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■iPS細胞から作製した心筋シート移植による治療 大阪大が厚労省に臨床研究を申請 [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した心臓の筋肉(心筋)の細胞シートを重い心臓病の患者に移植して治療する臨床研究を目指している大阪大学の研究チームは10日までに、計画を厚生労働省に提出し審査を申請したことを明らかにしました。研究チームでは審査で認められれば、今年半ばにも1例目の手術を行いたいとしています。
 大阪大の澤芳樹教授らの研究チームは、京都大学が備蓄している拒絶反応を起こしにくいiPS細胞から作製した心筋の細胞約1億個を厚さ約0・1ミリ、直径約5センチのシート状にして、18歳~79歳の虚血性心筋症患者3人の心臓に直接貼り付け、心臓の機能の回復を目指す臨床研究を計画しています。
 iPS細胞を使って臨床研究を行う場合は、再生医療安全性確保法で研究の計画が学内の委員会で承認された上で、さらに厚労省の審査でも認められることが必要とされています。
 研究チームによりますと、計画が大阪大学内の専門家委員会で了承されたことを受けて10日までに、厚労省に審査を申請したということです。厚労省は部会で審査を行い、通常90日以内に結論が出されるということです。
 iPS細胞から作製した細胞を患者に移植する臨床研究は、理化学研究所などの研究チームが目の難病の加齢黄斑変性の患者に実施しています。ほかの病気ではまだ例がなく、心臓病の治療で行われるのは世界で初めてだということです。
 理化学研究所などの研究チームは、これまで6人の患者に対し、iPS細胞から作製した約10万から25万個の網膜の細胞を移植する手術を行いましたが、網膜の場合は目を検査することで直接、細胞を確認することができるため、異常があっても素早く対処できるとされ、現在は経過を観察するなどして治療の効果を調べています。
 大阪大の臨床研究はこれに続くものですが、使う細胞の数は網膜の時の400倍から1000倍となる約1億個で、移植する部位も体の奥深くとなり問題があってもすぐに取り除くことができないため、これまでよりも高い安全性が求められ難しい技術になると関係者はみています。

 2018年3月10日(土)




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■医薬品売上高10兆5149億円、前年比1%減 2010年以降で初めて前年を下回る [健康ダイジェスト]

 2017年の国内医療用医薬品の年間売上高は10兆5149億円(薬価ベース)と3年連続で10兆円を超えたものの、前年に比べて1%減少して2010年以降では初めて前年を下回ったことが、調査会社アイキューヴィア(東京都港区)のまとめで明らかになりました。
 国内市場の約4割を占める病院市場(病床100床以上)の年間売上高が4兆5092億円で前年比1・4%減と大きく下げ、2010年以降では初めて前年を下回ったことが、影響しました。開業医市場(病床100床以下)は0・4%減の2兆1661億円、薬局その他市場は0・9%減の3兆8394億円と、ともに2年連続マイナス成長となりました。
 種類別では、がん治療薬がトップの1兆301億円(前年比7・5%増)で、初めて1兆円を突破しました。2位は糖尿病治療薬で5505億円(前年比5・2%増)、3位は高血圧治療薬で4614億円(前年比8・9%減)。
 2016年は2位だった抗ウイルス薬は3391億円(前年比44・2%減)で、9位に下がりました。売上高が多く、効果が高いC型肝炎治療薬「ハーボニー」「ソバルディ」による治療を終えた人が増えたためとみられます。
 がん治療薬の中では、大腸がんなどの分子標的薬「アバスチン」が1142億円でトップ。免疫治療薬「オプジーボ」は1003億円で3位で、2017年2月から半額になった影響から売上高は前年比6・9%減でした。2017年2月発売の免疫治療薬「キイトルーダ」は、がん治療薬の8位になりました。
 売上1000億円を超えたのは、アバスチンのほか、胃潰瘍薬「ネキシウム」、オプジーボと、前年より1製品少ない3製品となりました。
 販売会社の上位3社は、武田薬品工業、第一三共、アステラス製薬の順で、日医工と沢井製薬のジェネリック医薬品メーカーが初のトップ20入りを果たしました。
 調査会社アイキューヴィアは、アメリカに本社がある国際的な医療情報提供会社で、医薬品の卸販売会社から得たデータを元に市場統計を作っています。

 2018年3月10日(土)

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