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■梅毒患者が6000人台に達する見込み 流行国からの訪日客増加も影響か [健康ダイジェスト]

 性行為などで感染する梅毒の患者数が増え続け、今年の患者数が現行集計上で過去最多の6000人台に達する見込みであることが13日、明らかになりました。2012年以前は患者数が年間1000人を下回る状況が長く続くなど「過去の病気」とされていましたが、近年は急増。流行は「外国人観光客の増加などが影響を及ぼしている」との見方もあります。
 国立感染症研究所の集計によると、今年1月から11月4日までの累積患者数は5811人。現行の集計方式となった1999年以降最多で、44年ぶりに5000人台を記録した昨年の5820人(暫定値)を超すのが確実な情勢となりました。
 都道府県別の患者数では、東京都の1474人が最多で、大阪府997人、愛知県375人、神奈川県305人、福岡県256人、兵庫県218人の順で大都市中心となっていますが、広島県153人、岡山県141人など地方都市にも広がりをみせています。
 東京都新宿区で性感染症の診療に当たる「プライベートケアクリニック東京」院長の尾上(おのえ)泰彦医師は、梅毒患者の拡大理由は「疫学的調査が行われていないので不明」とした上で、「複数人と性行為する人の増加、梅毒流行国からの観光客の増加などが影響を及ぼしているとの見方もある」と指摘。世界保健機関(WHO)の2012年の統計によると、世界で約600万人が感染しており、特に東南アジアやアフリカ地域で多く、先進国でも増加傾向にあります。
 患者は男性が20~40歳代を中心に幅広い年代で報告があり、女性は20歳代前半の報告数が極端に多くなっています。
 梅毒はスピロヘータ (梅毒トレポネーマ) という細菌が原因で起きる感染症で、3週間程度で感染した部分にしこりができるなどし、その後、手足など全身に発疹が出ます。症状は、治まったり再発したりを繰り返します。抗菌薬で早期に治療すれば完治するものの、放置すると脳や心臓に大きな合併症を引き起こす恐れがあります。また、妊娠中に感染すると、流産したり、生まれてくる子が「先天梅毒」になったりすることがあります。 
 予防するには、コンドームを使用し、粘膜や皮膚が直接接触するのを避けます。それでも完全に防げるわけではなく、感染が疑われる場合、早めに医療機関を受診します。
 日本性感染症学会と厚生労働省研究班は梅毒の早期治療につなげるため、今年6月、梅毒が疑われる場合の症状や治療方法などをまとめた「梅毒診療ガイド」を作成。東京都も11月1日、梅毒などの性感染症に関するウェブサイト「東京都性感染症ナビ」を開設しました。性感染症の知識を解説しているほか、検査や相談の仕方を詳しく紹介しています。

 2018年11月14日(水)

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■iPS細胞選別、10分の1以下に時間短縮 大日本住友製薬が装置を開発 [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した神経細胞をパーキンソン病患者の脳内に移植して治療する研究を京都大学の研究チームと協力して進めている大日本住友製薬が、移植に適した神経細胞を高速で選別できる装置を開発したことが14日、明らかになりました。
 同社は、移植する神経細胞を保険適用の医薬品として製造販売できるよう目指しており、大量の細胞が必要になる治療の実用化に向け弾みがつきそうです。
 従来は1人のパーキンソン病患者の移植に必要な量の神経細胞を選び出す作業に10時間以上かかっていましたが、10分の1以下となる1時間以内に短縮できるといいます。
 パーキンソン病は、脳内で神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減り、手足の震えなどが起こる神経の病気。10月に京都大学医学部附属病院で行われた1例目の医師主導の臨床試験(治験)では、他人のiPS細胞から作製された神経細胞を、患者の脳に約240万個移植しました。
 大日本住友製薬では、治験の実績を踏まえ、保険適用対象の医薬品として、厚生労働省に製造販売の認可申請を行う方針で、今年3月には大阪府吹田市内にある研究所内に商業用生産施設「SMaRT(スマート)」を完成させました。京都大学iPS細胞研究所などから供給されるiPS細胞をこの施設に運び、細胞を増やしたり、網膜の細胞など目的の細胞に変化させたりして、治療に使える再生医療製品として出荷します。
 同社は、理化学研究所や京都大学、慶応大学などと連携し、加齢黄斑変性や網膜色素変性といった目の病気、パーキンソン病、脊髄損傷をiPS細胞を使って治療する医療製品の開発を進めています。再生医療を事業の次の柱の1つにしたい考えで、2030年にこの分野で2000億円の売上高を目指しています。

 2018年11月14日(水)

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■iPS細胞で脊髄損傷治療、慶応大が承認 来夏にも臨床研究へ [健康ダイジェスト]

 事故などで脊髄を損傷し体が動かせなくなった患者に、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した神経のもとになる細胞を移植し、体の機能の回復を目指す慶応大学の研究チームの臨床研究について、大学の委員会は大筋で了承しました。iPS細胞を脊髄損傷の患者に応用するのは世界でも初めてだということで、今後、国に申請するなど実施に向けた手続きが本格化します。
 脊髄損傷は、交通事故やスポーツの事故などで中枢神経である背骨の中の神経の太い束が傷付くことで手や足が動かなくなったり、感覚がまひしたりするもので、現在はリハビリなどが行われますが、有効な治療法は確立されていません。国内では、毎年約5000人が新たに脊髄損傷になり、患者数は10万人以上とされています。
 慶応大学の岡野栄之教授(生理学)と中村雅也教授(整形外科学)らの研究チームは、脊髄損傷の患者に人のiPS細胞から作製した神経のもとになる細胞、約200万個を移植する世界初の臨床研究を計画しています。
 移植された細胞が神経細胞に変化することにより、脳からの信号が伝わり、手や足が再び動かせるようになることを目指します。
 この臨床研究は昨年、大学の委員会に申請されて審査が続いていましたが、13日に開かれた委員会で大筋で認められたということです。
 大学の委員会では、来月にも正式に承認される見通しで、その後、国に申請して審査を受けるなど、実施に向けた手続きが本格化することになり、順調に進めば来夏にも臨床研究が始まります。
 臨床研究は、脊髄を損傷して2週間から4週間ほど経過した「亜急性期」といわれる段階の患者に対して行われます。京都大学で保管されている人のiPS細胞を使って神経のもとになる細胞を作製し、脊髄の損傷した部分に約200万個移植する計画です。そして、免疫抑制剤を使用して拒絶反応が起きないようにコントロールし、移植した細胞は神経細胞に変化することで脳からの信号が伝わるようになるということです。さらに、リハビリも取り入れることで、手足の運動機能などが回復することを目指します。
 研究チームではこれまで、脊髄を損傷したサルが歩けるように回復させる実験に成功したとしています。最初は最も効果が高いと期待されている亜急性期の患者を対象にしますが、効果が確認されれば将来的には脊髄損傷から何年も経過した慢性期の患者に対しても、効果が期待できないか検討することにしています。
 しかし、この臨床研究では、未熟な細胞を移植するため、細胞が腫瘍の原因となる恐れがあり、腫瘍ができるのをどのように抑えるかやMRIなどを使って腫瘍ができた場合に早く発見して対処することが適切にできるかなどの安全性の確認について慎重に行う必要があります。
 iPS細胞を使った再生医療は、神戸にある理化学研究所などの研究チームが重い目の病気の加齢黄斑変性の患者に実施しているほか、京都大学の研究チームが体が動かなくなる難病のパーキンソン病の患者にも行っています。  

 2018年11月14日(水)

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