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■皮膚の細胞から3Dプリンターで人工血管を作製 透析患者への移植を申請 [健康ダイジェスト]

 佐賀大医学部の中山功一教授(臓器再生医工学)らの研究チームが、細胞を使って立体的な組織を作り出す「バイオ3D(3次元)プリンター」を使って作製した人工血管を人工透析の患者に移植する臨床研究計画を蒲郡(がまごおり)市民病院(愛知県)の審査委員会に申請しました。
 中山教授によると、皮膚の細胞だけを使ってバイオ3Dプリンターで作製した生体組織の移植は世界的に珍しいといいます。
 今回の研究では、渋谷工業(金沢市)が開発し、医療ベンチャー「サイフューズ」(東京都文京区)が販売するバイオ3Dプリンターを使用。まず患者の皮膚の細胞を培養し、約1万個の細胞の塊を作製。血管の3次元データに基づいて、この塊を生け花に使う剣山のような土台に串刺しにします。数日間で細胞が互いにくっ付き、長さ約5センチ、直径約5~6ミリの人工血管ができます。
 人工血管は、人工透析の患者が血液浄化のために使う血管の分路(シャント)と置き換えます。既存のシャントは樹脂製で内部が詰まって血流が悪くなるなどの不具合が起こることがありますが、人工血管に替えれば血流が改善されるとみられます。
 研究チームは半年ほどかけて安全性や効果を確かめ、佐賀大医学部で患者3~5人に移植する予定。中山教授は「人間の細胞だけで作られた人工血管は感染症を起こしにくく、透析で繰り返し注射針を刺されても自己再生できる」と話しています。

 2019年4月23日(火)

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■「全臓器のがんに使える薬」の開発進む 選択肢が増えると期待 [健康ダイジェスト]

 がんの治療薬はこれまで、肺がんや胃がんなど臓器ごとに承認されてきましたが、原因となる遺伝子が共通していれば、どの臓器のがんであっても使える薬を開発するケースが増えており、がん患者の薬の選択肢が増えると期待されています。
 がんの治療薬はこれまで、肺がんや胃がん、大腸がんなど臓器ごとに効果を確認して国の承認を受けてきましたが、原因となる遺伝子が共通していれば、どの臓器のがんであっても効果を発揮するケースがあることがわかってきました。
 そのため製薬会社は、がんの原因遺伝子の働きを抑える薬を開発し、どの臓器であっても使えるよう国の承認を受ける薬が出てきています。
 製薬会社のMSD(東京都千代田区)が販売する「キイトルーダ」という薬は、悪性黒色腫や肺がん、ホジキンリンパ腫、尿路上皮がんのいずれも、一部に対しで承認を受けていましたが、原因遺伝子が同じであれば臓器に関係なく効果が期待できるとして、昨年12月に国内では初めて臓器別ではない承認を受け、血液を除くすべてのがんで使用できるようになりました。
 また、中外製薬が開発を進めるがん治療薬も、遺伝子の特徴が共通していれば幅広く使うことができるよう国に申請し、審査が行われています。
 がんの原因となる遺伝子に詳しい順天堂大学の新井正美先任准教授は、「こうした薬の開発はほかにも進んでいて、今後、がん患者の薬の選択肢が増えると期待される」と話しています。
 国立がん研究センター東病院の吉野孝之医師(消化管内科)は、「臓器別ではないがん治療薬の開発が進んでいる。臓器別に治療方針を立てる時代から、臓器を超えて治療する新しいがん治療の幕開けになる」と話しています。

 2019年4月23日(火)

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■腹腔鏡手術の執刀医に専門医資格なし 草加市立病院の検証委が報告書 [健康ダイジェスト]

 埼玉県の草加市立病院が、保険適用の基準を満たさない腹腔(ふくくう)鏡手術を開腹手術として診療報酬請求していた問題で、病院が設置した第三者検証委員会は23日、最終報告書を公表し、執刀した男性医師(49歳、退職)が2011年10月以降、専門医の資格を更新していなかったと明らかにしました。「手術による直接の健康被害はない」としています。
 第三者検証委によると、請求に誤りがあったのは2008年以降2017年までの10年間に実施した子宮がんや卵巣がんの腹腔鏡手術95件。1件を除き同じ非常勤の男性医師が担当していました。保険適用には産婦人科専門医の資格や一定の経験が必要でしたが、男性医師は満たしていませんでした。病院も施設基準を満たしていませんでした。
 また、第三者検証委からの依頼を受け手術の動画を検証した専門家は、「手術を担当した医師にはがん手術の基本的知識が不足している」などと指摘したということです。
 男性医師は第三者検証委の聞き取りに、「更新を失念していた」と話しました。
 第三者検証委は、「病院は男性医師への監督が不十分だった」と指摘。事務部門も当事者意識が薄く、請求業務の責任の所在が不明確だったとしました。その上で組織制度の改革を求め、組織全体や各部門をチェックする監査役を置くよう提言しました。
 草加市立病院によると、請求総額は計約1億4000万円で、現在実施されている厚生労働省関東信越厚生局の調査終了後に返還する方針。河野辰幸病院事業管理者は、「診療の質が厳しく問われたと感じている。患者やご家族の皆様におわびし、信頼回復に努めていきたい」と述べました。

 2019年4月23日(火)

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■CTなどの画像診断誤り、救急医療現場でも 3年間で死亡12件 [健康ダイジェスト]

 救急医療現場で、エックス線やコンピューター断層撮影装置(CT)を使った画像診断をしたものの、治療が必要な症状を見落としたため、患者が死亡した事例が昨秋までの3年間で12件あったことが明らかになりました。
 国の医療事故調査制度に基づき、報告があった851件を日本医療安全調査機構が分析し、22日発表しました。機構は「画像診断の際には、頭部の出血や動脈破裂など、見落とすと死につながる症状の鑑別診断を念頭に置きながら見てほしい」と呼び掛けています。
 2015年10月~2018年10月末までに医療事故調査・支援センターに報告があった院内調査結果が対象。救急医療での画像診断にかかわる死亡は15件あり、このうち12件が画像検査の所見が診断・治療につながらなかったといいます。
 12件のうち7件は、急性硬膜下血腫や大動脈瘤(りゅう)破裂など、すぐに治療を施さないと死につながる症状の画像所見を見逃していました。また、8件は医師1人で画像確認をしていました。画像診断報告書を担当医師が確認せずに、がんで亡くなった事例も2件ありました。
 分析をした坂本哲也・帝京大学教授(救急医学)は、「読影する放射線科医師が業務量に対して、足りていない現状が背景にある。複数医師による画像確認や情報共有など体制整備を進めることが大切だ」と話しています。

 2019年4月23日(火)

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