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■厚労省、上手な医療のかかり方の議論スタート コンビニ受診の見直しで医師の長時間労働是正 [健康ダイジェスト]

 軽い症状で救急車を使うなど患者による不適切な医療のかかり方を見直そうと、厚生労働省が患者の在り方について議論する初めての有識者会議を立ち上げました。
 これは長時間労働が常態化している医師の働き方改革に関連して行われる議論で、厚生労働省は5日、医療関係者や大学教授などをメンバーとする有識者会議を立ち上げました。
 有識者会議では、軽い症状にもかかわらず救急車を使ったり、休日や夜間に安易に病院にかかる「コンビニ受診」をしたりするなど、患者の不適切な医療のかかり方が医師の長時間労働を助長しているとして、上手な医療のかかり方が議論されました。
 メンバーからは、「インターネット上には真偽を問わず医療の情報があふれているため、病院に行くべきか迷っている人はどうしたらよいかわからず、医師を頼ってしまう」といった意見が上がりました。その上で、「さまざまな病気についての正確な情報を見やすく一元的に掲載した国の公式なサイトがあれば、患者の行動は変わるのではないか」という意見も出されました。
 厚労省は、対策を進めなければ患者にとっても、診察の待ち時間が長くなったり医師の疲労による医療事故が起きたりして、適切な医療が受けられなくなる恐れがあるとしています。
 厚労省が患者の在り方について有識者会議を立ち上げて議論するのは初めてで、年内に議論の結果をとりまとめることにしています。
 会議終了後、メンバーの1人で企業に働き方の見直しを提案する「ワーク・ライフバランス」の小室淑恵社長は、「長時間労働の影響で自殺について考える医師がいるという衝撃的なデータまであり、早急に対策を考えないといけないと感じた。働き方改革はこれまで取り組んだことのない分野で、始めようとすると拒否反応が強いことがあるが、患者にとっても医師にとってもよい方法は必ずあると思う」と話していました。
 同じく会議のメンバーでアーティストのデーモン閣下は、記者団に「(医師の働き過ぎの要因に)軽症で時間外に来る患者の診療があまりに多い。それを知ってもらいたい」と述べ、医師の労働環境改善のための受診の在り方の見直しに理解を示しました。
 医師法には「正当な理由なく患者を断ってはならない」との「応招義務」の規定があり、患者がいれば診なければならず長時間労働になりやすい面があります。医師の働き方の見直しには、不要不急の受診を減らすことがカギになります。
 ただし、患者が「不要不急」を判断するのは難しく、特に子供の場合、親は不安。会議では、「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」(東京都杉並区)の阿真(あま)京子代表が、「親の不安を解消しなければ、結果的に軽症の受診が減ったとしても、ただ我慢を強いているだけだ」と発言。患者が必要な医療を受けなくなり、健康に影響を与えかねないとの懸念を示しました。

 2018年10月6日(土)

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■加熱式たばこが中高生の間に広がる 高3男子の4%に使用経験 [健康ダイジェスト]

 火を使わず、電子デバイスで専用たばこを加熱してその蒸気を吸引する「加熱式たばこ」が中高生の間に広がりつつあることが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。紙巻きたばこの使用が近年大きく減少する一方、加熱式たばこが新たな喫煙習慣につながりかねないと専門家は指摘しています。
 研究班は2017年12月~2018年2月、無作為に抽出した中学と高校の計184校に調査票を配り、103校の約6万4000人から有効回答を得ました。
 調査によると、加熱式たばこを吸った経験があると答えたのは、高校男子2・9%、高校女子1・4%、中学生1・1%。最も高い高3男子では4%でした。
 香料などの液体を加熱して蒸気を吸う「電子たばこ」の使用経験も、高校男子で4・9%、高校女子2・1%、中学生で2・1%ありました。
 一方、紙巻きたばこを経験した中高生の比率は近年大幅に低下しており、高校男子で2008年度25%、2012年度15・1%だったのに対し、今回は6・9%でした。
 研究班の代表である尾崎米厚・鳥取大学教授は、「加熱式たばこは葉たばこを原料とするれっきとしたたばこ製品なのに、中高生は健康に害がないと勘違いしている可能性がある。加熱式たばこなどが、中高生の喫煙率の低下に水を差しかねない」と話しています。
 日本のたばこ市場は紙巻きたばこが、折からの受動喫煙対策や嫌煙ムードの高まりによって縮小する一方、煙が少なく紙巻きたばこに比べて受動喫煙による有害性が低いとのデータも示されている加熱式たばこは、「周囲に迷惑をかけずに吸える」と、紙巻きたばこから乗り換える喫煙者が急増して伸びています。
 日本たばこ協会(東京都港区)によると、2017年度の紙巻きたばこの販売本数は前年度比13・4%減の1455億本。5年前から約3割減りました。イギリスの調査会社のユーロモニターによると、加熱式たばこの国内の2017年の市場規模は前年比2・8倍の約53億ドル(約6000億円)に拡大。2022年には23%増える見通しです。

 2018年10月6日(土)

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■10分間の軽い運動で記憶能力が向上 筑波大が実験で確認 [健康ダイジェスト]

 筑波大学などの研究チームが、わずか10分程度の軽い運動をするだけで、人の脳の海馬が刺激され、記憶能力が向上することを実験で確かめました。アメリカの「科学アカデミー紀要」に論文が掲載されました。
 運動によって記憶をつかさどる海馬が刺激されて、活性化することはわかっていましたが、軽い運動を短時間するだけでも効果があることが明らかになりました。
 同大の征矢(そや)英昭ヒューマン・ハイ・パフォーマンス先端研究センター長らによると、学生ら20歳代の健康な男女36人に10分間自転車のペダルをこぐ極めて軽い運動をしてもらった後、食べ物や植物などが写った画像を600枚ほど見てもらい、同じものを判別するテストを実施。テスト中の脳をMRIで撮影し、記憶や学習機能を担う海馬の活動レベルを測定しました。
 正答率を運動した時と運動しなかった時で比べると、運動した直後が平均36・9%で、安静時の平均31・4%より5・5ポイント増加していました。同時に、海馬の「歯状回(しじょうかい)」と呼ばれる情報の入り口に当たり、画像の細かい違いなど似ているようで異なる記憶を区別する部位をMRIで測定したところ、目立って活発になり、頻繁に情報のやりとりをしていることが確かめられたといいます。
 運動が脳に好影響を与えるとする研究成果はこれまでもありましたが、ランニングなどのハードな運動を長期間続けた場合が多かったといいます。
 征矢さんは、「動物実験では軽い運動が記憶によいとわかっていたが、人でも証明できた。ヨガや太極拳などで軽い運動をするだけで十分な効果がありそうで、海馬の機能低下と関係しているとされる認知症やうつ病の新たな運動療法に発展させたい」と話しています。

 2018年10月6日(土)

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