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■アレルギー予防、母乳に効果なし 厚労省が新指針 [健康ダイジェスト]

 赤ちゃんの授乳と離乳食に関する国の指針に、母乳によるアレルギー予防効果はないことが盛り込まれることが決まりました。2007年以来、12年ぶりとなる指針改定は、母乳への過度な期待が親たちを悩ませている現状を踏まえ、授乳の支援の見直しを呼び掛けています。
 8日、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会で、改定案が大筋で了承されました。改定案では、卵アレルギー予防のため、離乳食の初期から卵黄を与えることも盛り込まれました。2019年度から全国の産科施設や保健師らが指導の根拠にするほか、母子手帳にも反映されます。
 現行指針は、母乳が乳幼児期のアレルギー疾患予防に一定の効果があるとの研究結果を紹介していました。これに対し改定案は、最新の知見を基に「予防効果はない」と明記。粉ミルクや液体ミルクを選ぶ親の決定も尊重するべきだとし、「母親に安心感を与える支援が必要」としました。
 乳育児は世界保健機関(WHO)が推進し、国も後押ししています。2015年の厚労省調査で、生後3カ月では55%が母乳のみで育てています。だが、授乳の悩みは絶えず、厚労省研究班は昨年、科学的根拠に基づく再検討を要望。改定案には、粉ミルクを併用する混合栄養でも肥満リスクが上がらないことも記載されました。
 また、卵アレルギーを予防する離乳食に関する新たな見解も盛り込まれました。国立成育医療研究センターによる研究などを基に、これまでより早い離乳食の初期に当たる生後5~6カ月から、加熱した卵黄を試すことを推奨しています。
 現在の指針では、アレルギーの原因となる食べ物を与えることを避け、遅れる傾向があることも指摘されていました。卵を与える時期も生後7~8カ月ごろとしていました。
 さらに、母乳育児の場合、生後半年間まで鉄やビタミンDが不足しやすいとする研究成果があることを指摘。母親の食事で補給することも促しています。
 研究班の責任者で杏林大の楠田聡客員教授は、「母乳にメリットがあるのは間違いないが、過度に期待することはできない。混合栄養の親にはサポートが足りない現状があり、授乳不安が強く、より適切な支援が必要だ」と話しています。

 2019年3月10日(日)

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■人工透析中止、福生病院院長が容認 女性死亡「意思を複数回確認」 [健康ダイジェスト]

 東京都福生市の公立福生(ふっさ)病院の人工透析治療を巡る問題で、外科医(50歳)は2014年ごろ、治療中止という方針を松山健院長(当時・副院長)に提案し、松山院長が了承していました。その後、患者に対して治療をやめる選択肢の提示が始まり、昨年8月に亡くなった女性(当時44歳)以外にも30歳代と55歳の男性ら数人が治療をやめる選択肢を示され、少なくとも2人が死亡しました。
 了承した理由について松山院長は、「選択肢を患者に提示することが普通の医療だから」と話しています。
 死亡した女性を巡っては、外科医と腎臓内科医(55歳)が昨年8月、「透析を受けない権利を患者に認めるべきだ」とする考えに基づき、透析治療の継続と、「死に直結する」という説明とともに治療をやめる選択肢を女性に提示。女性は治療をやめる意思確認書に署名しましたが、「撤回しようかな」などと治療再開の意思を示して亡くなりました。
 松山院長は「いろいろな選択肢を(女性に)与え、本人が(透析治療の中止を)選んだ上で意思を複数回確認しており、適正な医療だ」と強調。約5年前から透析治療中止を容認していたため外科医らから特段の報告はなく、女性のケースを知ったのは亡くなった後だったといいます。
 福生病院は、日本透析医学会のガイドラインで設置が望ましいとされている倫理委員会を開きませんでした。松山院長は「普通の医療の一環だから」と説明。「(病院全体で)年間200~300人が亡くなる。毎回開くのは非現実的だ」と話しました。
 一方、福生病院では2013年4月~2017年3月、最初から透析治療をしない「非導入」の選択肢を終末期ではない患者計149人に示し、20人が死亡しました。末期的な容体に限定している学会のガイドラインから逸脱していますが、松山院長は「非導入の選択肢は必要で、そのほうが倫理的だ。(他の医療機関は)『非導入の選択肢はない』と表向きはいうかもしれないが、患者を診ていたら(非導入が)あり得ることは医療人の誰もが思っていることだ」と話しました。
 また、松山院長は終末期医療について「意識がなく、意思表示が全くできない患者がいる。胃ろうや人工呼吸器は生命的には永らえる。医療費もそれなりに発生するが、それを是とするかどうかだ」と指摘。「透析治療を含め、どういう状況下でも命を永らえることが倫理的に正しいのかを考える切っ掛けにしてほしい」と語りました。

 2019年3月10日(日)

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■膝関節の損傷軟骨、iPS細胞で再生 京大が臨床研究申請へ [健康ダイジェスト]

 京都大学iPS細胞研究所の妻木範行教授らは他人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から育てた軟骨組織をケガや運動などで軟骨が損傷した膝関節に移植して補う再生医療の臨床研究について、2019年中に学内の審査機関に申請する方針です。損傷部が小さい膝関節が対象ですが、将来は肘や足首などの軟骨損傷や高齢者に多い変形性膝関節症にも広げたい考えです。
 研究チームは臨床研究計画書を再生医療に関する学内審査機関に申請する予定。承認されれば国の審査に進みます。順調に進んだ場合、2020年中に1例目の移植実施を目指します。
 臨床研究がうまくいけば、旭化成が実用化を検討します。共同研究を通じて、軟骨組織の量産技術を確立します。2029年の実用化が目標。
 京大が備蓄するiPS細胞から直径2~3ミリメートルの球状の軟骨組織を育て、数平方センチメートルの患部に移植します。周囲の軟骨組織とくっ付いて機能することを期待します。移植した軟骨組織は血管がなく、患者の免疫細胞が軟骨細胞に触れることもないため、拒絶反応が起きにくくなります。
 膝関節の軟骨を損傷したブタを使う実験では、人のiPS細胞から作った軟骨組織を移植。約1カ月にわたり体重約30キログラムを支えることができました。
 関節軟骨は弾力性のある滑らかな組織で、関節をスムーズに動かす役割を果たします。軟骨は運動やケガなどで傷付くと修復が難しく、一部の軟骨が欠損すると日常生活で支障が出る場合もあります。
 従来の治療は、人工関節に置き換える手術や、患者から正常な軟骨の一部を切り取って培養して増やし、患部に移植する手法があります。ただ培養中に変質するという課題がありました。

 2019年3月10日(日)

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■116歳の女性、ギネス認定の世界最高齢に 甘い物が大好物 [健康ダイジェスト]

 福岡市東区に住む116歳の田中カ子(かね)さんが9日、「存命中の世界最高齢」のギネス世界記録に認定されました。ギネスワールドレコーズジャパン社から公式認定証を手渡されると、「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べ顔をほころばせました。
 田中さんは1903(明治36)年1月2日、旧和白村(現福岡市東区)生まれ。この日、田中さんは入所する老人ホーム内の会場に、手押し車を押しながら歩いて登場。甘い物が大好物で、ひ孫からチョコレートを渡されると、ぱくっと口に入れました。「いくつ食べたい?」との問いかけに「100個」と答え、市が用意したイチゴのケーキも元気にほおばりました。
 今までで一番楽しかった出来事を聞かれると、「今!」と力いっぱい答えました。
 家族らによると、19歳で結婚し、夫が営む米穀店を手伝いながら、実子4人と親戚の子ら4人を育てました。老人ホームでは、毎日3食を残さずに食べ、おやつのチョコレートや炭酸飲料が大好物。普段は施設内を手押し車を押しながら歩き回り、ほかの入居者とオセロ風ゲームを楽しんでいます。
 好奇心旺盛で勝ち気な性格。昨年7月に国内最高齢となった際には、「次は世界一」と意気込んでいたといいます。今は、「120歳を目指す」と家族に話しているといいます。
 男性の世界最高齢は、ギネス認定されていた北海道足寄(あしょろ)町の野中正造さんが今年1月に113歳で亡くなっており、ギネス社が調査中。

 2019年3月10日(日)

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■TDK、磁気センサーで心臓の動きを可視化 測定コスト5分の1に [健康ダイジェスト]

 TDKと東京医科歯科大学は、心臓の動きをリアルタイムに可視化できる磁気センサーを開発しました。心臓が動く時の磁場を読み取り、異常の有無を非接触で調べます。
 4月から不整脈や狭心症といった心疾患を持つ数百人の患者を対象に半年から1年かけて臨床試験し、実用化を目指します。従来の測定機と比べて、計測コストを5分の1程度に下げられる見通しです。
 TDKが開発したセンサーは「心磁計」と呼ぶ、心臓の動きを面的に把握する装置。HDD(ハードディスク駆動装置)の磁気ヘッドに使う磁気センサーを応用しました。精度を高め、磁気センサーとして世界で初めて心臓の動きをリアルタイムで測定できるようにしました。心電図よりもより正確に心臓の状態を調べられ、不整脈の診断などに効果を発揮しそうです。
 測定機は2平面上に百数十個の磁気センサーを並べており、患者は胸を近付けて測定します。室温で服の上から手軽に測定でき、患者の負担を軽減できます。
 これまでの心磁計は、「超電導量子干渉素子(SQUID)」と呼ばれる高感度磁気センサーを使っていました。超電導材料を冷やすのに液体ヘリウムが必要で、装置は大型になり、導入にも数億円のコストが掛かり、年間のランニングコストも1000万円以上になるため、一部の研究機関でのみ活用されています。
 TDKは4月から、持ち運びもできる磁気センサーを医療機器メーカーなどにサンプル出荷することを予定しています。
 TDKと共同で磁気センサーの開発を進める東京医科歯科大学大学院の川端茂徳教授は、「心臓はまだわからないことが多い」と語り、開発した磁気センサーで知見を深められると期待しています。

 2019年3月10日(日)

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■人工透析中止で死亡した女性、最初の受診日に中止に同意 福生病院 [健康ダイジェスト]

 東京都の公立福生(ふっさ)病院で、女性患者の人工透析が中止され、およそ1週間後に死亡した問題で、女性はもともと別のクリニックで人工透析を受けていて、治療場所を変えて福生病院を初めて受診した日に、透析を中止する同意書に署名していたことがわかりました。東京都は、どのような話し合いで中止が決まったのか詳しい経緯を調べています。
 昨年8月、東京都福生市の公立福生病院で、腎臓病を患っていた44歳の女性の人工透析の治療が中止され、女性は、およそ1週間後に死亡しました。
 関係者によりますと、女性はもともと別のクリニックで人工透析の治療を受けていましたが、クリニックの勧めで地域の中核病院である福生病院を受診しました。
 東京都などによりますと、福生病院にはより高度な透析治療を受けようと別の医療機関の紹介状を持ってやってくる患者も多いということです。
 女性は、初めて訪れた日に医師などと話し合った結果、人工透析治療の中止を選択し、同意書に署名したということです。
 日本透析医学会のガイドラインでは、人工透析を中止するのは、回復の見込みがない終末期の患者が事前に意思を表明し、全身の状態が極めて悪くなった場合などに認められるとしています。
 また、関係者によりますと、女性は当初、人工透析の中止を選んだものの、亡くなる前、病状が悪化し、うなされた状態で人工透析を再開したいと話し、医師がそれを把握していたということです。しかし、その後、病院側が女性の意識がはっきりした時に確認したところ、「透析はしません」とも話していたということで、透析治療は再開されませんでした。
 日本透析医学会のガイドラインでは、人工透析を見合わせた患者やその家族が再開を希望した場合、病院はその意思を尊重し人工透析を再開するとしています。
 東京都は今後、女性と医師との詳しいやり取りを確認し、本人の意思に基づいて適切な対応が取られたのか、調べることにしています。
 一方、公立福生病院は、「現場では家族を含めた話し合いが行われ、その記録も残されている。悪意や手抜きや医療過誤があった事実はない」などとコメントしています。

 2019年3月10日(日)

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■さいたま市の40歳代男性、はしか発症 ベトナムから帰国しJRやバス利用 [健康ダイジェスト]

 今月、ベトナムから帰国した、さいたま市に住む40歳代の男性が、はしか(麻疹=ましん)に感染していることがわかりました。埼玉県は、この男性が発症後に利用した交通機関を公表し、接触した可能性があり、はしかの疑いがある症状が現れた場合は、医療機関を受診するよう呼び掛けています。
 埼玉県によりますと、この男性は仕事でベトナムに滞在し今月帰国した後、4日に発熱や発疹の症状が出て、さいたま市内の医療機関を受診し、8日、はしかと診断されました。医療機関が市保健所に届け出ました。
 男性は快方に向かっているということですが、接触した人がはしかに感染している可能性があるため、発症後にこの男性が利用した交通機関を公表しました。
 それによりますと、男性は今月4日午前6時半ごろにJR埼京線で中浦和駅から池袋駅まで移動、その後、JR山手線に乗り換えて高田馬場駅まで移動しました。午後7時ごろから、同じルートを逆に使って帰宅しています。
 また、今月6日には午前7時前に、さいたま市内などを走る国際興業バスに乗って土合小学校から中浦和駅まで移動しました。その後、JR埼京線の中浦和駅から池袋駅まで利用し、JR山手線に乗り換えて高田馬場駅まで移動しました。午後6時ごろからは、同じルートを逆に使って中浦和駅まで戻り帰宅したということです。
 埼玉県では、この男性と接触した可能性があり、はしかの疑いがある症状が現れた場合には、最寄りの医療機関に連絡した上で受診するよう呼び掛けるとともに、感染を広げないために受診の際は公共交通機関を利用しないでほしいとしています。
 はしかは麻疹ウイルスによって引き起こされる病気。感染力が極めて強く、同じ空間にいるだけで空気感染します。発熱、せき、鼻水、目やになど、風邪と似た症状が当初みられ、いったん熱が下がった後、再び高熱が出て、全身に発疹が現れるといいます。
 はしかは全国的に流行しており、埼玉県内では今月3日現在、6人が感染。さいたま市内では今年初めて感染が確認されました。

 2019年3月10日(日)

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