SSブログ

■レジオネラ症患者、10年前の2・5倍の1722人 加湿器も原因に [健康ダイジェスト]

 衛生管理の不十分な入浴施設などで感染するレジオネラ症の患者が年々、増えています。国立感染症研究所によると、昨年レジオネラ菌の感染によって発熱や肺炎などを起こした患者数は1722人と、現在の調査方法となった1999年以降最多でした。重症だと死亡することもあるため注意が必要です。
 患者数は2009年から年々増え、2017年は10年前の2・5倍以上。都道府県別では、東京都が最も多く159人で、広島県109人、愛知県102人、神奈川県101人、埼玉県98人、大阪府83人と続きます。増加の理由ははっきりわかっていないものの、診断が簡単になったことや高齢化などが指摘されています。
 レジオネラ症を引き起こすレジオネラ菌は、水や土の中にいます。給湯設備や空調の冷却塔、加湿器に侵入して増えます。水滴とともに吸い込むことで感染し、発熱や倦怠(けんたい)感、肺炎などを起こします。2016年12月までの10年間に報告された患者数は計1万310人で、うち196人が死亡。患者の9割を50歳以上が占め、高齢になるほど死亡率が高くなりました。
 昨年3月には、広島県三原市の入浴施設を利用した30〜80歳代の男女58人がレジオネラ症になり、50歳代の男性1人が亡くなりました。その後の調査で、衛生管理の不備が指摘されました。
 大分県の高齢者施設では昨年12月から今年1月にかけ、80〜90歳代の男性入所者3人がレジオネラ菌に感染して肺炎を発症、うち1人が死亡しました。原因は高齢者施設に設置されていた2台の加湿器で、レジオネラ菌に汚染された加湿器のタンク水から空気中に広がったとみられています。
 レジオネラ菌は36度前後で最も繁殖する一方で、60度以上で死滅し、塩素消毒も有効。治療にはニューキノロン系やマクロライド系の抗菌薬が効きますが、早い段階で治療する必要があります。
 国立感染症研究所・細菌第一部の前川純子主任研究官は、「入浴施設を利用した後に熱などの症状が出てきた時は医療機関を受診してほしい」と話しています。

 2018年3月19日(月)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■小野薬品、オプジーボの適応拡大へ 2018年度に4種のがんを追加申請 [健康ダイジェスト]

 小野薬品工業はがん免疫薬「オプジーボ」について、2018年度に新たに4つのがんで厚生労働省に適応追加を申請します。オプジーボは高価という批判を受けて大幅に薬価を引き下げられたため、適応範囲を広げて単価の下落を補います。
 厚生労働省は薬剤費を削減するため薬価の適正化を進めており、製薬各社は収益を確保する対策を迫られています。
 オプジーボは100ミリグラム1瓶当たり約73万円の薬価が高すぎるとして2017年2月、定期的な薬価の改定を待たずに緊急的な措置として、50%引き下げられました。今年4月の改定で再び約24%下がるため、小野薬品工業は「販売数量増で補う」としています。
 皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬として2014年9月に販売を始めたオプジーボは、2015年12月に非小細胞肺がんの適応が認められました。その後も腎細胞がん、血液がんの一種であるホジキンリンパ腫、頭頸部(とうけいぶ)がん、胃がんで認められ、6種類のがん治療に使われています。
 今年1月に、腎細胞がんで別の薬との併用療法の適応を申請済み。2018年度は食道がんや肝細胞がん、小細胞肺がん、併用療法の非小細胞肺がんで適応追加の申請を目指します。2018年度末にも「一部が承認される可能性もある」といいます。
 国立がん研究センターによると、2017年のがんの死者数のうち肺がんは7万8000人、食道がんが1万1300人と推定されています。併用療法で使用される肺がんでも新たな適応申請が認められれば、利用者は大幅に増えます。
 小野薬品は、2018年3月期の純利益を前期比23%減の430億円と予想しています。オプジーボの薬価引き下げの影響で減益ですが、2017年9月に胃がん患者にも投与が認められるようになって利用が増え、減益幅が縮小します。

 2018年3月19日(月)

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■日本は間もなく、重老齢社会に突入へ 75歳以上が高齢者の半数以上に [健康ダイジェスト]

 日本の高齢化が間もなく、新たな局面に入ります。75歳以上の後期高齢者が65歳~74歳の前期高齢者を3月1日にも上回り、高齢者全体の半数を超えます。
 寝たきりや認知症など身体的な衰えが強まりがちな後期高齢者が急増する「重老齢社会」の到来で、定年退職後も元気なアクティブシニアが活躍する構図は次第に薄まり、高齢者をどう支えるのかがより深刻に問われる時代が来ます。
 総務省の人口推計によると、2月1日時点で75歳以上は1764万人、65歳~74歳は1766万人。寿命が延びていることから、後期高齢者は平均月3万人ペースで増加しており、早ければ近く発表される3月1日時点の人口推計で前期高齢者を上回る可能性があります。今後、75歳以上はどんどん増え、高齢者に占める割合は上がっていきます。
 政府は、人口に占める65歳以上の割合を「高齢化率」として算出しています。1947年~1949年生まれの「団塊の世代」が2012年に65歳に到達し始めてから高齢化率は急速に上がり、2017年時点では27%になりました。
 世界保健機関(WHO)などの定義では7%超の「高齢化社会」、14%超の「高齢社会」を上回り、21%超の「超高齢社会」と位置付けられます。
 ただ今の日本では、医療の発展などにより65歳を超えても元気な高齢者は多くいます。豊富な資産を持ち、積極的に旅行に出掛けたり趣味に打ち込んだりするアクティブシニアは、むしろ個人消費のけん引役にもなっていました。個人消費の約半分は、60歳以上の高齢者が占めます。
 そのような状況も、後期高齢者が中心になる重老齢社会の到来で変わりかねません。
 まず大きく変わるのが介護で、前期高齢者で要介護認定されている人は3%ですが、後期高齢者になると23%に跳ね上がります。65歳以上の高齢者が同じく65歳以上の高齢者を介護する「老々介護」は、75歳以上になると在宅介護の3割を占めるようになります。
 特に首都圏で、介護の問題は今後深刻になります。東京都は今後5年ごとに20万~30万人という急ピッチで、後期高齢者が増えていきます。東京都は昨年「超高齢社会における東京のあり方懇談会」を発足し、老々介護や空き家問題などの議論を始めています。
 認知症の高齢者も急増します。内閣府のデータによると、2012年は65歳以上の認知症患者数が462万人で約7人に1人でしたが、2025年には730万人で約5人に1人に増えるとされ、労働力が減る中、介護の負担が重くなるばかりか、金の流れに大きな影響を与えます。「日銀でも年金基金でもなく、認知症の人が有価証券の最大の保有者になる可能性がある」と、みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは気をもんでいます。
 厚生労働省が補助する研究によると、認知症の人は60歳代後半で約2%、70歳代前半で約5%なのに対し、70歳代後半になると約10%に急増します。株式などの有価証券の多くは70歳以上が保有しており、持ち主が認知症などになれば運用が凍結される可能性が高くなります。
 2035年には最大150兆円の有価証券を認知症の高齢者が保有すると高田チーフエコノミストは試算し、「生きたお金が回らなくなれば金融面からの成長が止まる」と懸念しています。
 財政の持続性などを研究する慶応義塾大学の小林慶一郎教授は、「これからは高齢者を支える負担が増す『重老齢社会』といえる局面に入る。金融や働き方、財政などさまざまな分野で社会課題からイノベーションを生み出す工夫が要る」と指摘しています。

 2018年3月19日(月)

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:健康