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■海溝の最深部の生物もプラスチック汚染 イギリスの大学が調査 [健康ダイジェスト]

 海溝の最深部に生息する動物の消化管内にプラスチック片が蓄積していることが、27日発表された最新の研究結果で明らかになりました。これは人為的な汚染が、地球の奥深くまで達していることを示しています。
 プラスチックの年間生産量は3億トン以上に上っており、少なくとも5兆個のプラスチック片が海洋を漂っています。
 深海探査は多大な費用と時間を要するため、プラスチック汚染に関するこれまでの研究の大半は、表層部付近を対象としていました。そうした過去の研究では、魚、カメ、クジラ、海鳥などに広くプラスチック汚染が及んでいることが示されていました。
 イギリスのチームが行った今回の研究では、世界最深級の海溝6カ所に生息する複数の小型のエビが、プラスチック片を摂取していたことがわかりました。地球で最も深い海底凹地であるフィリピン東部のマリアナ海溝では、調査を行ったすべての動物の消化管内からプラスチック繊維が発見されました。
 イギリスのニューカッスル大学自然環境科学部のアラン・ジェイミーソン氏は、「何か見付かるかもしれないと半信半疑だったが、結果はすごいものだった」と話しています。
 ジェイミーソン氏と研究チームは通常、深海域に生息する新種生物の探索を主に行っていますが、過去10年間の探索の過程で、水深6000~1万1000メートルの深海に生息する小型エビの標本が多数蓄積されたことが切っ掛けとなり、深海部でのプラスチックの蓄積を調べることにしました。
 エビの標本90個体を解剖したところ、うち65個体(全体の約72%)に1個以上のプラスチック微小粒子が含まれていました。
 イギリスの国王立協会のオンライン科学誌「ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス」に掲載された論文によると、これらのプラスチック微小粒子を摂取したのは深海部より水深が浅い場所にいた時だったものの、死んで沈んだため深海部で発見されたのかどうかは不明だといいます。
 ジェイミーソン氏は「海中に今あるものはすべて最終的に沈んでいく。ひとたび深海に達したら、それを取り戻すための仕組みはどこにあるのだろうか」と問い掛け、「我々は自分たちのあらゆるごみを、最も解明が進んでいない場所に積み上げ続けている」と話しています。

 2019年2月28日(木)

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■塩野義製薬と長崎大、マラリア撲滅目指し共同研究 2023年にも新薬候補  [健康ダイジェスト]

 塩野義製薬と長崎大学は28日、マラリアの撲滅を目指し、予防ワクチンや治療薬などの研究開発を共同で行う包括的連携協定を結びました。感染症治療薬に強みを持つ塩野義と、熱帯医学研究に半世紀以上取り組んできた長崎大の知見により、日本発のマラリア新薬の創製を目指します。また、ほかの国内外の研究機関や製薬企業との協業も進める考えです。
 長崎大は4月に、熱帯医学研究所内に「シオノギグローバル感染症連携部門」を設立予定。連携協定の第1期5年間のうちに、マラリア患者がいる東南アジアで臨床試験(治験)も始めたいとしています。マラリア予防ワクチンはまだ実用化された例がないものの、長崎大の北潔教授は「(塩野義と)双方の強みを生かしてマラリア撲滅に取り組む」と話しています。
 また、塩野義の手代木功社長は、同社と長崎大を中心に、日本でマラリア研究を進める研究機関や創薬技術を持った企業と協業するオープンイノベーションの取り組みを進める構想も明らかにしました。
 マラリアはエイズウイルス(HIV)、結核と並ぶ世界3大感染症の一つ。媒介する蚊によって罹患(りかん)しやすく、命を落とす危険もあります。亜熱帯、熱帯地域に流行しますが、近年は地球温暖化の影響で流行地域の北限が上昇しているとの指摘もあります。また、主な流行地域のアフリカには近年、ビジネスや人道援助などを目的にした渡航者も増加しており、マラリアは世界の健康課題の一つになっています。
 世界保健機関(WHO)によると、2017年にはアフリカを中心に推定2億1900万人がマラリアに感染し、43万5000人が死亡、その6割が5歳未満の子供とみられます。WHOは2030年までに全世界の発症件数と致死率を2015年の90%以下に抑えることなどを目指しています。ただ、現在の治療薬には耐性や副作用が指摘されているほか、マラリアは一度感染しても十分な免疫が獲得されず、何度も感染することなどから予防ワクチンの開発が難しい状態です。
 世界の研究機関や製薬企業はマラリア撲滅に向けての研究開発を競っています。イギリスの製薬大手グラクソ・スミスクラインは数十年以上にわたってマラリア予防ワクチンの研究開発を継続。WHOは2019年からアフリカのガーナ、ケニア、マラウイで試験投与を開始します。
 創薬研究が活発な日本も、マラリア撲滅に向けた動きは活発。大阪大微生物病研究所と製薬ベンチャー「ノーベルファーマ」がアフリカで臨床試験(治験)を進めているほか、製薬会社や厚生労働省などでつくる官民ファンド「グローバルヘルス技術振興基金(GHITファンド)」は、武田薬品工業やエーザイなどが取り組む抗マラリア薬やワクチンの開発に計50億円を投資しています。
 こうした動きが続く中、塩野義と長崎大はマラリア新薬の実現に向けて新しい取り組みを開始します。塩野義の手代木社長は、「日本発のイノベーションでマラリア撲滅に寄与したい」と意気込んでいます。実現すれば、日本の創薬力を改めて世界に示す絶好の機会にもなります。

 2019年2月28日(木)

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■東京オリンピック・パラリンピック、全面禁煙に 会場敷地内、加熱式たばこ含め [健康ダイジェスト]

 2020年東京オリンピック・パラリンピック大会組織員会は28日、加熱式たばこを含め、大会期間中は競技会場の敷地内を全面禁煙にすると発表しました。選手や関係者、観客、大会スタッフ、ボランティアなど来場するすべての人が対象となります。
 組織委によると、夏季オリンピックでは近年、会場の屋内禁煙が進んできましたが、屋外も含めた敷地内の全面禁煙は初めてとみられます。  
 国際オリンピック委員会(IOC)は「たばこのないオリンピック」の推進を掲げています。IOCが1988年に禁煙方針を作成して以降、大会中は屋外の指定エリアを除いて禁煙が定着。2018年平昌冬季オリンピックは屋外も含めて禁煙が実施されました。
 ただ、平昌オリンピックでは敷地内にスタッフ用の喫煙所を設置。会場周辺でも、たばこの吸い殻のポイ捨てが問題となる例もあったといいます。東京大会ではより厳しい禁煙を実現するため、スタッフらに周知徹底し観客にも理解を求めていく考えです。
 2018年には、受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が成立。事務所や飲食店など多くの人が集まる施設を原則として屋内禁煙とし、加熱式たばこも規制対象に含めました。東京都でも受動喫煙防止条例が成立し、オリンピック前の2020年4月に全面施行されます。
 組織委は国内でのこうした禁煙意識の高まりも踏まえ、加熱式たばこも含めた敷地内の全面禁煙を決定。東京大会を通じ、健康的なライフスタイルの推進を目指します。
 山下聡大会運営局長は、「(IOCから)何人たりとも会場内、敷地内は禁煙にするよう話があった」と説明し、観客のいない選手村などには、動線から離れた場所に例外的に喫煙所を設置するといいます。
 会場の敷地外は原則として、自治体の条例に基づいて対応します。山下局長は、「周知徹底を図るとともに(敷地外に)既存の喫煙所がある場合はご案内するなど、きめ細かく対応したい」と話しています。

 2019年2月28日(木)

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■島根大ががんゲノム医療で不適切登録 外部の検査会社に個人情報も提供 [健康ダイジェスト]

 島根大学医学部付属病院(島根県出雲市)が、がん患者の遺伝子を調べて治療する「がんゲノム医療」で、規定に反して患者6人から同意文書を取らずに検査対象となる登録をしていたことが28日、わかりました。また、患者の個人情報を不適切に検査会社に伝えていたことも判明しました。
 島根大病院は、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)が進めるがんゲノムの先進医療に協力医療機関として参加。中央病院の電子システムに患者の症例の登録が可能になったばかりの昨年11月1日の午前4時台に6人の症例を登録しました。
 中央病院は「時間的に文書で同意を得たとは考えにくい」とみて、島根大病院に確認。手順に不備があったと判断して厚生労働省に報告し、昨年12月に島根大病院を監査しました。
 症例の登録については、中央病院が患者による文書での同意が必要と規定しており、島根大病院は「検査を希望する患者のため、登録を急いだ。口頭で同意を得ていた」としています。
 また、島根大病院は患者5人のがん組織の検査に当たり、提供しないよう規定されている患者の氏名や生年月日などの個人情報を含む病理報告書を添付して、外部の検査会社に送っていました。
 井川幹夫・島根大病院長は、「同意書取得の手順と個人情報漏えいで不適切な事態を発生させ、心からおわびします。病院全体で研修を行い、再発防止に努めます」と陳謝しました。
 島根大病院では昨年11月、殺人事件の被害者の電子カルテを一部の職員が業務以外の目的で閲覧していたことが明らかになっています。

 2019年2月28日(木)

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■はしか感染防止に「患者1人でも原則公表」 全国最多の大阪府が方針 [健康ダイジェスト]

 全国的にはしか(麻疹=ましん)の患者が増える中、大阪府は感染拡大を防ぐためにより広く注意喚起する必要があるとして、患者が1人でも出た場合は原則公表する方針を固めました。
 はしかは、発熱や全身に発疹が出るウイルス性の感染症で、感染力が極めて強く、重症になる場合があるほか、妊婦が感染すると流産や早産の恐れもあります。
 大阪府では、今年に入って2月17日までの患者が昨年1年間の患者数15人の5倍を超える81人となるなど、全国で最も多くなっています。
 大阪府では感染拡大を防ぐために、より広く注意喚起する必要があるとして、患者が出た際の新たな公表基準を設ける方針を固めました。
 具体的には、これまで「10人以上の集団感染があった場合」などとなっていた公表基準を改め、患者が1人であっても感染拡大の防止につながる場合は原則、公表していくということです。
 はしかの公表基準については現在、大阪府内でも独自に保健所を設置している政令指定都市や中核市などで異なっています。
 このため大阪府は患者が1人であっても原則公表する方針を、今後大阪府内の統一した基準にできるよう関係する自治体と協議を進めています。

 2019年2月28日(木)

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■産科医は新潟県、小児科医は茨城県が最も不足 厚労省公表 [健康ダイジェスト]

 医師が都市に集中し、地方で不足する「偏在」の解消を目指している厚生労働省は27日、産科医と小児科医の都道府県別の充足度について、両科とも最大2・2倍の開きがあったとの推計結果を明らかにしました。
 単純な人口比の医師数ではなく、医師の性別や年齢、患者の需要などの影響も加えた指標で示しました。値が大きいほうが充足度が高くなります。
 産科で1位は東京都(18・4)で、秋田県(15・8)、和歌山県(14・3)と続きました。最下位は新潟県(8・2)で、熊本県(8・6)、福島県(8・8)の順でした。
 小児科では1位が鳥取県(173・8)で、東京都(142・4)、京都府(140・6)が続きました。最下位は茨城県(78・3)で、埼玉県(79・0)、鹿児島県(82・7)の順でした。
 医師全体の偏在指標でみると、1位は東京都で、最下位の岩手県とは1・9倍の開きがありました。値はいずれも暫定値としています。
 厚労省は、この日開かれた有識者検討会に産科、小児科の推計結果を示すとともに、医師の偏在解消策などを盛り込んだ中間取りまとめ案について大筋で了承を得ました。産科、小児科については、下位3分の1に当たる16県では十分な医療提供体制を確保できるよう、医療機関の集約化などの施策を重点的に進めるとしています。

 2019年2月28日(木)

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☐用語 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 [用語(あ行)]

[位置情報]大気中に浮遊する真菌の一種に対してアレルギーを起こすことから発症
 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症とは、アスペルギルスという大気中に浮遊する真菌(かび)に対してアレルギーを起こすことから発症する疾患。気管支喘息(ぜんそく)を基礎疾患に持つ人において発症することが多い疾患で、慢性的な咳(せき)や喘鳴、息苦しさなどの症状が生じます。
 アスペルギルスは糸状真菌の一種で、多くは自然界に広く分布し、200以上の種類が知られています。堆肥(たいひ)、断熱材、エアコンまたはヒーターの吹き出し口、手術病棟および病室、病院の備品、浮遊粉塵(ふんじん)などに高頻度に分布していますが、人に疾患を起こすのは、アスペルギルス・フミガータス、アスペルギルス・フレーバス、アスペルギルス・ナイジャーなど数種類に限られています。
 この環境中に広く生息するアスペルギルスは、特殊な状況を除き、人に対して大きな健康被害をもたらすことはありません。しかし、アスペルギルス・フミガータスなどに対してアレルギー反応を起こす人がおり、このことを原因として発症する疾患がアレルギー性気管支肺アスペルギルス症になります。
 気管支喘息を基礎疾患に持つ人がアスペルギルス・フミガータスなどを吸い込むと、気管支と肺が過敏に反応して発症することが知られているほか、先天性疾患の一つである嚢胞(のうほう)性線維症と呼ばれる疾患を持つ人も発症するリスクが高いことが知られています。
 なお、アスペルギルスと関連した疾患としては、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症以外にも、慢性肺アスペルギルス症、侵襲性肺アスペルギルス症もあります。
 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症を発症すると、気管支喘息の際にみられるような慢性的な咳、呼吸のたびに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」などといった音を伴う喘鳴、息苦しさなどの症状が現れます。また、痰(たん)に血液が混じることもあります。気道系に関連した症状以外にも、発熱や食欲不振、頭痛、全身倦怠(けんたい)感、胸痛なども生じることがあります。
 病状が進行すると、肺の組織が徐々に破壊されて、肺線維症や気管支拡張症と呼ばれる不可逆的な病変を来すことがあります。
 呼吸器症状に気付いたら、呼吸器疾患専門医のいる病院を受診します。
[位置情報]アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の検査と診断と治療
 呼吸器科ないしアレルギー科の医師による診断では、喘息症状からアレルギー性気管支肺アスペルギルス症を疑い、血液検査、皮膚反応、胸部X線(レントゲン)検査、胸部CT(コンピュータ断層撮影)検査、喀痰(かくたん)検査などを行います。
 血液検査では、アスペルギルスに対してアレルギー反応を起こしていることを確認するために、アスペルギルスに対しての抗体が体内に存在していないか、アレルギーを思わせる好酸球やIgE抗体の増加がないかなどを確認します。アスペルギルスの抗原を直接皮膚に接種し、どのような反応を示すかを観察することもあります。ほとんどの場合、アスペルギルスに対する即時型皮膚反応が陽性です。
 胸部X線検査では、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の場合、異常な影の存在を画像にて指摘できます。また、異常な影は時間経過とともに移動することも特徴的です。症状が類似する気管支喘息では、このような変化が見られることはなく、両者の鑑別に有益です。胸部CT検査では、気管支の内側に痰が詰まったり、気管支が拡張した変化が画像にて認められることがあります。
 喀痰検査では、痰が黄色くドロッとした性状であるのが特徴的で、気管支喘息のみでは見られない性状を示します。
 呼吸器科、アレルギー科の医師による治療では、通常の気管支喘息の治療に加えて、アレルギー反応を抑えることを目的としたステロイド剤の内服治療を行います。
 治療が遅れたり不十分であったりすると、肺に線維化といわれる変化や気管支拡張を来たして元に戻らなくなることがあります。その場合、呼吸不全になり酸素療法や呼吸リハビリテーションが必要となることがあります。
 ステロイド剤の内服治療は長期間続ける必要がありますが、症状が改善したり、画像検査で認められる一過性、移動性もしくは固定性の影が改善すれば、徐々に減量していきます。ステロイド剤には多くの副作用があるため、副作用を予防するための治療薬も併用しながら、適正容量を決定して治療を行います。治療の効果が不十分な場合は、真菌の増殖を阻止する抗真菌剤を併用することもあります。

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