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■旧優生保護法下の強制不妊手術、全国被害弁護団が発足 西日本でも提訴へ [健康ダイジェスト]

 旧優生保護法(1948~1996年)下で障害者らに不妊手術が強制されていた問題で、全国の弁護士184人で構成する「全国優生保護法被害弁護団」が27日、発足しました。弁護団は、6月末をめどに新たに4、5人が西日本などで提訴する方向で準備を進めることを確認しました。
 この日は、東京都内で弁護団の結成大会がありました。冒頭、共同代表を務める新里宏二弁護士(仙台弁護士会)が「一人でも多くの救済に向けた受け皿を作り、国に謝罪と補償を求めていきたい」とあいさつしました。
 この問題を巡っては今年1月、手術による人権侵害に対する救済制度を設けてこなかった政府や国会の責任を問うため、宮城県の60歳代女性が国を初提訴。今月17日には70歳代の男女3人が東京、仙台、札幌の各地裁に2次提訴しています。
 弁護団によると、結成大会での非公開の会議で、今月21日の電話相談で寄せられた63件を検討し、3次提訴について議論したといいます。これまでなかった西日本を含む4、5人の提訴も検討しており、裁判は全国に広がる見通しです。
 結成大会では、手術を受けた人に対する補償と謝罪を軸にした立法、強制手術の問題点の検証、差別をなくす政策の推進などを国に求める弁護団声明も発表。
 また、今月裁判を起こした東京都の75歳の男性が「国は20年以上、この問題を放置してきたことを重く受け止め、早期に謝罪や補償をしてほしい」と訴えました。精神科の元勤務医で知的障害のある女性への手術の申請にかかわったことがある東京都の岡田靖雄医師(87歳)も出席し、「優生保護の歴史に責任を負うため、当時の医師は顔や名前を公表して自分の経験を話すべきだ」と訴えました。
 この問題では、約1万6000人が手術を強いられており、厚生労働省が4月、記録の保管状況を確認するよう各自治体に通知し、全国調査が始まっています。3月には超党派の国会議員連盟が発足し、来年の通常国会への救済法案の提出を目指しています。

 2018年5月27日(日)

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■京都大など、iPSから免疫細胞の作製に成功 がん治療に応用へ [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、がん細胞や病原体などを攻撃する免疫の「司令塔役」を担う免疫細胞を作製することに成功したと、京都大学iPS細胞研究所などが発表しました。
 がん免疫療法の効果向上や、患者に直接投与する新たなワクチン療法の技術開発に応用できるといいます。成果は25日、アメリカの科学誌「ステムセル・リポーツ」(電子版)に掲載されました。
 免疫細胞には、がん細胞などへの攻撃を命じる司令塔役の「ヘルパーT細胞」や、命令を受けて活性化する攻撃役の「キラーT細胞」などがあります。
 iPS細胞研究所の金子新(しん)准教授らは、人の血液から取り出したヘルパーT細胞からiPS細胞を作製し、このiPS細胞に免疫細胞への変化を促すタンパク質や遺伝子を加えるなどして、ヘルパーT細胞とほぼ同じ機能を持つ細胞を作製しました。この細胞と一緒に培養して活性化させたキラーT細胞を、がんのマウス10匹に投与したところ、がん細胞の増殖が抑えられ、60日たってもすべて生きていました。投与しなかった5匹では、1匹しか生き残りませんでした。
 がん患者の多くでは、免疫細胞が減少し、働きも低下。今回の手法を使えば、増殖が難しい免疫細胞を大量に作ることができるといいます。
 金子准教授は、すでにiPS細胞からキラーT細胞を作製することにも成功しており、「免疫機能を回復させる新しいがん治療法を開発したい」と話しています。

 2018年5月27日(日)

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