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■児童虐待の被害、過去最多1394人で36人死亡 警察庁が発表 [健康ダイジェスト]

 昨年1年間に全国の警察が摘発した児童虐待事件は1380件で、被害に遭った18歳未満の子供は1394人でした。ともに過去最多で、うち36人が亡くなりました。夜間など緊急の対応が必要として、警察が一時的に保護した数は統計がある2012年から増え続け、4571人に上りました。警察庁が14日発表しました。
 事件として親や養親らを摘発した件数の約8割は身体的虐待で、傷害と暴行容疑が大半を占めました。強制わいせつなど性的虐待は前年比33・7%増の226件。事件化が難しい心理的虐待は摘発数の2・5%にとどまりました。摘発人数は1419人で、最多は実父の622人。実母352人、養父・継父266人、内縁の男127人と続きました。
 被害に遭った子供は前年より19・3%増え、性別では男性717人、女性677人。無理心中など以外で22人が亡くなり、容疑別では殺人12人、傷害致死5人、保護責任者遺棄致死4人、逮捕・監禁致死1人でした。虐待で亡くなった子供は前年より22人減りました。2006年は111人に上りましたが、2013~2017年は50~60人台で推移しています。
 警察庁は事件が増えた理由を「社会の関心が高まり、情報提供が増える中で徹底した捜査を進めているため」とみています。
 また、虐待を受けているとして、全国の警察が昨年に児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子供は過去最多の8万252人(確定値)。前年より22・7%多く、統計がある2004年から14年連続で増えました。
 児相に通告した虐待で最も多いのは、言葉による脅しや無視など子供の心を傷付ける心理的虐待で、約7割を占める5万7434人(前年比23・7%増)。うち、子供の前で配偶者らを暴行したり罵倒したりする「面前DV」が約6割の3万5944人に上りました。身体的虐待は1万4836人(20・2%増)、育児放棄(ネグレクト)7722人(20・7%増)、性的虐待260人(3・6%増)でした。
 警察は通告とは別に、通報などで駆け付けた現場で虐待が認められないと判断しても、児相や市町村に取り扱いがないか照会するなどして情報を共有しています。昨年は2万8598件の情報を提供し、前年より25・9%増えました。
 一方で、児相は児童虐待防止法に基づき、子供の安全確認時の警察官の同行など警察に援助を要請しており、昨年は339件で前年を23・7%上回りました。
 東京都目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が昨年3月に亡くなった事件を受け、児相は通告から48時間以内に安全を確認できない場合、必ず警察と情報を共有することなどがルール化されました。警察庁は児相から援助要請が増えた背景に情報共有の強化があるとみています。

 2019年3月14日(木)

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■iPS細胞を使い、小児の脳のがんをマウスで再現 東大チーム [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、治療が難しい子供の脳のがんの仕組みをマウスで明らかにしたと、東京大の研究チームが発表しました。脳のがんの状態を再現したマウスを使い、治療薬の候補を見付けるとともに、他の小児がんに応用できる可能性も示せたといいます。
 論文は6日、アメリカの科学誌「セルリポーツ」に掲載されました。
 この脳のがんは「非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍(しゅよう、AT/RT)」で、3歳未満の幼児に多くみられます。患者は国内で年に数人で、半数以上が生後1年以内に亡くなるといいます。「SMARC(スマーク)B1」という遺伝子の異常が原因の一つですが、病態はよくわかっておらず、定まった治療法はありません。
 東京大医科学研究所の山田泰広教授(腫瘍病理学)らの研究チームは、この遺伝子が欠損した人のiPS細胞をつくり、マウスの脳に移植。その結果、マウスの脳に腫瘍ができ、調べるとAT/RTの特徴を持っていました。また、この腫瘍ができると増える2種類の遺伝子を特定、遺伝子の増加を抑える薬を使い、がん細胞の増殖を抑えられたといいます。
 山田教授は、「人の細胞を使い、がん化のモデルを初めて再現した」と説明。他の小児がんである神経芽腫や肝芽腫もAT/RTと同じ方法で増殖を抑えられたといい、「他の小児がんの治療に応用できる可能性がある」と話しています。

 2019年3月14日(木)

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■人工透析中止は5人、うち4人が死亡 公立福生病院 [健康ダイジェスト]

 東京都福生(ふっさ)市の公立福生病院の人工透析治療を巡る問題で、2014年ごろ以降、新たに2人が外科医(50歳)から治療をやめる選択肢を提示され、いずれも死亡していました。昨年8月に亡くなった女性(当時44歳)も含めて計5人が治療の中止を選び、うち4人が亡くなった全容が判明しました。
 これとは別に病院では、腎臓病総合医療センターを開設した2013年4月以降、2017年3月までに、最初から透析治療をしない「非導入」で計20人が死亡したことがわかっています。
 人工透析治療をやめた5人とも終末期ではなく、治療を続ければ「年単位で生きた」と外科医は話しています。外科医と腎臓内科医(55歳)によると、2014年ごろ、腎不全のため意識不明で運ばれた80歳代女性に緊急的な治療を実施。意識が戻った女性が「(透析を)やめてくれ」と申し出たため、外科医が「やめたら死につながる」と説明。本人と家族の承諾を得て翌日に透析を中止し、女性は自宅に戻って死亡しました。
 外科医らは「驚いた。(最初は中止に)積極的ではなかった」と振り返ります。だが、「(患者が治療を)よく理解しないまま(医師側に)お任せ」するのは「正しい医療ではない」と考え、継続か中止かの選択肢を提示することに決めました。
 初めて治療をやめる選択肢を示したのは2015年ごろ。導入後2カ月の男性(55歳)に対して、「継続するも自由、やめるも自由」と提示。男性は「やめる」といって自宅に帰りました。男性は食事制限を受けていましたがステーキを食べて亡くなったといい、家族から感謝されたといいます。
 昨年に入ると、「より具体化し、自信を持って」治療をやめる選択肢を示すようになりました。80歳代女性の透析用血管の分路が不調で持病もあったため、外科医が「どうするかを考える時期だ」と中止を含めた選択肢を提示。家族も同意して治療は中止され、女性は約2週間後に自宅で死亡しましたた。
 さらに、30歳代男性から「後、何年治療したら(体が)よくなるのか」と問われ、外科医は、一生続ける必要があることを説明すると同時に、やめる選択肢を提示。男性は「ようやくわかった。透析をする意味も価値も感じない」と話して紹介元のクリニックに戻りました。生死は不明だといいます。
 外科医は、透析治療をやめると心臓や肺に水がたまり、「苦しくなってミゼラブル(悲惨)で、見ているこちらも大変。透析の離脱(中止)はしてほしくない」と話す一方、「『透析したくない』というのは立派な主張。患者にとってメリットだという信念で、適正な選択肢を示している」と話しています。

 2019年3月14日(木)

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■先天性CMV感染症、健康保険で検査可能に 早期治療に期待 [健康ダイジェスト]

 年間約3000人の感染児が誕生し、一部は聴覚などに重い障害が起きる恐れがありながら、見逃しの多さや対応の遅れが指摘されてきた「先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症」。新生児の確定診断のための尿検査が昨年から健康保険でできるようになり、治療や療育の可能性が広がると期待されています。
 一方、病気の認知度は低く、誤解に基づく患者差別もあります。専門家や患者会は、「予防にも診断後にも正しい知識が大切」と啓発の重要性を強調しています。
 CMVは、健康な子供や大人には無害な有り触れたウイルスです。感染者の唾液や尿を通じて排出され、多くの人は乳幼児期に感染し免疫を獲得します。
 しかし、妊娠中に初感染したなどのケースの一部で胎児にウイルスが移行します。毎年生まれる先天性CMV感染症児約3000人のうち、1000人程度に難聴や発達の遅れなどの障害が出ると推定されています。症状が目立たない子もおり、確定診断されず適切な対処の機会を逃す例が多いといわれます。
 そうした中、厚生労働省の研究班が新生児の尿での診断法を開発し、生後3週間以内の検査が昨年1月から保険適用になりました。
 茨城県の看護師、藤(ふじ)千恵さん(35歳)は「早く確定診断できるのは朗報」と語っています。2012年生まれの次女(6歳)は先天性CMV感染症で重度の聴覚障害がありますが、診断に半年近くかかりました。誕生直後の聴覚スクリーニングは「要再検」で難聴の疑いはありましたが、「羊水が耳に残っているのでは」との医師の言葉や、妊娠・出産とも順調で「まさか」という思いもあり、検査が遅れました。人工内耳により徐々に「聞こえ」を取り戻している娘の姿は救いですが、「もっと早くわかっていれば」と自分を責める気持ちは消えないといいます。
 先天性CMV感染症に有効な抗ウイルス薬はあるものの、使用は正式に承認されていません。生後30日以内の治療開始で聴覚障害などの進行を抑えられたとの研究報告を基に、海外では新生児の治療に使われています。しかし、免疫低下などの深刻な副作用があり、使用には厳重な注意が求められています。
 厚労省研究班の岡明(おかあきら)東京大教授(小児科)は、「世界で行われている治療を日本でも可能にするのは重要で、早期診断はその大きな一歩。今後は安全で有効な治療薬の使用法を探る研究が必要だ」と話しています。
 また、先天性CMV感染症の認知度は低いのが現実です。厚労省研究班の山田秀人(ひでと)神戸大教授(産科婦人科)らが2014年、全国の妊婦に胎児に影響がある感染症の知識を尋ねたところ、先天性CMV感染症を知っていたのは18%にとどまりました。
 山田教授らは感染リスクを減らすための妊婦向け啓発資料を作り、医師や保健師らに活用を勧めています。上の子の育児など、乳幼児と接したらせっけんで手洗いし、子供と食べ物や食器などを共有しないよう強調しています。
 一方、妊婦以外は特別な注意は不要なのに、誤解に基づき患者が差別される例があります。藤さんも全く根拠のない差別に苦しみ、次女の入園が決まっていた保育園が「感染症」との診断書を見て、入園取り消しを伝えてきました。苦労して探した公立保育園では、食事も遊びもほかの子供たちと別にされました。小児科医に「特別な対応は不要」と説明してもらい、1年余りの交渉の末、やっと対応が改まったといいます。
 先天性CMV感染症などの先天感染児の母親らでつくる患者会「トーチの会」代表の渡辺智美さんは、「残念な対応はまだあるが、現実には乳幼児の多くがCMVに感染しているので保育園などで隔離する意味は全くない。そうした情報も会のホームページで発信しています」と話しています。

 2019年3月14日(木)

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■大気汚染による死者数は喫煙原因を上回る ドイツの研究チーム [健康ダイジェスト]

 大気汚染が原因の早期死者数は全世界で年間およそ900万人に上るする研究結果をドイツの研究チームが発表し、たばこが原因の死者数を上回るとして、汚染物質を排出する化石燃料の使用を抑える必要性を訴えています。
 ドイツのマックスプランク化学研究所などの研究チームは12日、PM2・5などの大気汚染物質が原因とみられる呼吸器や循環器の病気で死亡した人の数が2015年の1年間で世界でおよそ880万人、ヨーロッパでは79万人に上ったと発表しました。
 今回の研究は、地域ごとにPM2・5などの有害物質にさらされる値を算出した上で、各地域で呼吸器や循環器などに関連する病気で死亡した人の数を当てはめる新たな手法で推計したということです。
 一方、世界保健機関(WHO)によりますと、たばこが原因で死亡する人は年間およそ700万人と推定されていて、今回の研究結果は、大気汚染が喫煙や受動喫煙による死者を上回るとしています。
 今回の研究の結果、群を抜いて最も多かった死因は、PM2・5として知られる直径2・5ミクロン未満の微小粒子状物質であることが判明。ちなみに平均的な人の毛髪の太さは60~90ミクロンです。「PM2・5による健康への有害な影響がこれまで考えられていたよりはるかに大きいことが、最新データでわかった」と、研究に当たったヨス・レリーフェルト研究員は説明しています。
 WHOは、PM2・5などの大気中の微小粒子状物質の濃度について、1立方メートル当たり年平均10マイクログラムを超えないよう勧告しています。ヨーロッパ連合(EU)の基準値はこれよりはるかに緩く、年平均25マイクログラムですが、この水準でさえも、いくつかのヨーロッパ諸国では常態的に上回っています。
 今回の研究によると、大気汚染による死亡者数は、全世界では人口10万人当たり年間120人であるのに対し、ヨーロッパでは、ほかの大半の地域よりも厳しい汚染規制が行われているにもかかわらず、人口10万人当たり年間133人となっています。
 この理由についてレリーフェルト研究員は、「大気の質が低下している地域に人口が密集すると、世界最高レベルの暴露につながることから説明できる」と指摘。「大気汚染の最大の原因は化石燃料の過度な使用にあり、再生可能エネルギーに切り替えることで、ヨーロッパの大気汚染が原因の死亡率を最大55%引き下げることができる」と訴えています。

 2019年3月14日(木)

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■肝臓病治療薬の横流し、千葉県の病院理事長を逮捕 貯蔵容疑「違法性を認識」 [健康ダイジェスト]

 肝臓病治療薬「ラエンネック」を許可なく販売目的で保管したとして、千葉県警は13日、野田中央病院(千葉県野田市)を運営する医療法人社団「喜晴(きせい)会」理事長で医師の八木禧徳(よしのり)容疑者(73歳)を医薬品医療機器法違反(無許可販売目的貯蔵)容疑で逮捕しました。県警は同病院から医薬品が不正に流出した経緯を調べています。
 逮捕容疑は、浅田一弘容疑者(72歳)ら日本人3人と共謀し、1月9日~2月26日ごろ、医薬品販売業の許可がないのに、同病院でラエンネック15箱(1箱2000本、取引価格1本当たり186円)を販売目的で保管したとしています。「(浅田容疑者らが)取りに来るまで院内で保管していた。違法性はわかっていた」と容疑を認めているといいます。
 ラエンネックはさらに日本人3人から、自称・埼玉県川口市の会社役員、胡晃央=本名・祝銘思(しゅくめいし)=容疑者(39歳)ら中国籍の2人に販売されたとみられます。
 県警は、八木容疑者が日本人3人から代金を受け取っていたとみています。少なくとも昨年10月以降、ラエンネック以外の複数の医薬品を横流ししていた可能性もあり、5人はこれらの医薬品を国内外の業者に転売していたとみられます。また、他人の保険証を不正に使って医薬品を入手していた可能性もあり、県警が捜査を進めます。
 ラエンネックの製造元によりますと、肝機能の改善のために医師が処方するほか、含まれる成分が美容に効果が見込まれるとして美容外科などで使われる場合があるということです。
 野田中央病院のホームページによると、同病院は地域の中核的な病院。内科や循環器内科、外科などがあり、病床数は34床。人工透析センターも設けられています。

 2019年3月14日(木)

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