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■乳がん検診の高濃度乳房の一律通知、時期尚早 厚労省がQ&A集を配布 [健康ダイジェスト]

 自治体が行う乳がん検診のマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)で異常が見えにくい高濃度乳房について、厚生労働省は24日、「(受診者に)一律に通知することは望ましくない」とする文書を全国の自治体に送付しました。
 乳がん検診のマンモグラフィーは、乳房を板で挟んで撮影するため痛みを感じるほか、乳腺の密度が高い高濃度乳房の人では全体が白く写り、同様に白く写る異常を見付けにくいという課題があり、結果が判然としなくても受診者には「異常なし」と伝えられることがあります。乳がん患者らは、受診者が自分の乳房のタイプを把握して日ごろから注意できるよう高濃度乳房の通知を要望していました。
 ただ、受診者に高濃度乳房と伝えても、マンモグラフィー以外に現時点で推奨できる検査方法がないとして、厚労省は一律の通知は時期尚早と判断しました。超音波検査を併用すれば異常を見付けやすいとされるものの、死亡率を減らせるかどうかは明確になっていないためといいます。
 一部の自治体では独自に通知していますが、受診者が病気と誤解するようなケースもありました。厚労省が配布した文書は同省研究班が作成したQ&A集で、市町村ががん検診の受診者に対し乳房の構成を通知する際に正しく説明できるよう示したものです。
 Q&A集では、高濃度乳房に関して9つの質問を設定し、その回答と解説、用語解説、関連する図表を記載しています。例えばQ5「高濃度乳房では乳房超音波検査でがんが多く見付かると聞きました。住民検診でマンモグラフィーに加えて乳房超音波検査をなぜやらないのでしょうか」との質問に対しては、「乳がん検診で、マンモグラフィーに加えて乳房超音波検査を行うことによって死亡率が減少するかどうかについての科学的根拠や受診者の不利益について、明らかとなっていないためです」との回答を示しています。
 NPO法人乳がん画像診断ネットワークの増田美加副理事長は、「一律通知を望ましくないとしながら、通知後の対応を示しても、正しい理解が進むとは考えられない」と批判しています。

 2018年5月29日(火)

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■角膜が濁る病気、細胞移植で視力改善 京都府立医科大と同志社大 [健康ダイジェスト]

 目の角膜が濁って視力が大幅に低下する「水疱(すいほう)性角膜症」の患者11人に、他人の角膜の細胞を人工的に増やして移植したところ、全員の視力が改善したと、京都府立医科大と同志社大の研究チームが発表しました。3年後をめどに、新しい治療法として国の承認を得ることを目指します。
 水疱性角膜症は、角膜を透明に保つ働きをする内皮細胞が減ることが原因とされます。国内の推定患者数は約1万人で、アイバンクなどから提供された角膜を移植するしか治療法がないものの、角膜は不足しています。
 京都府立医科大の木下茂教授(眼科学)らの研究チームは2013~2014年、アメリカのアイバンクに提供を受けた角膜から内皮細胞を取り出して培養し、40~80歳代の患者11人の角膜の内側に注入して定着させる臨床研究を実施。
 2年間の経過観察の結果、全員の角膜の濁りが回復し、矯正視力は平均0・2前後から1・0前後に上昇しました。拒絶反応や感染症、重い副作用はありませんでした。
 この手法では、1人の角膜から100人の治療に必要な内皮細胞が確保できるといいます。研究チームは昨年から、再生医療製品として国の承認を受けるため医師主導の臨床試験(治験)を始めており、「角膜移植に代わる治療法にしたい」としています。

 2018年5月29日(火)

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