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■アルツハイマー病を超音波の照射で治療 東北大が世界初の治験へ [健康ダイジェスト]

 東北大の研究チームが19日、超音波を脳に照射してアルツハイマー病の悪化を防ぐ新たな治療法の実用化に向け、今月中にも医師主導の臨床試験(治験)を始めると発表しました。超音波を使った認知症の治験は世界初。
 軽度の患者と、発症前の軽度認知障害の患者が対象で、早ければ5年後の実用化を目指します。
 人間の脳には、血液に混じって外部から異物が侵入するのを防ぐ仕組みがあり、投薬によるアルツハイマー病の治療を妨げてきました。超音波にはその制約がなく、治験で効果が認められれば革新的な治療法につながります。
 治験では、患者の頭部にヘッドホンのような装置を付け、頭蓋骨が薄く超音波が通りやすいこめかみ付近から、左右交互に弱い超音波を脳全体に断続的に照射。患者5人で主に安全性を確認した後、患者20人を対象に3カ月ごとに照射し、1年半かけて、超音波を照射をしない患者20人と比較して効果と安全性を調べます。
 使うのは研究チームが見いだした特殊な超音波で、脳を刺激する効果があります。照射すると脳内に新たな血管が生まれ、血流が改善。アルツハイマー病の原因物質の一つとされる「アミロイドベータ」というタンパク質の生成を抑制し、症状の進行を抑えるといいます。
 アルツハイマー病を人工的に発症させたマウスの実験では、3カ月後でも健常なマウスとほぼ同等の認知機能を維持しました。手法が安価で、簡易なのも特徴。
 下川宏明教授(循環器内科学)は、「少しでも有効性が認められれば、世界的な朗報だ。将来は重症な患者や、脳卒中による認知症患者にも対象を広げたい」と話しています。

 2018年6月20日(水)

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