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■皮膚がん・白血病は生存率低く、食道がん・肺がんは高評価 5年生存率を国際比較 [健康ダイジェスト]

 がん患者の5年生存率を国際比較したところ、日本は食道がん、肺がんなどでは世界トップクラスながら、皮膚がんや白血病では世界の平均より低いという調査結果を国立がん研究センターが発表しました。
 調査は、同センターやイギリスのロンドン大学など世界約40の研究機関が共同で実施。2000年〜2014年にがんと診断された世界71の国と地域約3750万人の5年生存率を比較し、がんの種類ごとにA〜Eの5段階で評価しました。日本は大阪府や宮城県、広島県など16府県の約183万人が対象。
 日本が最高の「A」だったのは食道がんや肺がんのほか、胃がん、肝臓がん、乳がん、子宮頸(けい)部がんと、成人の脳腫瘍、小児リンパ腫。皮膚がんの悪性黒色腫、骨髄性白血病などの成人骨髄性疾患は「D」と世界の中でも低くなりました。膵臓(すいぞう)がんや、悪性リンパ腫などの成人リンパ性疾患は「C」と平均的でした。
 調査に加わった国立がん研究センターがん対策情報センターの松田智大(ともひろ)・全国がん登録室長は、「成績が劣るがんでは、成績のよい外国の状況を分析し、検診受診率の向上、新たな診断法や治療法の開発などに取り組むべきだ」と話しています。

 2018年3月1日(木)

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■がん10年生存率が55・5%に上昇 昨年比1・3ポイント改善 [健康ダイジェスト]

 国立がん研究センターは28日、がん患者の10年生存率は全体で55・5%だったと発表しました。昨年の調査より1・3ポイント上昇しました。治療技術や早期発見が進んだためと見なされています。
 前立腺がんは90%以上、甲状腺がんと乳がんは80%以上と高い一方で、食道がん、胆のう胆道がん、肝臓がん、膵臓(すいぞう)がんは30%未満と低くなりました。
 全国がんセンター協議会(全がん協)に加盟する20施設で、2001年〜2004年にがんと診断され、治療を受けた5万7147人を対象に調査。今回から計算法を変えたため、10年生存率は昨年の58・5%より低くなっていますが、新しい計算法で計算し直すと、昨年の数値は54・2%になるといいます。
 改善した要因として、治療効果の高い抗がん剤の開発、放射線治療や早期発見の技術の進歩などを挙げています。
 がん患者の5年生存率の算出は、2007年〜2009年に32施設でがんと診断され、治療を受けた13万2869人を対象に調査。がん全体では67・6%で、1997年の62%から改善しました。前立腺がんは100%、乳がんは約94%、甲状腺がんは約92%と高くなりました。
 今後も新たな抗がん剤の開発など、医療の進歩で少しずつ改善していくとみられます。ただ、喫煙対策や早期発見のための検診受診率の向上が依然、課題となっています。

 2018年3月1日(木)

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■iPS細胞から作製した心筋シート移植、大阪大が承認 今年半ばにも1例目実施へ [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した心臓の筋肉のシートを、心不全の患者に移植する大阪大学の研究チームの臨床研究について、学内の再生医療を審査する委員会は28日、計画を了承しました。今後、厚生労働省の部会で審議され、手続きが順調に進めば今年半ばにも臨床研究が始まります。
 iPS細胞から作製した細胞を患者に移植する臨床研究は、理化学研究所などの研究チームが目の難病の加齢黄斑変性の患者に実施しています。ほかの病気ではまだ例がなく、心臓病の治療で行われるのは世界で初めてだということです。
 今回の臨床研究は、澤芳樹教授らが計画。血管が詰まって心臓の筋肉(心筋)に血液が十分届かず、心筋が傷付いた虚血性心筋症の患者を対象に、心臓の表面にシート状の心筋細胞を移植し、安全性や効果を調べます。iPS細胞は、京都大学iPS細胞研究所が品質を確認して備蓄しているものを使用します。
 研究チームは昨年7月、再生医療安全性確保法に基づいて設けられている大阪大の委員会に申請。この日、2回目の会合があり、計画を「適切」とする意見をまとめました。
 早川堯夫(たかお)委員長は、「動物実験などの前臨床のデータの安全性、有効性がきちんとしていた。議論の多くは患者への説明を丁寧にするためのことだった」と話しました。
 虚血性心疾患は、重症化すると心臓移植しか治療法がありません。澤教授らは、患者自身の足の筋肉から採った特定の細胞をシートにして、移植する治療を開発してきました。この細胞は心筋の再生を促す物質を出しますが、心筋の障害が重いと効き目が十分でなく、iPS細胞で心筋を作って補うほうが、より高い効果が期待できるとしています。
 一方、iPS細胞そのものは無限に増える能力があり、シートに混じって体内に入るとがん化する恐れがあります。移植する心筋も拍動するため、移植後に心臓の拍動と一致しないと脈が乱れる懸念もあります。計画では18~79歳の患者計3人への移植を目標にして、1年間観察し、問題がないか検証します。
 澤教授は、「最初のステップを通過できた。この研究が本格的な医療になり、たくさんの人が助かるよう頑張っていきたい」とコメントしました。

 2018年3月1日(木)

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■病院のベッド、富山県など39道県で過剰 神奈川県や大阪府などでは不足 [健康ダイジェスト]

 日本の病院のベッド数が、必要な数を大幅に上回ることが明らかになりました。2016年のベッド数は、2025年に必要とされる予測より約5%多くなっています。都道府県別にみると、39道県が必要以上にベッドを抱えています。
 医療は供給過剰が不要な需要をつくる傾向があり、現状では医療費増に拍車がかかります。厳しい高齢化に備えて、病院にコスト感覚を徹底させるなどの転換が必要になります
 各都道府県が医療の将来像を示す「地域医療構想」と呼ぶリポートに記した2025年の必要なベッド(病床)数と、2016年7月のベッド数を集計して比較しました。
 地域医療構想は、団塊の世代が全員75歳以上になる2025年に向けて医療体制をつくる材料。必要なベッド数は、人口推計や年齢ごとの入院率などをもとに試算しています。
 2025年の必要数より実在のベッドが最も多かったのは富山県で、約29%。熊本県や山口県が28%前後で続きます。要削減率20%を超す13県のうち九州が5県を占めるなど、西日本が目立ちます。単純合算すると日本全体で2016年7月には125万床強で、2025年に必要とされる119万床より約5%多くなっています。ここ数年でも、ベッドの余剰は全体で膨らんでいます。
 ベッドが多い地域は、かつて産業振興に似た観点で病院づくりを進めた例もあります。入院の必要が低い患者を在宅医療へ移行し、医療機関やベッドを減らす取り組みへの転換が求められます。厚生労働省は供給過剰の解消へ知事の権限を強め、各地の判断でベッド数を管理しやすくします。ただ、削減には「医療がさらに遠のき、重症化につながる」といった医療関係者の強い抵抗が予想され、国全体の抜本策も欠かせません。
 国民医療費42兆円の4割を占める入院医療費は、医療財政のカギを握ります。ルールに沿った診療は国が代金を支払ってくれるので、普通の産業に比べると病院は規模を大きくしすぎて経営が失敗するリスクが小さく、放っておけば必要を上回る病院やベッドが生まれやすい特殊な産業といえます。ベッドが過剰になると病院は空きベッドを埋めようと、通院ですむ患者を入院させる動機が生まれる弊害も見逃せません。
 日本の医療体制の過剰ぶりは鮮明。人口1000人当たりのベッド数が約13床と、アメリカやイギリスの3床弱、フランスやドイツの6〜8床を大きく上回ります。平均在院日数は約30日におよび、10日以下の欧米各国と比べて突出しています。
 国が旗を振る地域医療構想では、患者の状態ごとに「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4区分それぞれで必要なベッド数をはじきます。今回の集計で、特に過剰感が強かったのが重症患者向けの急性期病床。高度急性期を含め今は全体の6割を占めますが、2025年は全体の45%で十分。
 神奈川県や埼玉県、東京都、千葉県、愛知県、京都府、大阪府、沖縄県など必要なベッド数に足りない地域もあり、全体を見渡した適切な配分が求められます。

 2018年3月1日(木)

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