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■梅毒感染者、昨年を上回るペースで増加の一途 女性は20〜30歳代に増加 [健康ダイジェスト]

 性行為などで感染し、重症化すれば失明など深刻な障害につながる恐れもある性感染症の梅毒の増加が続いています。昨年は1973年以来44年ぶりに梅毒感染者が5000人を超え、暫定値で5820人(男性3925人、女性1895人)となりましたが、今年も昨年を上回るペースで、地方都市や若い女性にも広がっています。
 感染に気付きにくく他人に移しやすいため、自分とは無関係と思わずに予防を心掛け、心当たりがあれば検査を受けることが大切です。
 梅毒は、感染から数週間後に性器や口の感染部位に、しこりや潰瘍(かいよう)ができます。ただ、治療しなくても症状が軽くなるため見過ごされやすく、数カ月後には全身の皮膚や粘膜に赤い発疹が出現。この時も治療せずに消えることがあるため、知らずに他人に移したり、治療が遅れて失明したり、記憶障害やまひなどの神経障害につながったりする恐れがあります。
 予防には、不特定多数の人との性行為を避けることが重要。性行為の際は最初からコンドームをつけると、感染リスクを減らせます。
 日本性感染症学会副理事長の石地尚興(いしじたかおき)・東京慈恵会医大教授(皮膚科)は、「リスクのある性行為は避け、感染が心配な時は検査してほしい」と訴えています。感染の有無は血液検査でわかり、地域によっては保健所で無料で受けられます。
 治療には抗菌薬が有効。ただし最長で12週間飲み続ける必要があり、「途中で断念してしまう患者もいる」と性感染症に詳しい産婦人科医の北村邦夫・日本家族計画協会理事長は指摘しています。厚生労働省によると、海外では1度の注射ですむ薬が使え、世界的に標準治療となっているといいます。現在、厚労省はメーカーに開発を要請しています。
 今回の流行では、女性は20〜30歳代に感染者が多く、男性は20~40歳代に多くなっており、性風俗に従事する若い女性やその客となる男性の間で感染が広がっている可能性が指摘されています。妊娠した女性が感染すると流産や死産したり、生まれた子供の肝臓や目、耳に障害が起こったりする「先天梅毒」になる恐れがあります。
 厚労省によると、先天梅毒の新生児は2013年には4人でしたが、2016年は14人。厚労省研究班の報告書によると、2011〜2015年の間に新生児20人が先天梅毒になり、うち3人が死亡、3人に後遺症があったといいます。
 厚労省は4月、梅毒に感染した妊婦の早期治療につなげようと、診断した際に医師に義務付けている保健所への届け出の項目に「妊娠の有無」を加える方針を決めました。また、風俗業の従事歴なども項目に加え、感染経路を分析する方針です。

 2018年7月3日(火)

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