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■甲状腺がんの再発、約1割に当たる8人 福島原発事故当時6~15歳 [健康ダイジェスト]

 東京電力福島第一原発の事故の後、甲状腺がんと診断された子供の支援を行っている民間の基金が、子供たちの手術後の経過を調べたところ、およそ1割に当たる8人ががんを再発して再手術を受けていたことがわかりました。
 民間の基金のNPO法人「3・11甲状腺がん子ども基金」(事務局・東京都新宿区)は、原発事故の後に甲状腺がんやがんの疑いと診断された25歳以下の子供たちに1人当たり10万円の療養費の支援を行っており、2月末までに114人(福島県内84人、県外30人)に支給しています。支給の対象になっている子供たちは、放射性ヨウ素が拡散したとされる岩手県を含む東日本の1都15県のエリアに暮らしています。
 このうち原発事故当時に福島県内に住んでいた84人について基金が手術後の状況を調べたところ、9・5%に当たる8人ががんの再発や転移で甲状腺を摘出するなどの再手術を受けていたことが明らかになりました。
 8人は、事故当時6歳から15歳で、最初に手術を受けた時期から最も早い人で1年後にがんを再発していたということです。
 福島県が行っている原発事故当時に18歳以下だった人を対象にした甲状腺検査では、これまでにがんやがんの疑いと診断された人は194人に上り、再発するケースが出ていることはわかっています。しかし、県の検討委員会でも詳しいデータは明らかになっておらず、基金では「国や県はがんの再発のケースを詳しく検証してほしい」と話しています。
 また、基金は、療養費の支援を行っている114人のうち、福島県外の子供たちに重症化の傾向があることを明らかにしました。甲状腺の摘出手術後、再発の危険性が高いとして放射性ヨードを服用する「アイソトープ治療」を受けたのは福島県内2人(2%)に対し、福島県外11人(37%)でした。
 福島県は甲状腺検査を継続しており、基金はこの検査が早期発見につながり、重症化を抑えていると分析。一方、福島県外の場合、自覚症状が現れるなどがんが進行してから治療を受けるケースが多く、福島県民に比べて発見が遅れがちとみています。
 基金の副代表理事である海渡雄一弁護士は、「福島県の子供だけが検査を受けるのは一種の『差別だ』と言う人もいるが、本来は国の責任で関東などを含む広範囲で甲状腺検査を実施すべきだ」と述べています。
 3・11甲状腺がん子ども基金は、事故から7年を前に3日午前10時~午後4時、甲状腺がんに関する電話相談(フリーダイヤル0120・966・544)を実施する予定で、医師4人が対応します。

 2018年3月2日(金)

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