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■高額な注射用抗がん剤、2回まで使用を認める 医療費削減へ厚労省指針 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は22日、「オプジーボ」などの注射で使う高額な注射用抗がん剤について、1瓶で2回まで使用を認めるとする指針をまとめました。廃棄されていた残薬を安全に有効活用することで医療費削減を目指します。
 液状の抗がん剤は、「バイアル」というガラスの瓶に入っています。オプジーボの場合、1瓶100ミリグラム約36万5000円で、患者の体重に合わせて必要な量を使います。だが、例えば30ミリグラム残っても、細菌汚染の恐れがあるとしてメーカー側は使用しないよう注意喚起しています。廃棄すると10万円以上が無駄になる計算で、こうした廃棄分が年数百億円に上るという試算があり、自民党行革推進本部が昨年7月、対応を求めていました。
 今後、残薬の使用が認められるのは、開封後も有効成分が分解しないなどの安定性がある抗がん剤。使用後はふたを消毒し、滅菌シールで保護するなどの厳格な取り扱いを求めます。保管期間は原則当日中で、無菌室内の保管庫では7日まで可能。
 残薬を巡っては、1瓶から同時に複数の患者へ使用することは認められており、別の患者に残薬を使用しても1人に1瓶ずつ使ったことにして医療費を請求しているケースが確認されています。日本病院薬剤師会の調査では、こうした事案で過大に医療費を受け取っている医療機関が18%にも上りました。
 厚労省は、別の患者に残薬を使用した場合、使用量に応じた医療費の請求を徹底するよう求める通知も、11日付で関係団体に送りました。

 2018年6月24日(日)

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■育毛剤の発毛効果を高める手法を開発 近畿大学薬学部 [健康ダイジェスト]

 近畿大学の長井紀章薬学部准教授らは、育毛剤の発毛成分を効果的に毛根に届ける技術を開発しました。発毛成分のミノキシジルを200ナノ(ナノは10億分の1)メートルほどの微粒子にして水に混ざりやすくすることで、毛根により多くの成分が浸透して効果が高まります。成分の濃度も、市販品の育毛剤よりも高められるといいます。
 マウスを使った実験では、市販品の育毛剤よりも早く毛が生えました。より大型の動物でも実験し、医薬品企業と組んで実用化を目指します。
 もともとは高血圧の治療のための血管拡張剤として開発され、臨床試験によって発毛効果が認められたミノキシジルは、水に溶けないため、現在はアルコールで溶かしています。ただし、皮膚に浸透してしまうほか、アルコール分は皮脂を出す毛穴の皮脂腺に吸収されやすく、髪の毛が誕生する部位である毛根に届きにくいという課題がありました。
 研究チームは、ミノキシジルを細かく破砕して微粒子にし、オリゴ糖の一種のシクロデキストリンなどと混ぜました。微粒子は水には溶けないものの、軽いため、墨汁の炭の微粒子のように均一に分散して漂い続け、1カ月たっても沈殿しませんでした。毛根に振りかけると、溶けていないため皮膚には浸透せず、アルコールを使っていないので皮脂腺から吸収されにくくなりました。
 毛がはげた状態のマウスで試したところ、9日目に毛が生えてきました。市販品の育毛剤で試したところ、11日かかりました。微粒子にすることで、ミノキシジルが毛根に効果的に吸収されたためとみています。
 開発した手法だと、ミノキシジルの濃度を高めやすく、発毛効果の向上が期待できます。従来の手法で濃度を高くするにはアルコール分を多くする必要があり、皮膚についてかぶれやすくなりました。
 今後、ウサギなどの大型の動物でも同様の効果があるかを調べます。毛根に吸収されやすい微粒子の大きさや形状を調べ、効果の高い育毛剤開発につなげるといいます。
 開発した手法は、水に溶けにくい薬剤を皮膚などから吸収させる効率を高めるのにも役立つとみています。例えば、水に溶けにくい薬剤を使う点眼薬の有効成分を微粒子にすることで、角膜など粘膜で覆われている部分からの吸収率を高められたり、有効成分の濃度を高めるのにも使えるといいます。

 2018年6月24日(日)

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