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■インフルエンザの患者数、過去最多222万人に 全都道府県で警報レベル [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は1日、1月21~27日の1週間に報告されたインフルエンザの患者数が1医療機関当たり57・09人だったと発表しました。昨シーズンのピークだった54・33人を上回り、1999年の調査開始以来、最多。全都道府県で警報を出す基準(30人超)となりました。
 全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数は推計約222万6000人で前週を約10万人上回りました。流行拡大が続く中、厚労省は最大限の警戒を呼び掛けています。
 今シーズンの患者数を押し上げている大きな要因は、A型の2タイプのウイルスが同時流行していることです。2009年に新型インフルエンザとして世界的に流行したA型の1つ「H1N1型」と「A香港型」です。直近5週間でのウイルス検出状況では、この2ウイルスでほぼ全部を占めます。
 厚労省によると、通常の年は流行原因となるウイルスは1タイプのことが多く、累計患者数が過去最多だった昨シーズンはA型とB型の2つが同時に流行したことが感染拡大につながりました。
 今シーズンは高齢者が生活している介護施設などで集団感染して死亡する事例が相次ぐほか、子供の感染が多くなっています。休校や学年閉鎖、学級閉鎖となった保育所、幼稚園、小中高は前週の6343施設から8928施設と大幅に増えました。年齢別では、70歳代以上が約6割を占めたほか、1~9歳が約2割に上りました。 
 全国約5000の定点医療機関から報告された患者数を都道府県別にみると、最多は埼玉県(84・09人)で、新潟県(77・70人)、千葉県(73・00人)、宮城県(69・81人)、神奈川県(67・94人)と続きました。31都道府県では前週の報告数を上回った一方で、16府県で減少しました。今シーズンの累計は推計約764万1000人となりました。
 厚労省は流行の拡大が続いているとして、こまめな手洗いや、せきやくしゃみが出た場合のマスクの着用のほか、発熱など体調の異変を感じたらできるだけ外出せずに休養したり、医療機関を受診したりするよう呼び掛けています。根本匠厚生労働相は1日の閣議後記者会見で、「具合が悪い場合は早めの受診をお願いしたい」と話しました。
 今年のインフルエンザについて、専門家は、高い熱が出る傾向があると指摘していて、主に子供で、40度程度の熱が出てけいれんや意味不明な言動などの症状が継続的に見られる場合や、41度以上の激しい高熱が出た場合はインフルエンザ脳症などが疑われることがあるので、迷わず、すぐにす医療機関を受診してほしいと呼び掛けています。

 2019年2月1日(金)

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☐用語 アキレス腱付着部炎 [用語(あ行)]

[足]踵の骨の後上面のアキレス腱付着部に痛みが生じる疾患
 アキレス腱(けん)付着部炎とは、アキレス腱と踵(かかと)の骨が付着している部位の周辺に痛みが現れる疾患。アキレス腱付着部症とも呼ばれます。
 アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋(かたいさんとうきん)とヒラメ筋の腱部分で、踵の骨である踵骨(しょうこつ)の後上面に付着しており、足首を足底側に曲げる働きを担っています。
 アキレス腱付着部炎を発症すると、足首を上向きに曲げた際に特に強い痛みが生じます。進行すると、安静時にも痛みが続くようになります。また、踵の部分が深い靴を履くと、症状が悪化する場合があります。痛みを生じている部位がはれることもあります。
 アキレス腱と踵骨が付着している部位には強い牽引(けんいん)力が慢性的に加わり、その少し上ではアキレス腱と骨が接しているため、互いに圧迫力を受けています。これらの力が繰り返し加わることで、アキレス腱付着部に炎症が起きて変性が生じ、痛みを起こします。病状の進行に伴って、肉芽形成、石灰化、骨化などの組織の変化が現れ、アキレス腱付着部に突き出た棘(とげ)状の骨が認められるようになったりします。
 発症の切っ掛けは、踵骨や足の形の異常、仕事やスポーツなどによるアキレス腱の使いすぎ、ふくらはぎの筋肉の柔軟性低下、足に合っていない不適切な靴の利用などです。
 階段を上り下りした時や走った時に踵に痛みが出る、あるいはアキレス腱付着部付近を押さえたり、つまんだ時に痛みが感じられる、歩行時に靴の踵の後ろを支える部分(ヒールカウンター)の上端より低い位置の踵後方に痛みが出るという人は、アキレス腱付着部炎を疑い、早目に整形外科、形成外科、ないし足の外科を受診することが勧められます。
[足]アキレス腱付着部炎の検査と診断と治療
 整形外科、形成外科、足の外科の医師による診断では、アキレス腱付着部を押さえた時の圧痛またはつまんだ時の把持痛が認められ、階段の上り下りや歩行、走行などでアキレス腱付着部に痛みが出ることが認められた場合で、踵骨の骨折やアキレス腱断裂が除外された場合に、アキレス腱付着部炎と判断します。
 触診中に足関節を手で背屈させると、通常痛みは増悪します。X線(レントゲン)検査を行うと、アキレス腱付着部に突き出た棘状の骨がX線像に認められることもあります。
 再発するアキレス腱付着部炎がある場合は、脊椎(せきつい)関節症によって引き起こされることがあるので、病歴を問診し、検査を行います。
 整形外科、形成外科、足の外科の医師による治療では、症状の段階に応じて保存的治療、薬物療法、手術療法を行います。
 保存的治療では、足の形に合った靴を履くようにしたり、足底挿板(中敷き)を靴の中に装着したりします。アキレス腱のストレッチも行います。
 薬物療法では、痛みを柔らげるために、非ステロイド系消炎鎮痛薬の外用剤や経口剤を用います。痛みが非常に強い場合には、ステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)の局所注射を行うこともありますが、アキレス腱の強度の低下や、アキレス腱断裂を招く恐れがあり注意が必要です。
 手術療法では、重症でアキレス腱付着部が石灰化、骨化した場合に、アキレス腱が変形した部分や、踵骨の出っ張りの一部を除去します。最近では、内視鏡による手術が行われます。

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■外国人患者の受け入れ拠点病院、382カ所整備へ 訪日客の急増に対応 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は観光などで来日する外国人の急増を受け、外国人患者に対応できる重症・軽症別の受け入れ拠点の医療機関を新年度中にも整備します。入院が必要な重症患者を受け入れる救急病院と、軽症患者を診る医療機関の2種類とし、少なくとも382カ所を設けます。通訳の配置などの財政支援を国は進めます。
 重症対応の受け入れ拠点は都道府県ごと、軽症対応の受け入れ拠点は全国に335ある医療提供の地域単位・2次医療圏ごとに1カ所以上とし、後者は診療所や歯科診療所でもよいとします。多言語対応が要件で、言語の種類や数は医療機関の状況に応じて選びます。医療通訳者の配置やテレビ電話通訳、翻訳機能のあるタブレット端末の利用など手段も問いません。
 受け入れ拠点は関係者が参加する協議会の意見を踏まえて、都道府県が決めます。厚労省は2月にも都道府県に通知を出して依頼する予定。今秋のラグビーワールドカップ日本大会や来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催地、京都など外国人旅行者の多い地域には、速やかな選定を求めます。
 ほとんどの医療機関では多言語に対応できていないため、厚労省は新年度、財政支援を手厚くする方針。タブレット端末の配備や医療コーディネーターの養成のほか、一部の受け入れ拠点には医療通訳者の配置も助成します。また、希少な言語に対応できる遠隔通訳も試みるといいます。
 救急病院などを対象とした厚労省の調査(回答数1710)によると、2015年度に外国人患者を受け入れた施設は外来で80%、入院で59%。900施設は日本語での意思疎通が難しい事例を経験していました。
 外国人旅行者は2018年に、初めて3000万人を突破しました。今年4月には、外国人労働者の受け入れを拡大する新たな在留資格が導入され、外国人患者はさらに増えるとみられています。こうした状況を受け、政府は昨年6月、受け入れ拠点を整備する方針を決め、厚労省の「訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会」で条件などを検討していました。

 2019年2月1日(金)

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