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■京大、iPS細胞から卵子のもとの作製に成功 世界初 [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から卵子のもとになる「卵原(らんげん)細胞」を作製することに、京都大学などの研究チームが世界で初めて成功しました。研究チームは、iPS細胞から人の卵子を作製する技術の確立に近付く成果だとしており、将来的に不妊症の原因の解明などに役立つとしています。
 京都大学大学院医学研究科の斎藤通紀(みちのり)教授(細胞生物学)らの研究チームは、学内の倫理委員会の承認を得て、人のiPS細胞から生殖細胞のもとなる「始原生殖細胞」を作製し、さらにマウスの胎児から取り出した卵巣の細胞と一緒に容器の中で約3カ月培養しました。
 すると、核が大きく、形が丸い細胞に変化し、形態や遺伝子の発現の特徴などから卵子のもとになる卵原細胞を作製することに初めて成功したということです。
 卵原細胞は「卵母(らんぼ)細胞」と呼ばれる段階を経て卵子になるとされており、研究チームはiPS細胞から人の卵子を作製する技術の確立に近付く成果だとしています。
 国の指針ではiPS細胞から作製した卵子を精子と受精させることは倫理的な問題があるとして禁止していますが、研究チームでは卵子ができる過程を明らかにすることで、将来的に不妊症の原因の解明などに役立つとしています。
 斎藤教授は、「さらに改良してマウスの細胞を使うことなく、人の卵子を作る技術を確立したい。不妊症の女性のiPS細胞から卵子を作ることができれば、詳しい原因を探る研究が可能になる」と話しています。

 2018年9月21日(金)

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■2017年度の医療費、過去最高42・2兆円 2年ぶりの増加 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は21日、2017年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の速報値「概算医療費」を発表しました。前年度より9500億円増え、42兆2316億円となり、過去最高を記録しました。
 国民1人当たりの医療費も、8000円増の33万3000円で過去最高となりました。いずれも2年ぶりの増加となります。
 概算医療費は、医療保険給付費と公費、患者の自己負担分の合計。労災や全額自己負担となる治療費は含みません。約1年後に確定値として公表する「国民医療費」の約98%に相当します。
 医療費の内訳は、「入院」が16兆9674億円で全体の40・2%を占めます。「入院外」は14兆4123億円で34・1%、医薬品の「調剤」が7兆7129億円で18・3%と続きました。
 医療費増加の主な要因は、75歳以上の後期高齢者の医療費が伸びたこと。75歳以上の医療費は前年度から6800億円増の16兆円で、全体の増加分の7割超を占めました。3年前と比較すると1兆5000億円増えており、国民1人当たりで比較しても75歳未満の22万1000円に対し、75歳以上は94万2000円と4倍以上の金額となります。
 厚労省の担当者は、「高齢化や医療の高度化を要因とした医療費の増加傾向は、しばらく続く」と分析しています。
 また、厚労省は21日、2016年度の確定値の国民医療費も公表。保険診療の対象となる治療費の推計で、健康診断や予防接種などの費用は含みません。
 2015年度から2263億円減り、42兆1381億円で、国民1人当たりでも1300円減の33万2000円でした。C型肝炎治療薬「ソバルディ」といった高額な医薬品の価格引き下げなどで、いずれも2006度以来10年ぶりの減少となりました。
 年齢別では、65歳以上が25兆1584億円で全体の59・7%を占めました。そのうち75歳以上が15兆3796億円で、2015年度から2167億円増加しました。

 2018年9月21日(金)

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■心不全の入院患者26万人、毎年1万人ペースで増加 急速な高齢化が影響 [健康ダイジェスト]

 心臓が血液を送り出す機能が低下する心臓病の1つ、心不全のために入院する患者が毎年約1万人ずつ増えていることが、国立循環器病研究センターなどの全国調査で明らかになりました。背景には急速に進む高齢化があるとみられています。
 大阪府吹田市の国立循環器病研究センターは日本循環器学会と共同で、循環器の専門医がいる全国1353の施設を調査しています。循環器の病気で入院する患者のほぼすべてが、調査対象に含まれるといいます。
 心不全はさまざまな原因により心臓の機能が低下して、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる病気で、国内では毎年7万人以上が死亡するとされています。
 19日に発表された調査結果によると、2012年に約21万人だった心不全の入院患者の数は毎年、1万人のぺースで増え続け、2016年には26万157人と5年間で約5万人増えていました。
 さらに、このうちの約10万8000人を調べたところ、男性患者の平均年齢は75歳だったのに対して、女性患者は81歳で、高齢の女性では高血圧が原因の心不全が多かったということです。
 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センターの宮本恵宏センター長は、「急性心筋梗塞の治療態勢が進歩し、命を落とす患者が減ったが、心臓に後遺症を抱えて暮らす人が増えていることが心不全の1万人増加につながっている」と分析しています。高血圧などが増え、40歳代などの比較的若年で心筋梗塞を起こす人が増えていることも要因といいます。
 調査によると、2016年の急性心筋梗塞での入院は7万3421人でした。
 国立循環器病研究センターの安田聡副院長は、「心不全の中には、十分に治療法が確立されていないものもあり、死亡率も増えている。予防に力を入れるとともに、病院同士が連携して専門的な治療を提供できる体制作りが不可欠だ」と話しています。
 心不全は、心臓の力が弱まってしまい、全身に十分な血液を送り出すことができなくなる状態。心筋梗塞や不整脈といったさまざまな心臓の病気や、高血圧などで引き起こされるとされています。心不全になると軽い運動をしたりするだけで息切れをするようになり、悪化すると安静にしていても息苦しくなることもあります。

 2018年9月21日(金)

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