報酬の一部を引き下げへ 厚労省が改定方針 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は2018年度の診療報酬改定で、腎臓病患者への人工透析治療で医療機関が得る報酬を削減する方針を決めました。
 多くの患者を治療する大規模施設の診療報酬を重点的に引き下げます。人工透析を受ける患者は2016年度で約32万人に増えており、約1兆6000億円に上る医療費の抑制を図ります。
 人工透析は機能が落ちた腎臓の代わりに機器を使って、血液中の老廃物や余分な水分を取り除く治療法。糖尿病が悪化すると腎臓の機能が低下し、人工透析が必要になるケースが多くなります。標準的な人工透析時間は4~5時間で、時間をかけて丁寧な透析治療を行うほど患者の死亡リスクが下がります。
 現行では1人当たりに年間約500万円の医療費がかかり、昨年10月の経済財政諮問会議で民間議員が医療費抑制のため「実態に応じた適正化」を求めていました。
 今回の診療報酬改定では、多くの透析用の機器を持ち、受け入れる患者を増やすために短時間しか透析治療をしない医療機関の報酬を主に引き下げます。厚労省によると、20〜60台の透析用の機器を持つ施設が大勢を占める中で、120台以上の機器を保有し、1日当たりの患者数が非常に多い医療機関もあります。
 医療機関に支払われる診療報酬を引き下げると、通常は患者負担も軽くなりますが、人工透析の患者は医療費助成などで自己負担なしか月1万~2万円に軽減されており、金銭的な影響はないとみられます。
 一方、厚労省は、人工透析に至らないように患者に働き掛ける重症化予防に力を入れます。糖尿病が原因で腎臓の機能が低下した患者に対する医師の運動指導の対象を、人工透析を受ける直前の重症患者から、中等度の患者に広げます。
 患者団体の全国腎臓病協議会は、「報酬引き下げが、医療機関の経費削減などによる透析医療の質の低下を招かないようにしてほしい」としています。

 2018年2月2日(金)

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■血液でアルツハイマー病判定、原因物質を簡単に検査 国立長寿研など発表 [健康ダイジェスト]

 認知症全体の6~7割を占めるとされるアルツハイマー病の原因物質の脳内への蓄積を、わずかな血液で調べることができる検査法を開発したと、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と大手精密機器メーカーの島津製作所(京都市中京区)の研究チームが発表しました。
 調べるのは「アミロイドベータ(Aβ)」というタンパク質で、発症の20年ほど前から脳に徐々に蓄積するとされます。血液からの検出法の確立は世界初で、簡便な検査法ができたことで、発症前の人を対象にした根本的な治療薬の開発を促進するものと期待されます。
 研究論文は、1月31日付のイギリスの科学誌「ネイチャー」(電子版)に掲載されました。
 アミロイドベータの検査は現在、1人当たり十数万~数十万円かかる特殊な脳画像検査や、背骨の間に針を入れて脳脊髄液を採取する検査法が用いられています。費用や体への負担が大きく、大規模な研究が難しい原因にもなっています。
 アミロイドベータは血中にわずかな量しか含まれておらず、血液検査で調べるのは難しいとされてきました。研究チームは、アミロイドベータの蓄積によって変動する複数の関連物質の比率から脳内への蓄積の度合いを推定する技術を開発し、わずか0・5ccの血液で測定できる方法を確立しました。
 アルツハイマー病は、無症状ながらアミロイドベータが徐々に脳内に蓄積する段階を経て、軽度認知障害(MCI)、発症へと進行します。研究チームは、オーストラリアにある世界有数の認知症研究組織と連携。健康な人を含む60~90歳の日本人121人とオーストラリア人111人を対象に、血液検査と脳画像検査を行い、結果を比較しました。両国とも約9割で一致し、アミロイドベータの有無を正しく判定できました。
 国立長寿医療研究センターの柳沢勝彦・研究所長によると、アルツハイマー病の根治薬の研究は近年、発症前段階を対象としています。簡単な血液検査で対象者を選び出せることで、研究の加速が期待できるといいます。さらに、「当面は、治療法の開発のための患者を見付け出すために使い、将来的には、発症前の高齢者検診に生かせる可能性もある」としています。
 2002年にノーベル化学賞を受賞し、今回の開発に加わった島津製作所シニアフェローの田中耕一さんは、「医療・創薬に役立つものを作りたいと研究を続けてきたが、私達の開発した分析技術が、認知症薬研究への活用が見通せるところまできたことは感慨深い。もうひと踏ん張りしなくてはと思う」と話しています。
 岩坪威(たけし)・東京大学教授(神経病理学)は、「アミロイドベータの蓄積を血液検査で調べるのは難しいと考えられていたが、日本だけでなく海外のサンプルでも正確さが再現できており、信頼性が高いとみられる。発症前段階を対象にした治療薬の開発研究にとって大きな前進だ」と話しています。

 2018年2月2日(金)

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■1日からパチンコ出玉を3分の2程度に抑制 警察庁が依存症対策で [健康ダイジェスト]

 警察庁は、パチンコの出玉の上限をこれまでの3分の2程度に抑えるよう風俗営業法の規則を改正し、1日から規制を強化しました。
 カジノを合法化する「統合型リゾート(IR)整備推進法」が昨年12月に成立したことを受けて、政府がギャンブル依存症の対策などに取り組む中、警察庁は、パチンコの出玉の上限をこれまでの3分の2程度に抑えるよう風俗営業法の規則を改正しました。
 具体的には、パチンコの業界団体の調査で客が1度に遊ぶ標準とされる4時間で獲得できるパチンコの出玉の数を金額にして5万円(1玉4円換算)を下回るようにしたほか、1回の「大当たり」で獲得できるパチンコの出玉の数をこれまでの2400個(1玉4円換算で9600円)から1500個(同6000円)に引き下げました。パチスロも、パチンコと同様の水準で規制しました。
 パチンコの依存者から電話相談を受け付けている団体の調査によりますと、相談してくる人のおよそ70%は1カ月当たりのいわゆる「負け」が5万円以上になるということで、警察庁は、パチンコの出玉の総数を5万円以下にすることで、負けを取り戻そうという思いを抑制したいとしています。
 改正された風俗営業法の規則は1日施行され、警察庁は「今回の規制強化は借金を抱えながらパチンコを続けているような人達に対し、一定の効果があると考えている。業界によるギャンブル依存症対策と併せて実効性のあるものになるよう指導していきたい」としています。
 警察庁によると、パチンコホールは1995年は1万8244店舗ありましたが、2016年は1万986店舗まで減少。市場規模は2005年の34兆9000億円をピークに、2015年は23兆2000億円に減っています。

 2018年2月2日(金)

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