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■iPS細胞から大量の血小板の作製に成功 京都大iPS細胞研究所 [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、止血作用のある血液成分の「血小板」を大量に作製する方法を開発したと、京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之(こうじ )教授(血液学)らの研究チームが発表しました。慢性的に不足している輸血用血小板の製造につながると期待され
ます。
 論文は13日、アメリカの科学誌「セル」電子版に掲載されました。
 江藤教授らは4年前、人のiPS細胞から、血小板を生み出す「巨核球」という血液細胞を作ることに成功しましたが、1回の輸血に必要な1000億個以上の血小板を得ることはかないませんでした。
 研究チームは、血管が分岐し、血液が不規則な流れ(乱流)を起こす部位ほど、巨核球が多くの血小板を生み出すことを発見。乱流を再現する培養装置を開発しました。装置の中で2枚の円形の板を上下動させ、培養液に乱流を起こさせます。
 この装置で巨核球を培養した結果、約5日間で高品質な血小板を1000億個以上、作製できました。この血小板が正常に機能することも、マウスとウサギの動物実験で確かめました。
 江藤教授は、「今後は、いかに低価格で血小板を製造できるかが課題になる」と話しています。

 2018年7月14日(土)

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■「カレーを鍋のまま保存」する人が半数近く 食中毒への理解不足、調査で判明 [健康ダイジェスト]

 暑い季節は食中毒の発生が懸念されますが、東京都が行った実態調査で、回答者の半数近くがカレーを鍋のまま冷蔵や常温で保存するなど、食中毒対策への理解不足が明らかになりました。東京都は「日々の食事に食中毒の危険があることを認識してほしい」と注意を呼び掛けています。
 調査は年明けに、東京都内に住む20~79歳の男女を対象に実施し、週1回以上自宅で調理する1000人から回答を得ました。
 調査では、食中毒予防について6割強の人が生肉の水洗いや常温での解凍、解凍後でも再凍結すれば「効果がある」と答えましたが、東京都によるといずれも誤り。生の鶏肉はカンピロバクター菌が付着している場合、水洗いで菌を周囲に飛び散らせてしまう可能性があります。肉や魚を常温で解凍するケースでは、中心部の解凍を待つ間に表面の菌が増殖する恐れがあり、再凍結しても菌は死滅しないといいます。
 8割を超える人が酢や梅干し、わさびに殺菌効果があると考えていましたが、菌増殖を防ぐには食べ切れぬほどの量が必要。調理前の手洗いは基本なものの、実施しているのは女性8割、男性6割にとどまりました。
 気温の高い夏場は一晩寝かせたカレーも要注意。カレーやシチューなどとろみがあって冷めるのに時間がかかる料理は、腹痛や下痢を引き起こすウェルシュ菌が増殖しやすくなります。温度12~50度で増殖し、臭いなどの変化はなく、菌の一部は再加熱しても死滅しません。予防には底の浅い容器に小分けにして素早く粗熱をとり、冷蔵や冷凍で10度以下に急冷する必要があります。
 東京都健康安全研究センターの実験によりますと、調理したカレーに1グラム当たり1000個のウェルシュ菌が残っていると、室温のまま冷ました場合は、5時間後に100万個以上に菌が増えた一方、2時間で急速に温度を下げた場合は、5時間も菌は増殖しなかったということです。
 また、一晩寝かせたカレーを温め直す場合には、ウェルシュ菌が空気を嫌うため、電子レンジではなく、鍋でしっかり混ぜ、空気中の酸素を加えながら、むらがないように加熱することが大切だとしています。
 東京都民3000人から回答を得た昨年11月の予備調査では、普段の食事で気を使っていることについて、半数が「栄養バランス」と回答し、「食中毒予防」と答えた人は22%でした。食中毒の経験者は25%でした。
 東京都健康安全研究センターでは、「食中毒発生の危険が身近にあることを理解し、正しい知識を身に着けてほしい。実践することでリスクは回避できる」と呼び掛けています。

 2018年7月14日(土)

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