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■遺伝性乳がんに治療薬、卵巣がん用を適用拡大 アストラゼネカの「リムパーザ」 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省の専門家部会は23日、再発卵巣がん向けの治療薬を、遺伝性の乳がんにも使えるようにすることを了承しました。親から受け継いだ遺伝子が原因で発症する「遺伝性がん」の治療薬としては、国内初となります。
 早ければ来月にも正式承認され、保険適用になる見通しです。
 治療薬は「リムパーザ」(一般名・オラパリブ)。イギリスの製薬大手「アストラゼネカ」が開発した飲み薬で、再発卵巣がん向けには4月に保険適用されました。リムパーザは、正常細胞にはダメージを与えずがん細胞のみを死滅させる分子標的薬で、副作用が少ないため、患者の負担を軽減します。
 新たにこのリムパーザの対象になるのは、生まれ付きBRCA(ブラッカ)1、BRCA2という遺伝子に変異がある乳がんの一部。遺伝性乳がんは、乳がん全体の5〜10%を占め、2分の1の確率で子に引き継がれます。
 患者がこのリムパーザを使う際には、BRCA変異の有無を判定する遺伝子検査を受けることが前提になります。遺伝子検査の価格は同日、厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会で約20万円に決まりました。患者の自己負担は、この1〜3割。
 遺伝子検査でBRCAの変異があれば、リムパーザを使えます。一方、血縁者も同じ遺伝子変異を持つかどうかが判明する可能性があります。変異があると、生涯に乳がんを発症するリスクは5〜6割と高く、心理的な負担は大きくなります。
 昭和大学乳腺外科の中村清吾教授は、「治療の選択肢が広がることは意義がある。遺伝性の乳がんが疑われる患者や家族には、遺伝カウンセリングの機会があることを伝えていくことが必要だ」と話しています。

 2018年5月25日(金)

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■流行性角結膜炎の患者数、過去10年間で最多に 1医療機関当たり1・17人 [健康ダイジェスト]

 国立感染症研究所は22日、5月7〜13日の1週間で、流行性角結膜炎(はやり目)の患者数が1医療機関当たり1・17人になったと発表しました。過去10年間で最多となります。
 流行性角結膜炎は、夏風邪のウイルスの一種であるアデノウイルスによって、主に引き起こされます。上下のまぶたの裏側と、眼球の表面から黒目の周囲までを覆っている結膜の炎症に加えて、黒目の部分を覆っている角膜に炎症を起こすため、角結膜炎と呼ばれます。
 非常に感染力が強く、しばしば集団発生することがあります。学校伝染病の一つに指定されており、感染者は伝染の恐れがなくなるまで登校禁止となります。1歳から5歳を中心とする小児に多く発症しますが、成人も含め幅広い年齢層で認められます。
 感染症研究所によると、過去10年では2015年8月の1・15人が最多でしたが、今回、それを上回りました。都道府県別でみると、宮崎県3・83人、新潟県3・5人、神奈川県3・15人の順で多くなっています。
 感染症研究所の藤本嗣人・感染症疫学センター第四室長は、「こまめな手洗いやタオルの共有を避けるなど予防が必要」と話しています。

 2018年5月25日(金)

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