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■加圧シャツ広告の「着るだけで筋力アップ」は違反 消費者庁「根拠なし」 [健康ダイジェスト]

 「着るだけでマッチョが目指せる」などと誇大に宣伝して「加圧シャツ」などを販売したのは景品表示法違反(優良誤認)に相当するとして、消費者庁は22日、衣類のネット販売事業などを行う「イッティ」(東京都)など9社に、再発防止などを求める措置命令を出しました。
 措置命令が出されたのは、ほかに「加藤貿易」「GLANd」「ココカラケア」「SEEC」「スリーピース」「BeANCA」「VIDAN」(いずれも東京都)、「トリプルエス」(愛知県)。
 消費者庁によると、9社は2016年11月~今年1月、自社のウェブサイトなどで、男性向け加圧シャツやスパッツ、レギンスなど計15商品を販売する際、着るだけで著しくやせられ、筋肉増強効果が得られるかのように宣伝しました。おなかの写真に「強烈な加圧で、お肉を圧縮」、鍛えられた上半身の男性の画像に「着るだけでこのカラダ」など文言を重ねて掲載していたといいます。
 消費者庁は、9社に表示の裏付けとなる資料を求め、提出のなかった2社を含め、「いずれも合理的な根拠は確認できなかった」と判断しました。関係者によると、2017~2018年の2年間に20億円超を売り上げた会社もあったといいいます。
 近年は「筋肉ブーム」ともいわれ、引き締まった体にあこがれる人たち向けに同種の商品が多く流通し、他社との差別化を図ろうと過激な表示が増えたとみています。    

 2019年3月22日(金)

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■75歳以上の8割に2つ以上、6割に3つ以上の慢性疾患が併存  東京都内で調査 [健康ダイジェスト]

 東京都内に住む75歳以上の後期高齢者の約8割が2つ以上、約6割は3つ以上の慢性疾患にかかっていることが、東京都健康長寿医療センターの研究で明らかになりました。詳細は、アメリカの疾病対策予防センター(CDC) が出版している国際科学雑誌に発表しました。
 約131万人の診療情報明細書(レセプト)から分析を進め、疾患を特定しました。複数の疾患が存在している状態は多病と呼ばれ、患者の心身機能や生活の質に大きな影響を与えます。高齢化の進行で、多病の人は増加しているとみられています。
 頻度の最も高い3疾患の組み合せは、男性では高血圧・潰瘍性疾患・虚血性心疾患(12・4%)、次いで高血圧・脂質異常症・潰瘍性疾患(11・0%)、女性では高血圧・脂質異常症・潰瘍性疾患(12・8%)、次いで高血圧・潰瘍性疾患・脊椎/関節疾患(11・2%)でした。男性では泌尿器疾患、女性では骨粗鬆(こつそしょう)症も目立ちました。
 また、3疾患の組み合せで頻度が上位15位までの中で、1年間の平均外来医療費が最も高かった組み合せは、男性では高血圧・潰瘍性疾患・悪性新生物(82万7644 円、7 位:7・6%)、次いで高血圧・潰瘍性疾患・脊椎/関節疾患(76万2176 円、10 位:7・4%)、 女性では高血圧・潰瘍性疾患・不眠症(68万2811 円、6位:8・0%)、次いで高血圧・潰瘍性疾患・脊椎/関節疾患(67万4710 円、2位:11・2%)でした。
 そして、多病を抱えやすい高齢者の特徴は、男性、85〜89歳、医療費が1割負担、在宅医療を受けていること、外来受診施設数の多いこと、入院回数の多いことでした。
 複数の病気にかかっている患者には、検査や治療で配慮が必要であるため、こうした調査は、適切な診療ガイドライン作成に役立つとしています。

 2019年3月22日(金)

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■脳梗塞患者、血栓溶解療法を受けられる対象を拡大 学会が治療指針を変更 [健康ダイジェスト]

 脳の血管が詰まることで起きる脳梗塞について、日本脳卒中学会は、初期の患者には高い効果があるとされる「t-PA」療法(血栓溶解療法)と呼ばれる血栓を溶かす治療をより多くの患者が受けられるよう、治療の指針を変更しました。
 脳梗塞は脳の血管に血液などの塊が詰まることで起きるもので、初期の段階の患者には血の塊を溶かす薬を使う「t-PA」療法という治療が高い効果を発揮しますが、発症から4時間半を超えたら行わないとされてきました。
 そのため、寝ている間に発症するなど、時間の経過が正確にわからない患者には行えなかったとして、日本脳卒中学会は治療の指針を見直し、MRIの検査で脳の血管の状態がよければ医師の判断で「t-PA」療法を行うことができるとしました。
 脳梗塞では年間6万人以上が死亡しているとされ、今回の変更で、この治療が実施できる患者が年間、数千人ほど増えるとみられています。
 一方で、血管の状態が悪いとこの治療法によって脳出血を起こすリスクが上がるため、学会は、検査結果を慎重に見極めて実施することになるとしています。
 日本脳卒中学会の理事長を務める京都大脳神経外科の宮本享教授は、「医師が最適な治療を選択でき、より多くの患者を救えると期待している」と話しています。

 2019年3月22日(金)

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☐用語 咽後膿瘍 [用語(あ行)]

[バー]のどの奥の咽頭粘膜の後方にあるリンパ節に炎症が広がって膿がたまる疾患
 咽後膿瘍(いんごのうよう)とは、のどの奥の咽頭粘膜の後方にあるリンパ節に細菌などが感染して炎症が広がって膿瘍ができ、膿汁がたまる疾患。
 かつては、生後2カ月から5歳の乳幼児や小児に多い疾患とされていましたが、最近では、免疫不全などで全身抵抗力の低下している成人や高齢者にも発症がみられます。
 放置すると膿(うみ)が下方の胸腔(きょうくう)にある縦隔に流れていき、縦隔炎という生命にかかわる疾患になるので、早く医師の診察を受けることが必要です。
 成人では、結核性頸椎(けいつい)カリエスに続いて起こることもあります。ただし、抗生物質や抗結核薬による治療が普及してきた現在では、咽後膿瘍の発症率は減少傾向にあります。
 咽頭粘膜の後方の左右にはリンパ節があり、鼻、副鼻腔(ふくびくう)、咽頭、中耳などの領域リンパ節として働いています。これらのリンパ節は、乳幼児期には数が多いのですが、成人になるに従って委縮していきます。鼻や中耳などの炎症を起こしやすい乳幼児や小児では、炎症に引き続いて、これらのリンパ節に膿瘍ができることがあります。
 咽頭の外傷や異物誤嚥(ごえん)などにより細菌が直接、リンパ節に感染して起こることもあります。
 乳幼児や小児と成人では、症状がやや異なります。乳幼児や小児の初期症状は、機嫌が悪い、食欲がない、発熱などで、泣き声が含み声となります。炎症が進むと、鼻呼吸が障害されたり、首が曲がりにくくなり、痛がったりします。
 成人は発熱、のどの痛み、食事摂取困難などが初期症状で、炎症が進むと口が開きにくい、しゃべりにくい、呼吸が苦しいなどの症状が起こります。
 風邪や急性咽頭炎などが治らず、嚥下や呼吸状態が悪化する場合や、咽頭の外傷後や魚の骨などをのどに刺した後に症状が出てきたら、早めに耳鼻咽喉(いんこう)科を受診し、入院して精密検査をする必要があります。
[バー]咽後膿瘍の検査と診断と治療
 耳鼻咽喉科の医師による診断では、疾患が疑われたら頸部(けいぶ)CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査により容易に確定診断できます。しかし、咽頭炎症状のみの場合には咽頭後壁のはれや盛り上がりで咽後膿瘍を疑い、鼻咽腔ファイバースコープ(内視鏡)検査で確認します。
 膿を培養して、細菌の種類と抗菌薬に対する感受性を調べる検査は治療上大切です。
 耳鼻咽喉科の医師による治療では、症状が進行して膿瘍が大きくなり、空気の通り道である気道が圧迫されて呼吸困難が生じている場合には、口から針を刺して膿汁を吸引するか、のどを切開してチューブを入れ排膿します。膿瘍が下方に進展していると考えられる場合は、全身麻酔をして、のどの切開の後に頸部外切開を行い、排膿します。同時に、点滴で抗菌薬を投与します。
 緊急性がない場合でも、入院による治療は必須で、点滴での抗菌薬投与などを行います。また、排膿するための手術が必要なことがあります。

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