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■厚労省、医師限定の残業規制を導入へ 緩く設定し、救急救命や産科は上限見送りも [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は、医師に限定した残業規制を2024年度に導入する方針です。残業時間の上限を一般の労働者に2019年4月から順次適用される年720時間よりも緩く設定し、救急救命や産科など長時間の対応が必要な診療科にはさらに例外規定をつくります。
 一般労働者と同じ規制だと医師不足などで医療現場が混乱しかねないため、独自のルールが必要だと判断しました。
 医師の長時間労働は他産業に比べても深刻で、労働環境の改善が必要。しかし、一般労働者向けの残業上限規制をそのまま適用すると、現場の医師不足に拍車がかかるなど、医療の質が保てなくなる懸念がありました。
 正当な理由なく患者の診療を拒めない「応召義務」が医師法で定められるなど医師という職業の特殊性もあり、政府は残業規制の制度設計の過程で医師への適用を2024年度まで延期。残業抑制策の在り方を別途検討し、今年度中に結論を出すことにしていました。
 厚労省は医師の残業上限を一般労働者の年720時間よりも緩くする方向で、厚労省内では「最大でも年960時間」との意見があります。
 さらに、業務の性質上、長時間労働になりがちな救急救命や産科などで働く医師には例外規定を設け、規制を一段と緩める方向です。こうした診療科には、上限そのものの設定を見送る可能性があります。ただ、例外扱いになる場合でも、産業医との面談など健康確保措置を義務付け、労働時間の正確な把握など長時間労働を抑える仕組みを整えます。
 医師の働き方改革を進める観点から、「応召義務」は見直します。今は医師個人の義務と規定されているので、診療時間外の対応なども当然視される一因になっていました。厚労省は応召義務を「組織として果たすべき義務」に改め、複数の医師や看護師などが連携して対応するチーム医療を想定し、医師個人への負担を和らげます。
 一般労働者向けの枠組みでは努力義務となっている勤務間インターバル制度の導入も、積極的に促します。医療界の一部が要望している医師向けの裁量労働制などの仕組みの創設は、見送る方向です。

 2018年8月26日(日)

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