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■AIが心電図判定、治療の要否を瞬時に見極め 慶大医学部が開発 [健康ダイジェスト]

 胸の痛みで救急外来を受診した患者の心電図から、急性心筋梗塞(こうそく)などでカテーテル治療が必要かどうかを見極める人工知能(AI)を開発したと、慶応大学医学部の佐野元昭准教授、後藤信一助教らが発表しました。論文が10日、アメリカの科学誌「プロスワン」電子版に掲載されました。
 後藤助教らは、過去10年間に慶応大学病院の救急外来を受診した約4万人の心電図のデータを基に、急性心筋梗塞や狭心症などカテーテル治療が必要な心電図の特徴をAIに学習させました。その結果、AIは、心電図だけで、経験を積んだ医師よりも高い80%以上の精度で治療の要否を判断できるようになったといいます。
 心臓に酸素や栄養を運ぶ血管が詰まったり、流れが悪くなる病気の中でも、完全に詰まる急性心筋梗塞は、心筋の壊死(えし)が急速に進み、死に至ることもあります。血管を広げるカテーテル治療によって、できるだけ早く血流を復活させることが重要ながら、手足などの動脈から心臓近くまで細い管を挿入するカテーテル検査は血管を傷付けるリスクなどを伴うため、専門医が心電図のほかに血液検査や超音波検査などの結果を総合的に診断した上で行ってきました。
 データに基づく次世代の個別化医療を研究している高木周・東京大学教授(生体力学)は、「将来は自覚症状が出る前の段階で兆候を発見できるようになる可能性がある」と評価しています。

 2019年1月12日(土)

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■昨年の梅毒患者、6923人に上る 出会い系アプリの利用も一因 [健康ダイジェスト]

 国立感染症研究所は11日、性行為などを通じて感染する梅毒の2018年患者数が速報値で6923人だったと発表しました。前年より約1100人増え、48年ぶりに6000人を超えました。
 感染が広がっている原因として、スマートフォンの「出会い系アプリ」や「マッチングアプリ」の利用があるとの見方も出ています。
 梅毒は、性的な接触でスピロヘータ (梅毒トレポネーマ)という細菌がうつる感染症。1948年からの報告制度では年間1万人以上の年もあったものの、近年はペニシリンなどの抗生物質の普及で患者数が年間数百人まで減り、「過去の病気」とされていました。それが2011年からは8年連続で増加を続けています。感染すると発疹のような症状が現れ、病気が進むと脳や神経に障害が出ます。特に注意が必要なのが妊婦で、胎内で感染した子供に失明など重い症状が出ることがあります。
 急増しているのが20歳代女性で、3年間で約10倍になりました。2018年1~9月の患者統計によると、20歳代女性は893人で全体(5081人)の2割近く、女性患者(1730人)の5割を占めました。男性は20~40歳代の幅広い年代に広がっています。地域別では、東京都(1284人)や大阪府(874人)など大都市部で目立っています。
 主な感染経路として、性風俗産業の利用者と従業員の接触があります。東京都の新宿区保健所が区内の医療機関を受診した患者を調べたところ、異性間性的接触による感染のうち、男女とも約半数は性風俗産業を半年以内に利用したか、関連の仕事に従事していた人でした。
 さらに、出会い系アプリやマッチングアプリ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用を指摘する専門家もいます。出会い系アプリなどは簡単な操作を売りにして2012年ごろから普及し、売買春の温床にもなっているとされます。保健所の相談窓口でもここ数年、これらの利用を明かす相談者が出てきました。
 帝京大学ちば総合医療センター産婦人科の鈴木陽介医師らは、東京都、大阪府、岡山県など人口当たりの梅毒患者が多い都道府県は、ある3つの出会い系アプリの利用率も高い傾向があるとの調査結果をまとめ、昨年秋の日本性感染症学会で発表しました。鈴木医師は、「アプリ利用による男女の接触が新たな感染経路になっている可能性があり、詳細な調査と対策を急ぐべきだ」と指摘しています。
 厚生労働省は今月から、医療機関による患者発生の届け出内容について、「性風俗への従事歴や利用歴の有無」を加えるなどして感染経路を詳しく分析する方針です。

 2019年1月12日(土)

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☐用語 アミロイドニューロパチー [用語(あ行)]

[病院]異常な蛋白が末梢神経に沈着することで生じる神経障害
 アミロイドニューロパチーとは、ナイロンに似たアミロイド線維蛋白(たんぱく)と呼ばれる異常な蛋白が末梢(まっしょう)神経に沈着することで引き起こされる神経障害。アミロイド神経炎、アミロイド神経障害とも呼ばれます。
 多発性骨髄腫(しゅ)や慢性関節リウマチ、透析に関連して後天的に発生するものがある一方、家族性アミロイドポリニューロパチーという遺伝的なものを要因として発症するものもあります。
 アミロイド線維蛋白が体の各種臓器に沈着することで引き起こされる病気のことをアミロイドーシスといいます。アミロイド線維蛋白は心臓、肝臓、腎(じん)臓、脳、消化管など体の特定臓器に限局して沈着することもあれば、心臓や肝臓、腎臓など複数の臓器に渡って沈着することもあります。前者を限局性アミロイドーシス、後者を全身性アミロイドーシスといい、アミロイド線維蛋白が末梢神経に沈着し神経障害が引き起こされるのがアミロイドニューロパチーに相当し、全身性アミロイドーシスの一種です。
 アミロイド線維蛋白が産生される原因はさまざまであり、それに応じてアミロイド線維蛋白の構成成分も多彩です。血液がんである多発性骨髄腫に関連してアミロイドニューロパチーが発症することもあれば、慢性関節リウマチや、腎不全による長期透析などを原因としてアミロイドニューロパチーが引き起こされることもあります。
 こうしたアミロイドニューロパチーは後天的なものですが、遺伝性疾患として起こる場合もあります。特に頻度が高いのは、家族性アミロイドポリニューロパチーと呼ばれるものです。家族性アミロイドポリニューロパチーの中でもトランスサイレチンと呼ばれる蛋白質の構造が不安定になることを原因として発症するものが多く、遺伝子レベルに異常が存在しています。不安定なトランスサイレチンは、アミロイド線維蛋白を形成しやすく、これが全身の末梢神経に沈着することで病気の発症に至ります。
 家族性アミロイドポリニューロパチーは常染色体優性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとる疾患であり、疾患を抱える人が子供をもうけた場合、理論的には50%の確率で子供も疾患を有します。
 アミロイドニューロパチーでは、感覚神経や自律神経、運動神経といった末梢神経に関連した症状がみられます。具体的には、手足のしびれや痛み、動悸(どうき)やめまい、下痢と便秘、吐き気や腹痛などがあります。温度覚や痛覚が鈍麻したり、消失したりすることもあり、ストーブなどで容易にやけどをしてしまうこともあります。
 また、四肢末端から筋力低下や筋委縮が始まり、手足がうまく動かなくなったり、まひにつながったりすることもあります。そのほか、排尿障害や勃起不全(インポテンツ)などもみられる症状です。心臓の動きをつかさどる自律神経にも異常が生じ、不整脈が出現することもあります。
 アミロイドニューロパチーの原因疾患はさまざまであり、症状の出方や進行度も異なります。中には発症から10年ほどの経過で進行し、寝たきりとなり亡くなるケースもあります。
[病院]アミロイドニューロパチーの検査と診断と治療
 内科、神経内科の医師による診断は、アミロイド線維蛋白の沈着が想定される末梢神経、筋、直腸などの組織の一部を採取し、それを顕微鏡で観察することで、異常構造物の沈着を証明します。神経を実際に採取するのが難しい場合は、体に有害となる可能性の低い皮下組織の採取などが選択されます。
 神経障害の程度を調べるために、心電図や神経伝達検査、レーザードップラー皮膚血流検査なども行われます。臓器障害は神経にとどまることばかりではないため、心機能を評価するための心臓エコーや心臓MRI(磁気共鳴画像撮影)検査、腎機能評価を評価するための血液検査や尿検査なども適宜検討されます。
 原因疾患を同定するための検査もなされます。具体的には、多発性骨髄腫であれば異常な蛋白質・異常細胞検出のための血液検査や尿検査、骨髄検査などが行われます。また、家族性アミロイドポリニューロパチーでは、原因となる遺伝子異常を同定するための遺伝子検査が行われます。
 内科、神経内科の医師による治療は、それぞれの症状に対しての対症療法と根治的な治療法を併せて行います。対症療法としては、不整脈に対してのペースメーカー埋め込み手術、心不全に対しての内服薬(アンギオテンシン酵素阻害薬や利尿剤など)治療、神経痛に対しての内服薬(カルバマゼピンなど)治療などを行います。
 アミロイド線維蛋白の沈着の原因になっている疾患に対しては、特異的な治療方法も選択されます。多発性骨髄腫であれば化学療法が選択されますし、家族性アミロイドポリニューロパチーであれば不安定なトランスサイレチンを安定化させるための内服薬治療や、異常なトランスサイレチンの産生を抑制するための肝移植が適宜検討されます。
 アミロイドニューロパチーでは温度覚や痛覚が鈍くなるため、気付かないうちにやけどを起こすことがあります。湯たんぽの使用を避ける、風呂に入る前に設定温度を確認するなどの日常生活上の対策も大切です。
 また、家族性アミロイドポリニューロパチーは遺伝性疾患としての側面も有していますので、遺伝カウンセリングを受けることも大切です。全く症状がない状態での発症前遺伝子診断もあり、将来、発症する可能性があるかどうかわかります。

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■鉄剤注射、陸上に限らず全競技で注意喚起 医師会が文書通知へ [健康ダイジェスト]

 高校駅伝の一部強豪校で貧血治療用の鉄剤注射が不適切に使われていた問題で、日本医師会は全国の医師に向け、陸上選手に限らず各競技、全年代の選手に対し安易に使用しないよう文書で注意喚起する方針を決めました。近く日本医師会長名で、各都道府県医師会などに所属する約21万人の医師に伝達します。
 日本陸上競技連盟が昨年12月に表明した鉄剤注射の「治療名目でも原則禁止」の方針に、医師会が協力することになります。
 陸連は昨年12月27日、鉄剤注射の不適切使用の根絶には医療現場との連携が不可欠と判断し、日本医師会に協力を要請していました。
 陸連や医師会の複数関係者によると、文書では、鉄剤注射が高校生の一部選手に使われていた実態があり、陸連から根絶に向けて協力依頼を受けた経緯などを説明。「鉄分の過剰摂取につながることがあり、慢性の副作用を引き起こす恐れがある」などと指摘し、選手や指導者から依頼されても安易に使わないよう注意を促しています。
 医療現場の理解をより深めてもらうため、文書には陸連の注意事項も添付します。陸連は、重度の貧血治療でも「最初は経口鉄剤」とし、注射による治療を行う場合は血液検査をするよう求め、鉄剤注射の「過剰使用による副作用は重篤」などと注意喚起しています。
 鉄剤注射は、重篤な貧血に対する医療行為で認められている一方、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンを増やすため持久力が上がる効果もあるとして、女子の長距離選手を中心に2000年ごろから全国的に広まったとされます。
 陸連は2016年4月、肝機能障害などを引き起こす恐れがあるため、鉄分の取りすぎに注意するよう選手や指導者に警告。駅伝強豪校での不適切使用の実態が明らかになった昨年12月、鉄剤注射を原則禁止とする方針を表明し、根絶に乗り出しました。

 2019年1月12日(土)

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■子供の難病、6疾病を追加指定 夏ごろから医療費を助成 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省の専門委員会は10日、子供の難病として公的な医療費助成を受けられる「小児慢性特定疾病」として、非特異性多発性小腸潰瘍症など6疾病を新たに指定すると決めました。夏ごろから助成が始まる見込み。日本小児科学会などから指定の要望が出ていました。
 小児慢性特定疾病は生命にかかわる慢性の病気で、長期にわたり高額な医療費がかかることなどが指定の要件。現在は小児がんやダウン症、先天性風疹症候群など756疾病、約11万人が対象になっています。
 新たに指定されるのは、非特異性多発性小腸潰瘍症、MECP2重複症候群、武内・小崎症候群、脳動静脈奇形、海綿状血管腫(脳脊髄)、巨脳症―毛細血管奇形症候群。

 2019年1月12日(土)

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