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■ジェル豊胸剤の使用自粛求め声明発表へ 日本美容外科学会が健康被害受け [健康ダイジェスト]

 ジェル状充填(じゅうてん)剤を注入する豊胸術を受けた女性の間で、しこりや感染症などの健康被害が出ている問題で、日本美容外科学会(JSAPS)の大慈弥(おおじみ)裕之理事長(福岡大副学長)は6日、非吸収性の注入剤を豊胸に使わないよう自粛を求める声明を月内に発表する方針を明らかにしました。
 ソウルで開かれた韓国の美容外科学会の講演で述べました。日本美容外科学会はこの問題が明らかになった昨年秋、使用自粛を求める見解を示していました。今回、日本形成外科学会などと共同声明を出すことで、使用のリスクをより強く呼び掛けます。
 日本では自由診療の場合、未承認の素材も医師が個人輸入して使うことが法律上認められています。
 美容目的の豊胸で用いるジェル状充塡剤は、ゼリーのような素材で、管状の器具で乳房に注入します。化学物質のポリアクリルアミドと水を混ぜたものや、シリコーン、ヒアルロン酸などの素材が使われます。シリコーン製のバッグと比べ、ジェル状充塡剤は全身麻酔が不要で傷が小さく、全国の美容クリニックで扱っています。
 日本美容外科学会は昨年6~7月、形成外科医約4000人に充塡剤の使用に関するアンケートを実施。回答した132人のうち72人が、計108件の合併症を診察していました。症状別では、しこりなどの固まり44%、感染症22%、皮膚変化8%、変形6%など。ジェル状充塡剤が注入されていたのは計83件で、チェコ製充填剤「アクアフィリング」が24%で最多。ヒアルロン酸系17%、シリコーン系17%、ウクライナ製とされる「アクアリフト」7%が続きました。
 豊胸の合併症を多く診療する野本俊一医師(日本医科大付属病院)によると、充塡剤は大胸筋を覆う筋膜と乳腺側の筋膜の間に入れます。その際に菌が入ったり、充塡剤が乳腺に入ったりすると、炎症などが起きる恐れがあります。充塡剤が乳腺や大胸筋などに散らばると、すべてを取り出すのは難しいといいます。
 豊胸目的の充塡剤を巡っては、アメリカ食品医薬品局は血管を詰まらせる危険があるなどとして使用を禁じており、流通した場合は押収や罰金などの措置を取っています。日本では、豊胸目的で国の承認を受けたものはありません。一方で、使用に対する規制がないため、医師が自由診療の中で使っており、流通量ははっきりしません。
 充塡剤を豊胸に使っている東京都内の医師は、「バッグよりも胸が軟らかく仕上がるので患者の満足度は高い。問題を起こすのは技術のない医師で、いつ誰がどう施術したか登録する仕組みを作るべきだ」と話しています。

 2019年4月7日(日)




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■新薬「ゾフルーザ」、使用基準作成へ 耐性ウイルス対策で感染症学会 [健康ダイジェスト]

 インフルエンザの新薬「ゾフルーザ」に耐性ウイルスが検出され、日本感染症学会は5日、使用基準を設ける方針を決めました。この薬は1回飲むだけでよいとされ今季多く使われましたが、耐性ウイルスが広がると効きにくくなる恐れがあります。
 ゾフルーザは昨年3月に発売され、昨秋から今春までに約562万人分が医療機関に供給されました。発売前の臨床試験で、季節性のA型インフルエンザの治療にゾフルーザを使うと耐性ウイルスが出やすいことが確認されていました。
 国立感染症研究所によると、2日までにA香港型インフルエンザの患者168人のうち25人から耐性ウイルスが検出され、21人は12歳未満だったといいます。うち3人はゾフルーザを使っておらず、この薬を飲んだ家族からうつったとみられます。
 日本感染症学会はこの日、名古屋市で開かれた学術集会で緊急セミナーを開催。「子供や高齢者が重症化しやすいA香港型で多くの耐性ウイルスが出ている」などと現状を報告しました。今後、どのような使用基準を設けるのが適切か検討し、早ければ来季までに公表します。
 この問題に詳しいけいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師は、「耐性ウイルスの問題が十分周知されていない。現時点では、季節性のA型インフルエンザの治療にゾフルーザを使うべきではない」と指摘しました。

 2019年4月7日(日)

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■野菜、果物の摂取は精神的幸福も後押し イギリスの大学が調査

 ダイエットや健康のために「果物や野菜の摂取量を増やそう」と考える人は多いものですが、このような食生活は肉体の健康によいだけではなく、気分の向上や感情面の幸福も後押しするとの研究結果が報告されています。
 イギリスの国立リーズ大学で行われた研究では、イギリスの世帯を対象に2010年から2017年まで収集された長期調査データを分析しました。調査に参加した人は、1日または1週間にどれくらいの生鮮食品を食べるか、および自らの幸せレベルや自己価値・不安の有無についても含めた健康質問票に記入しました。
 結果として、「果物や野菜の1単位」を「カップ1杯またはこぶし大の生野菜」「カップ半分の調理された野菜またはカットフルーツ」「果物1個」と定義すると、1日に3~4単位の果物・野菜を摂取している人は、摂取しなかった人と比べてよりよい心理的幸福を報告したと発見されました。この幸福状態は一般的な健康状態や人生の満足度ではなく、前後の変化を考慮して「よい影響を与えたか」という観点で測定されています。この「よい影響」が1ポイント高かった日には、0・11単位より多くの果物および0・14単位よりも多くの野菜を消費していると報告されています。
 論文では、「この調査結果は、果物と野菜の消費量を1日当たり約
1・05単位に増やすことで、失業状態から仕事に就くのと同じ精神的幸福へのプラス効果をもたらすことを示唆しています」とその効果について強調しています。また、1日に1単位の摂取量を増やすだけでも、1カ月当たり8日余分にウオーキングするのと同じ効果があると述べられています。
 しかしながら、この調査では、イギリス政府が推奨する摂取量の「1日5単位」を満たす人すら少なかったため、より高いレベルで果物や野菜の摂取を勧める方法が重要度であることが論文では示されています。
 生鮮食品がなぜ私達の精神的健康を増進させるのかははっきりしていないとのことですが、過去の研究では、豆やオレンジ、ほうれん草が豊富に含むビタミンEとビタミンCの働きが関係していると示唆されています。また、果物や野菜に含まれる複合糖質は、気持ちいい感覚を生むホルモンであるセロトニンのレベルを高める可能性もあると考えられています。
 イギリスの国民保険サービスはこの調査結果について、ここで用いられたのは縦断的コホート研究であるため、果物と野菜の摂取が精神的な幸福につながるという関連性を見付けるのには向いているものの、ある要因が他の要因を直接引き起こすことを証明することはできず、測定されていない他の要因も影響を受ける可能性があると指摘しています。
 国民保険サービスはこの研究には限界があり、果物や野菜の摂取が実際に精神的な健康の向上をもたらすのかどうかを明確に教えてはくれないと慎重な態度をとりつつも、果物と野菜をたくさん摂取することに利点があることは間違いなく、それがもし幸福感、充実感、不安感の軽減につながるのであれば、それはよいことであると前向きに述べています。

 2019年4月7日(日)

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