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■昨年のアニサキス食中毒患者、前年から倍増し240人 幼虫が寄生した生魚を食べると激しい腹痛 [健康ダイジェスト]

 魚の内臓に寄生するアニサキスによる食中毒の報告患者が2017年は前年と比べ約2倍に増えたことが、厚生労働省の集計で明らかになりました。患者は速報値で240人を数え、前年の126人からほぼ倍増しました。
 1カ月の平均は2017年1〜4月は約13人でしたが、多くの新聞やテレビで被害状況が報道された5月以降は約24人になりました。
 国立感染症研究所寄生動物部第二室の杉山広・前室長は、「アニサキスの食中毒が急に増えたのではなく、多くのメディアで報道され、患者や医師の間で認知度が高まったのだろう」とみています。
 食中毒の患者を診察した医師は、保健所への届け出が法律で義務付けられています。2005年~2011年までの7年間に医療機関を受診した約33万人分のレセプト(診療報酬明細書)を基にした杉山室長の推計では、年間のアニサキス患者は約7000人。杉山室長は、「報告件数はまだまだ『氷山の一角』。消費者も食品業者も気を付けてほしい」と指摘しています。
 アニサキスは回虫類の一種で、幼虫がサバやカツオ、サケ、イカ、サンマなどに寄生。魚介類が死ぬと、内臓から筋肉に移動します。幼虫は長さ2~3センチ、幅0・5~1ミリくらいで、白い糸のように見えるのが特徴です。
 アニサキスが寄生した魚は十分に加熱するか、24時間以上冷凍すれば問題はありませんが、刺し身など生で食べた場合は人の胃壁や腸壁をアニサキスの幼虫が刺すなどして、みぞおちの激しい痛みや腹膜炎症状を引き起こし、吐き気、嘔吐(おうと)を伴います。酢で締めたり、しょうゆを付けたりしても予防効果はないといいます。
 専門家によると、放置しても人の体内では3~4日程度で死ぬものの、痛みが激しいため、医師の診断を受け、内視鏡により上部消化管から取り除くことが推奨されるといいます。
 厚労省は対策として、70度以上で加熱する、零下20度で24時間以上冷凍する、新鮮な魚を選び早めに内臓を除く、生で食べる前には目視でよく確認し取り除くなどを挙げています。

 2018年3月8日(木)

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