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■神戸大など、痛みがない乳がん検査法を開発 微弱電波を当てて立体画像化 [健康ダイジェスト]

 微弱な電波を出す発信器で乳房の表面を数回なでるだけで、乳がんを高い精度で発見できる新たな画像検査法を、神戸大などが開発しました。
 乳がん検診で使われるマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)のような痛みはなく、鮮明な立体画像が得られるといいます。来年度中に臨床試験(治験)を始め、検診での普及を目指します。
 電波は体内の組織に当たると反射するものの、脂肪は通り抜けます。神戸大の木村建次郎教授(計測学)らは、乳房の大半が脂肪であることに着目し、電波を当てて内部のがん組織ではね返った波形を解析し、瞬時に立体画像化できるようにしました。
 マンモグラフィーは乳房を板で挟んで撮影するため痛みを感じるほか、乳腺の密度が高い高濃度乳房の人では全体が白く写り、同様に白く写る異常を見付けにくいという課題がありました。新たに開発した検査法は痛みがなく、がんを明確に区別できます。当てる電波は携帯電話の1000分の1以下で、放射線被爆(ひばく)の心配もないのが利点です。
 木村教授らは、高濃度乳房のがん患者ら約200人を対象に精度を検証。マンモグラフィーやエコー検査、組織の一部を採取する検査などの診断結果と90%以上一致し、これまで難しかった早期のがんも検出できました。
 木村教授は、「2021年ころには大手メーカーなどの協力を得て、医療機器として事業化したい」と話しています。
 乳がんの死者数は世界で2012年に約50万人だったとの推計があり、国内では2016年に約1万4000人で、いずれも増加傾向にあります。

 2018年5月16日(水)

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